観葉植物の土の種類

更新日 2025年04月22日

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

観葉植物の土は大きく分けて2種類

観葉植物の土は、性質や用途によって「基本用土」と「改良用土」の2種類に分けられます。

土の配合の原理を理解するためにも、それぞれの目的や用途の違いを知っておきましょう。

育てる基本になる「基本用土」

「基本用土」は植物を育てる際の基本となる土で、観葉植物育成でも用土の半分以上を占めます。

植物の成長に必要な水分や空気、養分を適切に供給する役割を果たす土で、土台となるようにある程度の重さがあるのも特徴です。

赤玉土や鹿沼土が代表的ですが、他にもさまざまな種類があり、育てる植物に合わせて数種類の土をブレンドします。

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足りない要素をカバーする「改良用土(土壌改良材)」

「改良用土(土壌改良材)」は土の環境を整えるために使用される土や混合物です。

腐葉土や堆肥が代表的で、土に栄養を足す、土の性質を変える、古くなった土を健康な状態に戻すといった役割があります。

観葉植物を育てる際に重要となる水はけや保水性を調整する上でも、改良用土の適切な配合が欠かせません。

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観葉植物の土選びで重要なポイント

観葉植物の土選びで重要なポイントは、以下の5つです。

  • 通気性:土の中の空気の通りやすさ
  • 排水性:水はけの良さ
  • 保水性:乾燥のしにくさ
  • 保肥性:土が養分を保持する能力の高さ
  • 酸性度:土が酸性・中性・アルカリ性であるかを示すpH値

通気性、排水性、保水性の良さを考える上で重要なのは、土の粒の間に適度なすき間があるかどうかです。

「団粒構造」と呼ばれる、土の粒子が集まって小さな団子状の集合体を形成している状態が望ましいです。

団粒構造がある土は保肥性も良いとされ、植物の栄養となる有機物も多く含むことができます。

酸性度は植物によって適した値が異なりますが、観葉植物の場合はおおむねpH5.5~6.5の弱酸性を目安にするといいでしょう。

基本用土の種類

主な基本用土は以下の5種類です。

用土通気性排水性保水性保肥性酸性度
赤玉土弱酸性
pH5~6
鹿沼土酸性
pH4~5
日向土××弱酸性
pH6
川砂××中性
pH6~7
黒土××弱酸性~中性
pH5.5~6.5

それぞれの土について詳しく解説します。

赤玉土

赤玉土

赤玉土は関東ローム層からとれた赤土を乾燥させた土で、粒の大きさによって小粒・中粒・大粒に分けられます。

赤玉土はいずれの粒の大きさでも通気性・排水性・保水性・保肥力に優れた植物の育成に最適な土です。

重さがあるので、背が大きくなったりボリュームの出る植物の土台を安定させるのにも役立ちます。

粒が崩れやすいのと、赤玉土に含まれるアルミニウムはリン酸と結合しやすいため肥料にリン酸が使えなくなる点に注意しましょう。

鹿沼土

鹿沼土

鹿沼土は栃木県鹿沼市で産出される軽石の総称で、土の層の中では黒土、赤玉土に次ぐ3層目にあたる土です。

崩れにくく団粒構造を維持しやすいため、抜群の通気性・排水性・保水性を誇ります。

土自体の質量が軽く扱いやすい、ハンギングなどにも使いやすいのもメリットのひとつです。

ただし、鹿沼土自体が酸性が強く、植物の品種によっては改良用土などを混ぜてphの値を調整する必要があります。

日向土

日向土は宮崎県日向地方で産出される軽石の一種で、別名ボラ土とも呼ばれます。

通気性、排水性に優れているものの保水性、保肥性は低いです。

硬質で潰れにくいため、長期間通気性と排水性の良い状態を維持できますが、一方で保肥性はほとんどありません。

酸性度はpH6前後の弱酸性なので、使い勝手は良いでしょう。

日向土は基本用土としても使用できますが、通気性・排水性改善のために他の用土に混ぜ込むのが一般的です。

川砂

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川砂は河川の岩石が風化してできた砂で、河川の底や河川敷から採取されます。

