カサブランカの育て方

更新日 2025年04月22日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|フラワーデザイナー

齋藤祥子

齋藤祥子

長野県で花屋を経営した後、さらなる挑戦を求めて上京し、HanaPrimeを創業。豊富な現場経験と確かな審美眼を持ち、花の持つ魅力を最大限に引き出すクリエイティブなデザインを得意とする。
「花は空間を彩るだけでなく、人々の心に深く響くもの」という信念の下、これからも新しいフラワーデザインの可能性を追求し続けます。
独創的なデザインが得意。現在はHanaPrimeアドバイザーとして活躍。

カサブランカの基本情報

カサブランカの基本情報
植物名カサブランカ
学名Lilium Casa Blanca
和名カサブランカ
英名Lily, Casablanca Lily
別名オリエンタルリリー
原産地オランダ
科名ユリ科
属名ユリ属
開花時期6~8月

カサブランカは上品で優雅な花姿が魅力のユリ科の植物です。

うつむきがちに咲く純白の大輪花は日本だけでなく海外でも人気で、冠婚葬祭のシーンにも広く利用されています。

存在感のある美しい花に加え、強い芳香も特徴的で「ユリの女王」と称されるのも納得でしょう。

栽培環境や育て方のポイントをおさえれば、初心者でも自宅で育てることが可能です。

ギフトにもぴったりなカサブランカを庭や鉢で育ててみてはいかがでしょうか。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

種類と品種

カサブランカはユリの代表的な品種のひとつで「オリエンタル ハイブリッド」という園芸品種に分類されます。

花の色は白色のみです。

ピンクや黄色の大輪のユリが「カサブランカ」の名前で流通する場合がありますが、白色以外の花は厳密にはカサブランカではありません。

カサブランカはどんな花が咲く?

カサブランカはどんな花が咲く?

カサブランカは花径が約20cmもある白い大輪の花で、6枚の花びらで構成されています。

花びらは外側に反り返っており、下向きに花が咲くのが特徴的です。

中央にある雄しべのオレンジ色の葯(花粉が入った袋状の部分)と白い花びらとのコントラストも美しいでしょう。

なお、ユリの他品種にみられる花弁の内側のスポットは、カサブランカにはほとんどありません。

カサブランカの葉っぱの形

カサブランカの葉っぱの形

カサブランカの葉は、長さ約15〜20cmの細長いボート型で艶のある緑色をしています。

互生とよばれるつき方で左右交互に葉が生え、存在感のある葉が大輪の豪華な花を惹き立てます。

カサブランカの花言葉

カサブランカの花言葉は、「祝福」「高貴」「壮大な美しさ」「雄大な愛」「甘美」です。

カサブランカの育て方

カサブランカは、育て方のポイントをおさえれば家庭で育てることが十分可能です。

水やりや肥料の与え方、病害虫対策などを紹介しますのでぜひ参考にしてください。

水やりの頻度

カサブランカは乾燥に弱いので、開花時期は水切れに注意しましょう。

鉢植えの場合

土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。

ただし、夏場の日中に水を与えると球根が傷みやすいため、朝夕の涼しい時間帯に与えることが大切です。

落葉後も球根が乾燥し過ぎるのを防ぐため、定期的に水を与えてください。

地植えの場合

植え付け後に株がしっかりしてきたら水やりは不要です。

自然に任せ、雨が降らない日が続くようであれば適宜水を与えましょう。

肥料のあげ方

カサブランカは球根に養分蓄えて花を咲かせるため、肥料切れに注意し適切なタイミングで与えることが大切です。

  • 元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでおく
  • 追肥として、新芽と花の終わりに緩効性肥料を与える
  • リン酸・カリ分の多い肥料を選ぶ

