コルジリネ ターミナリスの育て方
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
INDEX
目次
コルジリネ ターミナリスの基本情報
植物名 | コルジリネ ターミナリス |
学名 | Cordyline fruticosa(コルジリネ フルティコサ) |
和名 | コルディリネ ターミナリス |
英名 | Cordyline terminalis |
別名 | 千年木(センネンボク)、紅竹(コウチク) |
原産地 | 東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド |
科名 | リュウゼツラン科 |
属名 | コルジリネ属 |
開花時期 | 8月〜10月 |
コルジリネ ターミナリスは、熱帯地域に生息する多年生の常緑低木です。
別名の「千年木(センネンボク)」は冬でも落葉しない姿から「紅竹(コウチク)」は竹に似た茎の部分が鮮やかなピンク色であることから名付けられました。
またコルジリネ ターミナリスは、ピンクのほかにも赤紫や縞模様など、特殊な葉の色・模様の品種が多く、室内のインテリアや庭のアクセントとして人気です。
なお、ハワイではコルジリネ ターミナリスは「幸福の木」として親しまれています。
魔除けのために庭に植えたり、食事の皿にしたり、お酒の原料になったりと、ハワイの人々にとってコルジリネ ターミナリスは神聖かつ身近な存在です。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
コルジリネ ターミナリスは、さまざまな品種がある植物です。
どの品種も色や形が個性的なため、あなたの好みにぴったりのコルジリネ ターミナリスが見つかるでしょう。
品種 | 特徴 |
コルジリネ ターミナリス ティー | ハワイでは魔除けとして親しまれている |
コルジリネ ターミナリス アイチアカ | 愛知県で開発された品種 |
コルジリネ ターミナリス パープルコンパクタ | 赤紫色の葉が特徴 |
コルジリネ ターミナリス スーパーライン | 幹や葉が細く、ほかの品種とは異なるシルエットが特徴 |
コルジリネ ターミナリスはどんな花が咲く?
コルジリネ ターミナリスは、夏から秋にかけて花を咲かせる可能性があります。
成木になると薄紫や白の小さな花が咲き、花が枯れた後には赤い実をつけるのが特徴です。
ひとつひとつの花は非常に小さいですが、軸に複数の花が咲くため、コルジリネ ターミナリスの最大の特徴である葉っぱにも負けない存在感があります。
コルジリネ ターミナリスの花が咲けば、葉だけでなく花を愛でるという、一味違った楽しみ方もできるでしょう。
コルジリネ ターミナリスの葉っぱの特徴
コルジリネ ターミナリスの葉っぱは、ピンク・赤紫・縞模様など、品種によってさまざまな色や柄があります。
またコルジリネ ターミナリスは、同じコルジリネ属の「コルジリネ オーストラリス」よりも丸みを帯びていて、幅が広いのが特徴です。
なお、コルジリネ ターミナリスは「ヒロバドラセナ」との名前で販売されているケースがあります。
販売店によってはコルジリネとドラセナが混同して売られているケースがあるので、葉をよく観察して、茎と葉を繋ぐ「葉柄(ようへい)」のある商品を選びましょう。
コルジリネ ターミナリスの花言葉
コルジリネ ターミナリスの花言葉は「幸せな交際」です。
コルジリネ ターミナリスの育て方
ここでは、コルジリネ ターミナリスの育て方を詳しく解説します。
コルジリネ ターミナリスは日本には自生していない植物のため、原生地の特徴を理解して、元気に育てるポイントを押さえましょう。
水やりの頻度
コルジリネ ターミナリスは、水やりのタイミングが季節によって異なります。
- 春~秋:鉢の中央の土が乾いていたら水やりする
- 冬:鉢の中央の土が乾いてから3~4日後に水やりする
コルジリネ ターミナリスは多湿に弱いため、過度な水やりは控えましょう。
また休眠期の冬場は、成長期の春から秋に比べて、水やりの頻度を減らします。
なお、土に過度な水分があると根腐れの原因になりますが、空気中の湿度は好むので、1週間に1回は葉水をして美しい葉の状態を保ちましょう。
肥料のあげ方
コルジリネ ターミナリスへの肥料は、成長期の春から秋にかけて与えましょう。
液体の肥料は1週間〜10日に1回、固形の置き肥は2カ月に1回のペースで与えます。
なお、肥料の与えすぎは植物に悪い影響を及ぼすため、必ず商品の用量・用法を守って使用してください。
休眠期の11月から4月は生育が遅くなる期間のため、肥料を与える必要はありません。
病害虫・害虫対策
病害虫 | 特徴 | 対策 |
ハダニ | 葉にクモの巣のような糸がついている | 霧吹きで水を与える(葉水) 殺虫剤を使用する |
アブラムシ | 葉が縮れていたり、ベタベタしたりする | 水で洗い流して虫を取り除く 殺虫剤を使用する |
カイガラムシ | 葉に黒いカビのようなものが付着している | 布やブラシで虫を取り除く 殺虫剤を使用する |
葉の柔らかいコルジリネ ターミナリスは、病害虫がつきやすい植物です。
そのため、こまめに葉の状態を確認して、虫がついていたらすぐに対処しましょう。
なお殺虫剤を使用する際は、葉の付け根を中心に噴霧してください。
病害虫は、身を隠しやすく湿度が高い場所を好むため、コルジリネ ターミナリスの場合は、葉が密集していて水が溜まりやすい葉の付け根に発生するケースが多いです。