通気性、排水性に優れていますが、保水性と保肥性は低いです。

粒の大きさは0.25~2㎜程度で、水の流れによって角が取れて丸みを帯びているという特徴があります。

また、雑菌が繁殖しにくい特性を持つため、栄養をあまり必要としない挿し木用の土にも適しています。

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黒土

黒土

黒土は関東ローム層の表層から採取される火山灰由来の土で、有機物を多く含むため、土の色が黒くなっています。

黒土に含まれている有機物は、おもに植物や動物の残骸が分解されて形成される「腐植」という物質です。

黒土は保水性と保肥性に優れていますが、通気性や排水性はほとんどありません。

黒土に含まれるアルミニウムや鉄がリン酸と結合してしまうため、リン酸が効きづらい点に注意が必要です。

改良用土の種類

主な改良用土は以下の8種類です。

用土通気性排水性保水性保肥性酸性度
腐葉土中性pH6~7
ピートモス××酸性pH4
バーミキュライト中性pH6~7
パーライト中性~アルカリ性pH7.5~8.5
堆肥種類により異なる
くん炭×アルカリ性pH8~10
ゼオライト弱酸性~アルカリ性pH5.5~7.5
軽石××

それぞれの土について詳しく解説します。

腐葉土

腐葉土

腐葉土は落ち葉や小枝が堆積し、微生物やバクテリアによって分解・発酵されて土状になったものです。

葉の状態が残り、粗い形状のため土にすき間ができやすく通気性や排水性に優れています。

腐葉土を土に混ぜ込むことで、植物の根が伸びやすい環境を作ることが可能です。

腐葉土には微生物がたくさん含まれているため、土壌微生物を豊かにしてくれます。

土壌微生物が豊かな土に植えた植物は、病害虫の被害を受けにくく、健全に育ちやすいです。

葉の繊維質により保水性が良いことや、腐植を多く含むため保肥性に優れている点も特徴として挙げられます。

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プロトリーフ

ピートモス

ピートモス

ピートモスは、ミズゴケなどが長年堆積してできた泥炭を原料に、脱水乾燥させて粉砕と選別を行ったものです。

触り心地はふわふわ、さらさらとしていて、保水性に優れ、植物に水分を安定的に供給できます。

ph4程度の酸性の土なので、酸性土壌を好む植物に適しています。

腐葉土や堆肥に比べて保肥性に優れ、カリウムやアンモニア態窒素、カルシウムなどの肥料成分をしっかり保持することが可能です。

通気性、排水性が悪いため、用土中のピートモスの比率が多いと植物が根腐れを起こす恐れがあります。

バーミキュライト

バーミキュライト

バーミキュライトは蛭石(ひるいし)と呼ばれるケイ酸塩鉱物を、高温で焼成し膨張させたものです。

アコーディオン状に膨張しているためすき間が多く、通気性と排水性に優れています。

また、バーミキュライトのすき間に水が入り込み、多くの水分を保持できるため、保水性も高いです。

バーミキュライトのすき間が空洞のため、空気を多く含み断熱性・保温性にも優れています。

保肥性にも優れ、特にカリウムとアンモニア態窒素を保持する力が強いです。

高温で焼成される製造過程により、無菌で清潔なため挿し木や種まき用の用土としても多く活用されています。

パーライト

パーライト

パーライトはガラス質の火山岩を高温で加熱し、急激に水分を蒸発させて作られた多孔質の資材です。

加熱処理する際に発砲し、中が無数の空洞になっているため、非常に軽く、断熱性や保水性に優れているのが特徴です。

パーライトには、真珠岩パーライトと黒曜石パーライトの2種類があります。

  • 真珠岩のパーライト:熱処理の際に粒の内部から表面まで無数の空洞ができることにより、粒の表面がざらざらしているのが特徴
  • 黒曜石のパーライト:粒の表面には空洞がそれほど多くないため、真珠岩のパーライトに比べ粒の表面がつるつるしているのが特徴