肥料を与える際は、球根上部の土全体に均一に行き渡るように、株元に施しましょう。

花が終わった後に肥料を施すことで球根が育ち、翌年も美しく花を咲かせてくれます。

病害虫・害虫対策

カサブランカは比較的病害虫に強いですが、湿気の多い環境や風通しの悪い場所では被害を受けやすいので注意しましょう。

代表的な病害虫は以下の通りです。

うどんこ病

  • 白い粉状のカビが葉にポツポツと出てくる
  • 光合成ができず、生育不良となる

薄めた重曹や殺菌剤を散布し、症状が広がっている場合は薬剤をまんべんなく塗布してください。

窒素肥料の与えすぎに注意し、風通しを良くすることも大切です。

球根腐敗病

  • 20℃前後で発病しやすい。
  • 球根が腐り、発芽しなくなる。
  • 葉や株全体の色が悪くなり、枯死する。

病気になった球根は周りの土ごと取り除き、土壌を消毒します。

球根を選ぶ際は、病斑のないものを選び、植え付け前に殺菌しておきましょう。

アブラムシ

  • 新芽や葉裏に寄生し、樹液を吸って生育を阻害する
  • ウイルスの媒介となりやすい

粘着テープで捕殺するか歯ブラシなどでこすり落とし、被害範囲が広い場合は殺虫剤を使用します。

予防として、土の上に殺虫剤を施しておくことも効果的です。

支柱立て|タイミングとやり方

カサブランカは草丈が高く大輪の花が咲くので、倒伏を防ぐ支柱立てが必要です。

以下、タイミングとポイントは次のとおりです。

  • 新芽が十分に育ち、蕾がつき始めた頃に設置する
  • 支柱を刺す時は、球根を傷つけないように注意する
  • 花茎と支柱を麻縄でやさしく固定する

なお、麻縄で固定する時は株に負担がかからないように「8の字」に結束すると良いでしょう。

花がら摘み|タイミングとやり方

カサブランカは花が終わったら、花のすぐ下で切り落とします。

また、落ちた花がらはカビの発生を予防するために早めに取り除きましょう。

適切に花がらを摘むことで、球根の栄養分が無駄に消費されず、翌年も花を楽しめます。

切り戻し|タイミングとやり方

カサブランカは花がら摘みを終えた後、残った茎葉が黄色く枯れるまで土を乾かさないようにそのまま育てます。

秋になりすべての葉が落ち枯れてしまったら、茎の根元からカットしましょう。

カサブランカの栽培環境

ここでは、カサブランカの栽培に適した置き場所や用土などを紹介します。

栽培環境を整え美しい花を咲かせましょう。

置き場所と日当たり

カサブランカは、明るい日陰か半日陰の風通しの良い場所で育てるのが適しています。

直射日光や西日が当たる場所は避け、地植えの場合は建物の東側に植えるのが理想的です。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

カサブランカの生育適温は、15〜25℃程度です。

比較的耐寒性が強く、15℃以下になると球根が休眠期に入るので寒冷地でも冬越しができます。

用土

カサブランカは、水はけの良い土を好む植物です。

鉢植えの場合

市販の草花用培養土か、自分で配合する場合は赤玉土中粒と腐葉土、ピートモスを6:3:1の割合で混ぜた土を使います。

地植えの場合

植え付けの2週間前に、土の酸度を調整するために深さ30cmあたりまで苦土石灰を漉き込み、1週間前に腐葉土を混ぜて土壌を作ります。

夏越しの方法

カサブランカは夏の花なので暑さには強いものの、強すぎる日差しは苦手です。

鉢植えは直射日光や西日を避け、風通しの良い半日陰で管理します。

地植えは株元に敷き藁などでマルチングをし、地熱の上昇を抑えましょう。

冬越しの方法と注意点

カサブランカの球根は15℃以下になると休眠するため、寒さに当てたまま管理します。

ただし、乾燥に弱いため土が乾かないように適度に水やりをし、腐葉土などでマルチングすると良いでしょう。

カサブランカの種まき

あまり一般的ではありませんが、カサブランカを種から育てることも可能です。

ここでは種まきに適した時期や手順を紹介します。

カサブランカを種から育てると大変?