噴霧する場所を誤ると殺虫剤の効果が薄れてしまうので、殺虫剤を使用する際は注意しましょう。
植え方
コルジリネ ターミナリスは、鉢植えに適した植物です。
コルジリネ属の中には-5℃まで耐えられる品種も存在しますが、コルジリネ ターミナリスは寒さに弱いため、地植えで越冬はできません。
なお、鉢に植える際は、鉢の中央が高くなるように土を盛りましょう。
鉢の中央が高くなるように土を盛ると、水やりで流れた土が葉の付け根に入るのを防げます。
湿った土が葉の付け根に留まると葉が傷んだり、病害虫が湧く原因になったりするため、土の盛り方にも気を配って元気なコルジリネ ターミナリスを育てましょう。
コルジリネ ターミナリスの栽培環境
ここでは、コルジリネ ターミナリスを美しく育てるためのポイントを解説します。
置き場所と日当たり
コルジリネ ターミナリスは、日当たりのよい日陰で育てましょう。
コルジリネ ターミナリスは、適度な日光を浴びると葉の色が濃くなりますが、直射日光に当てすぎると葉焼けします。
そのため、屋外の場合は直射日光が当たり続けない場所に、室内の場合はレースカーテン越しに日の当たる場所に飾りましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
コルジリネ ターミナリスは、暑さに強く、寒さに弱い植物です。
コルジリネ属の中には寒さに強い品種もあり、そのような耐寒性のある品種は屋外で育てていても越冬できます。
しかし、コルジリネ ターミナリスは寒さに弱く5℃程度までしか耐えられないため、冬場は暖かい室内で世話をするよう心がけてください。
用土
コルジリネ ターミナリスは多湿に弱い植物のため、用土には水はけのよい土を使用しましょう。
なお、コルジリネ ターミナリスの原産地であるオーストラリアの土は、日本の土よりも酸性が強い傾向にあります。
そのため用土を購入する際は、酸性の性質を持つ「ピートモス」入りの土を選ぶとよいでしょう。
また、水はけがよいと謳われている土を使っても植物を根腐れさせてしまう方は、軽石の割合を増やすと根腐れの確率を減らせるので、ぜひ試してみてください。
コルジリネ ターミナリスの増やし方
ここでは、コルジリネ ターミナリスを増やすための「株分け」や「挿し木」、「根伏せ」の方法を紹介します。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
コルジリネ ターミナリスの剪定・株分けは、5月〜10月におこないましょう。
成長期の春から秋に剪定・株分けを実施すると、作業の際に植物についた傷が回復しやすくなります。
なお、コルジリネ ターミナリスは葉の中心から新芽が出てくるため、剪定の際は一番下の葉、つまり一番古い葉から取り除きましょう。
剪定に特別な手順はありませんが、コルジリネ ターミナリスが病気にならないように、清潔なハサミを使うことを心がけてください。
また、親株の成長速度に影響を与える「子株」は、株分けで別の鉢に移すことを検討します。
なお二度手間を防ぐために、以下の手順の株分けを、鉢替えと同時に実施するのがおすすめです。
- コルジリネ ターミナリスを鉢から出す
- 親株と子株を切り離す
- 親株・子株を、それぞれ別の鉢に植える
- 株分け後の植物は弱っているので、2~3週間は日陰で育てる
挿し木のやり方
コルジリネ ターミナリスの挿し木に最適な時期は、5月〜8月です。
ただし、挿し木のために剪定をおこなう必要があり、植物の傷は猛暑では回復しにくいことから、真夏日の作業は避けるのが無難でしょう。
挿し木後は1カ月程度で根が出てくるため、その後は日の当たる場所でたっぷりと日光を浴びさせながら育ててください。
挿し木の具体的な手順は以下のとおりです。
- 葉が7~10枚ついている茎を剪定する
- 肥料の入っていない土に植える
- 明るい日陰で育てる
- 土が乾燥しすぎないように、こまめに水をあげる
根伏せのやり方
コルジリネ ターミナリスは、根伏せでも増やすことができます。
根伏せとは挿し木の一種で、根を短く切って土に埋め、発根・発芽させる方法です。
根伏せも5月〜8月頃におこない、猛暑日の実施は避けましょう。
なお根伏せの際は、根を複数埋めると発根・発芽の確率が上がります。
根伏せの具体的な手順は以下のとおりです。
- 根または地下茎を5~6cm程度の長さに切る
- 切った根(地下茎)を土に埋める
- 明るい日陰で育てる
- 水分が過剰にならない程度に水を与える
植え替え時期はいつがいい?
コルジリネ ターミナリスの植え替えは、成長期の5月〜10月に実施しましょう。
成長期に植え替えをおこなうと傷の回復が速いため、コルジリネ ターミナリスへのダメージを最小限に抑えられます。
なお挿し木・根伏せと同じく、猛暑日は傷の回復が遅いので、成長期でも真夏日での植え替え作業は避けましょう。
鉢替えのやり方
コルジリネ ターミナリスは、生育旺盛な植物です。
鉢替えをおこなわないと根詰まりをおこす可能性があるので、最低でも2年に1回は鉢替えを実施してください。
また、鉢が小さいままだと一定の大きさで成長が止まってしまうため、コルジリネ ターミナリスを大きく育てたい場合は定期的に鉢替えすることをおすすめします。
鉢替えの具体的な手順は以下のとおりです。
- コルジリネ ターミナリスを現在の鉢から引き抜く
- 土を落とし、割りばしで根を優しくほぐす
- 新しい鉢に底石を敷き、鉢の1/3まで土を入れる
- コルジリネ ターミナリスを鉢に入れ、新しい土で隙間を埋める
- 根の隙間まで土が入るように、土を軽く手で抑える
- たっぷりと水をあげる