真珠岩パーライトは空洞がより多いため、保水性も高いのが特徴です。

一方、黒曜石パーライトは表面に空洞が少ないためより排水性に優れ、大粒のものは鉢底石の替わりとして使用できます。

堆肥

堆肥

堆肥は有機物を微生物の力で分解し腐熟させた改良用土で、元になる有機物の種類によって効果が異なります。

堆肥の種類原料効果
バーク堆肥粉砕した針葉樹の幹保水性を高める
もみ殻堆肥米のもみ殻+米ぬかや鶏糞など通気性を高める
牛ふん堆肥もみ殻や稲わら+牛ふん通気性と保水性を高める
鶏ふん堆肥鶏ふん肥料成分が多い
馬ふん堆肥落ち葉やもみ殻+馬ふん病害虫の被害を受けにくくなる

バーク堆肥は特に保水性が高く、土が乾きがちな場合はバーク堆肥を混ぜ込むと効果的です。

もみ殻堆肥は肥料成分が少ないため、肥料焼けを起こしにくく、根の傷みを防ぐ効果があります。

牛ふん堆肥は有機物を豊富に含むため、土壌の通気性と保水性を高めたい場合に効果的です。

鶏ふん堆肥は即効性があり土壌改良の効果はあまり見込めないため、一般的には肥料として使用します。

馬ふん堆肥は肥料分が弱い代わりに、含有される微生物の量が多く、病害虫の被害を受けにくくする効果が高いです。

それぞれの特徴を理解して、効果的に堆肥を使いましょう。

くん炭

くん炭

くん炭は籾殻や木屑を低温で蒸し焼きにして炭化させたもので、小さな穴が無数に空いているため、軽くて通気性や排水性、保水性に優れています。

なかでも保水性は非常に高く、自重の680%もの水分を保有することが可能です。

アルカリ性が強く、酸性土壌の矯正に効果を発揮しますが、過剰に投入してしまうと用土がアルカリ化してしまうため注意が必要です。

用土がアルカリ化すると植物がミネラルなどの微量要素を吸収しづらくなり、生育不良や病気にかかりやすくなる恐れがあります。

くん炭を用土に混ぜ込む際には、全体の1割程度にしましょう。

ゼオライト

ゼオライト

ゼオライトは0.3~1nm(ナノメートル)と非常に小さい穴を持つ多孔質という物質です。

別名を「沸石」と言い、通気性と排水性に優れ、植物の根腐れ防止剤としても流通しています。

ナノレベルの小さな穴が栄養を保有し、保肥性の高さがあるのも特徴です。

特にアンモニアの吸着が良く、植物の栄養であるアンモニア態窒素を長期にわたって植物に提供します。

ゼオライトを混合した土は、肥料をあげすぎると肥料過多になってしまうため注意しましょう。

軽石

軽石

軽石はマグマが固まった石で、多くの小さな穴がある多孔構造のため、通気性や排水性、保水性に優れています。

なかでも通気性と排水性は非常に良く、乾燥を好む植物に使用すると良いでしょう。

用土に軽石を使用する際は小粒のものがおすすめですが、大粒の軽石は鉢底石としてもよく使用され根腐れ防止に効果を発揮します。

比重が軽く、ハンギングをする時や大きな鉢の重さを軽減したい時にも役立ちます。

鉢底石にも種類がある

鉢底石にも種類がある

鉢底石には以下のような種類があります。

種類特徴
軽石通気性、排水性が良い
パーライト無菌で清潔のため病害虫予防になる
赤玉土適度な保水性がある
発泡スチロール軽くて断熱性に優れている
木炭雑菌抑制と保水性がある