カサブランカは、種をまくと通常3週間程度で発芽します。

種を発芽させるために適切な温度管理と水やりが必要です。

球根に比べて手間がかかりますが、種まきからの成長過程を楽しみたい方にはおすすめです。

種まきにおすすめの時期は10~11月頃

カサブランカの種まきは、気温が安定している10〜11月が適しています。

種まきのやり方

  1. 育苗ポットに土を入れる
  2. 種をまく
  3. 覆土をし、水を与える
  4. 日陰で管理する

① 育苗ポットに土を入れる 

育苗ポットに草花用培養土を入れ、水でしっかり湿らせておきます。

② 種をまく

種を3〜5粒ずつ、ピンセットで重ならないように土の表面においてください。

③ 覆土をし、水を与える

3〜5mm程度土をかぶせ、霧吹きなどで再び水を与えましょう。

④ 日陰で管理する

土が乾かないように注意し、発芽するまで日陰で管理します。

カサブランカの植え付け

ここではカサブランカの植え付けについて、球根の選び方や適した時期、やり方を紹介します。

球根の選び方

球根を選ぶ際は、以下のポイントを目安にしてください。

  • 大きくてずっしりと重いもの
  • 傷や斑点、しおれがないもの
  • 鱗片に隙間がなく、しっかりと締まっているもの
  • 芽が1つだけ出ているもの

球根の大きさや重さは、花の大きさや数に比例するため、手に持って重さを確認し健康な球根を選びましょう。

なお、購入後は乾燥しないように早めに植え付けてください。

植え付けでおすすめの時期は10~11月

カサブランカの植え付け時期は、10〜11月が適しています。

鉢植えの植え付け方

  1. 鉢に土を軽く入れる
  2. 球根を中央に置き、覆土する
  3. 水をたっぷり与える

① 鉢に土を軽く入れる

8〜10号鉢を準備し、腐葉土や赤玉土、パーライトを配合した土か新品の草花用培養土を5cm程度入れます。

② 球根を真ん中に置き、覆土する

直径10cm程度の球根を真ん中に置き、20㎝程度の土をかぶせます。

カサブランカは上根から栄養を吸収するため、多めに覆土してください。

 ➂ 水をたっぷり与える

植え付けたら、たっぷりと水を与えましょう。

地植えの植え付け方

植え付けの2週間前に苦土石灰を混ぜて酸度を調整し、1週間前に腐葉土や緩効性化成肥料などを混ぜ込んで土を整えます。

球根は深さ30cm程度に植え、株間は約20cmの間隔を確保しましょう。

カサブランカの開花時期

カサブランカの開花時期

カサブランカは初夏を迎えると美しい花が咲き始めます。

花持ちを良くするためにも、開花後は早めに花粉を取り除くと良いでしょう。

開花時期は6~8月頃

カサブランカの開花時期は夏の6〜8月頃です。

カサブランカの花が咲かない原因は?

花が咲かない原因は次のような理由が考えられます。

  • 球根が小さい
  • 日照条件が合っていない
  • 植え付けの位置が浅い

カサブランカは半日陰におき、直射日光を避けます。

ずっしりとした大きな球根を選び、養分を吸収しやすいように球根の高さの約3倍の深さに植え付けるようにしましょう。

カサブランカの増やし方

カサブランカの増やし方

カサブランカは種まきのほか分球、鱗片挿し、木子(きご)で増やすことが可能です。

ここでは、より一般的な分球のやり方を紹介します。

分球におすすめの時期は10~11月頃

分球に適した時期は、気温が安定し休眠期に入る前の10〜11月頃です。

この時期に行うことで、分球後の球根がしっかり根を張らせます。

分球のやり方

  1. 球根を掘り上げる
  2. 茎を目安に球根を分ける
  3. 球根を殺菌する
  4. 植え付ける

① 球根を掘り上げる

茎や葉が完全に枯れたら、球根を傷つけないように手でやさしく掘り上げます。

② 茎を目安に球根を分ける

球根から伸びている茎を目安に、茎の数にあわせて分けましょう。

球根は小さいものと大きいものに分別しておきます。

➂ 球根を殺菌する

球根を水洗いした後、薄めた殺菌剤に30分程度浸し殺菌します。

2〜3時間程度、風通しの良いところで乾かしましょう。

➂ 植え付ける

通常の植え付け方で、分球後の球根を植え付けます。

球根の大きさは花の大きさや花数に比例するため、鉢や植え付け場所を分けておくと良いでしょう。

あまりに小さい球根は花をつけるまでに数年かかる場合があります。

カサブランカに植え替えは必要?

カサブランカは、根を張りやすく土中の菌類も増殖しやすいため、植え替えは必要です。

植え替えのタイミングとやり方

鉢植えは毎年10〜11月頃、地上部の茎葉が枯れた時期が適しています。

球根と根を傷つけないように手でやさしく掘り上げ、殺菌した後に新品の鉢と土に植え替えてください。

地植えは、2〜3年に1度植え付ける場所を変えましょう。

カサブランカを育てる際の注意点

猫が近づかないように注意

カサブランカは猫にとっては危険な植物で、誤って摂取してしまうと中毒症状を引き起こします。

場合によっては命に関わることもあるため、猫を飼っている場合は十分に注意してください。

粘着性の強い花粉に注意

また、粘着性の強い花粉は衣類や手につくとなかなか落ちません。

花粉が飛び散るのを避けるため、花が咲いたら雄しべの先の葯をピンセットで取り除いておきましょう。

衣類やカーペットに花粉がついてしまった場合は、掃除機で吸い取るかガムテープで除去します。

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