鉢底石は植木鉢やプランターの排水穴の上に敷く石です。

土の崩れによって排水穴が塞がれるのを防ぎ、排水性を維持する役割を果たします。

乾燥を好む植物やより保水をしたい植物など、植物の種類によって鉢底石を使い分けましょう。

土以外で育てる植え込み材

土以外で育てる際の植え込み材には以下のようなものがあります。

ハイドロカルチャー

ハイドロカルチャー

ハイドロカルチャーは、ハイドロボールと呼ばれる粘土を高温で焼き固めた多孔質の資材を使用する栽培方法です。

土の代わりにハイドロボールが水や空気を取り込むので、土と比べて虫が出にくく、駆除しやすいのが特徴です。

硬質な素材で粒が壊れにくいため、長期間植え替えをしなくても根詰まりを起こす可能性が低いというメリットもあります。

ガラスの容器を使用した場合、藻やコケが出やすく見た目が悪くなってしまうため注意が必要です。

黒砂利

黒砂利を植え込み材として使用すると、見た目が美しく洗練された印象になり、雑草も生えづらいです。

黒い色が熱を吸収し鉢内の保温効果を高めてくれるため、植物の成長促進にもつながります。

土よりも排水性が低く乾き具合も分かりづらいため、水やりには注意が必要です。

スポンジ

スポンジを使えば簡単に水耕栽培で植物を育てることができます。

取り扱いが簡単で、虫や病気のリスクが低いのがメリットですが、水耕栽培のスポンジにはカビが生えやすいので注意しましょう。

カビが生えてしまった際は、容器とスポンジの洗浄、溶液を新しいものに取り替えるなどの処置が必要です。

カビの予防対策

  • スポンジを水に浸けすぎない
  • 溶肥の濃度を濃くしすぎない
  • 太陽光で殺菌する

炭は多孔質のため通気性や保水性が良い素材で、さらに炭の殺菌効果により病害虫の被害も防げます。

ただし炭だけでは栄養素が不足する可能性があるため、必要に応じて液体肥料などで栄養を補ってください。

ゼオライト

ゼオライトは多孔質で通気性や排水性、保肥性に優れている素材で、植物の健全な成長が期待できます。

清潔で見た目が美しく、インテリアとして観葉植物を育てたい場合にもおすすめです。

ただし、ゼオライト自体には窒素、リン酸、カリウムといった主要な肥料成分が含まれていません。

そのため植物の成長に必要な栄養素を液体肥料などで補う必要があります。

セラハイト

セラハイトは特殊なセラミック素材を用いた栽培方法で、水の管理が簡単であることが特徴です。

セラミックが水を保持し、植物に必要な水分を供給するため、頻繁な水やりは必要ありません。

見た目もすっきりと美しく、インテリアとしての観葉植物栽培に適しています。

市販の「観葉植物の土」の選び方

市販の「観葉植物の土」は観葉植物専用にブレンドされた土です。

商品によって内容が異なるため、使用したい植物に合った土を選びましょう。

粒径の大きさと肥料の有無をチェック

まずは土の粒径の大きさと肥料の有無をチェックしましょう。

粒径の大きさの種類とそれぞれに適した植物は以下のとおりです。

  • 細粒:保水性に優れ、湿気を好む植物に適している
  • 中粒:バランスが良く多くの観葉植物に適している
  • 大粒:排水性、通気性に優れ、乾燥を好む植物に適している

肥料については混合されているかどうかとあわせて、有機性の肥料か無機性の肥料かの確認も行います。

有機性の肥料は、植物の育成をより促進してくれますが、虫が発生する可能性があり室内での育成には注意が必要です。

無機性の肥料には虫が発生する心配はありません。

水はけが悪くないか確かめてから使う

100円ショップなどの土は粒が細かく、排水性に優れた資材があまり含まれていない場合があります。

水はけが悪い可能性があるため、植え込む前に実際に水を含ませてみて、水はけに問題がないか確認しましょう。

草花用や園芸用の土は避ける

観葉植物の土には排水性と通気性が大切です。

草花用の土や園芸用の土は保水性が高い場合が多いため、草花用の土で観葉植物を育てると、根腐れを起こしてしまう可能性があります。

市販の土を使用する場合、観葉植物には観葉植物用の土を使用するのがおすすめです。

観葉植物の育ちが悪い時は土を見直してみよう

観葉植物の育ちが悪い時は、通気性や排水性、保水性、保肥性、酸性度を見直して用土を改良すると良いでしょう。

また長期間同じ土を使用していると団粒構造が崩れてしまうので、定期的に植え替えてあげるのも大切です。

初心者の方は、まずは強くて育てやすい観葉植物を選べば、土に対して過敏に心配する必要はありません。

HanaPrimeでは、はじめて観葉植物を育てる方でも安心の、丈夫で手入れが簡単な観葉植物を用意しています。

HanaPrimeでお気に入りの観葉植物を見つけて、生活に彩りを添えてみてはいかがでしょうか。


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