ドラセナの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
INDEX
目次
ドラセナの基本情報
植物名 | ドラセナ |
学名 | Dracaena |
和名 | 品種により異なる |
英名 | dracaena、dragon tree |
別名 | 幸福の木、真実の木、竜血樹など |
原産地 | 熱帯アフリカ |
科名 | リュウゼツラン科 |
属名 | ドラセナ属 |
開花時期 | 11月~5月 |
ドラセナはアフリカ亜熱帯地域を原産とする、日本でも人気の観葉植物です。
「幸福の木」と呼ばれるマッサンゲアナのほか、葉の色や形などの特徴が異なる100種類以上の品種があります。
耐陰性・耐暑性に優れ丈夫で育てやすいため、初心者でも美しい葉や樹形を楽しめるでしょう。
また、ドラセナはエコプランツとしても人気があり、心身の健康に良い影響を与えるといわれています。
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月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ドラセナは50種類以上の園芸品種をもつバリエーション豊かな植物です。
ここでは、日本で流通している代表的な品種を紹介します。
ドラセナ フラグランス
5年~10年に一度花を咲かせるフラグランスは、名前のとおり強い芳香が特徴です。
派生したマッサンゲアナは「幸福の木」と呼ばれ、日本で最もポピュラーなドラセナといえます。
ドラセナ フラグランス | 甘くて爽やかな強い香りの花を咲かせるのが特徴で、幹や葉が比較的太い |
ドラセナ フラグランス マッサンゲアナ (ドラセナ マッサンゲアナ) | 「幸福の木」と呼ばれる最も一般的な品種で、細長い緑色の葉に黄色の縦縞模様が特徴 |
ドラセナ コンシンネ
「真実の木」とも呼ばれるコンシンネは、花火のように放射状に広がる長くて鋭い葉が特徴です。
コンシンネは旧属名で、現在は新しい属名の「マルギナータ」と呼ばれることもあります。
「紅覆輪千年木(ベニフクリンセンネンボク)」の和名をもち、名前のとおり赤い葉をもつ品種が豊富です。
ドラセナ マルギナータ | 黄緑色の長くて鋭い葉に赤いラインが特徴 |
ドラセナ コンシンネ ホワイトホリー | 鋭い葉に白い斑が入る |
ドラセナ コンシンネ トリカラー (コンシンネ トリコロール) | 緑色の葉に白と赤の斑が入る |
ドラセナ コンシンネ トリカラー レインボー | コンシンネ トリカラーよりも緑色が濃く、全体的に赤みがかかっていて虹のように見える |
ドラセナ コンシンネ スカーレットアイビス | ドラセナの中で最も赤い品種で、通常のコンシンネより深みのある赤い葉が特徴 |
ドラセナ リフレクサ
細くて艶がある濃緑の葉をもつリフレクサは、噴水のように上に広がるユニークな姿が特徴です。
「ソング オブ インディア」や「ソング オブ ジャマイカ」の名前は、幹が自然に曲がりくねる様子が歌っているように見えることに由来します。
ドラセナ リフレクサ | ドラセナの中でも枝分かれが良く、濃い緑の葉が特徴 |
ドラセナ ソング オブ インディア | 幹が自然に曲がりくねり、緑色に黄色の斑が入った笹のような葉が特徴 |
ドラセナ ソング オブ ジャマイカ | ソング オブ インディアによく似た見た目で、黄色の斑が葉の内側に入る |
ドラセナ サンデリアーナ
ミリオンバンブーの別名をもち、竹のような節が特徴です。
和名は「銀葉千年木(ギンヨウセンネンボク)」で「万年竹(マンネンチク)」と呼ばれることもあります。
ドラセナ サンデリアーナ ゴールド | 緑色の葉に黄色のストライプ |
ドラセナ サンデリアーナ ホワイト | 深い緑の葉に白色のストライプ |
ドラセナ ワーネッキー
幹に節のあるワーネッキーは、熱帯アフリカに原生する「ドラセナ デレメンシス」が変異した品種です。
デレメンシスの名前で扱われることもあります。
ドラセナ ワーネッキー | 濃い緑色の葉に白い斑が入る |
ドラセナ ワーネッキー レモンライム | 光沢のある鮮やかな葉に、黄緑色と濃緑色の斑が入る |
ドラセナ ワーネッキー ホワイトストライプ | 濃い緑色の葉に白い帯状の斑が入り、樹形が外側に広がりにくいのが特徴 |
ドラセナ コンパクタ
名前のとおりコンパクトで緩やかに成長する品種です。
お部屋に気軽に置けるサイズが人気で、葉の色や形などに豊富なバリエーションがあります。
ドラセナ コンパクタ | 光沢のある深いグリーンの葉が密に繁る |
ドラセナ レッドコンパクタ | 葉全体が鮮やかな赤色をしている |
ドラセナ パープルコンパクタ | 深みのある赤紫色の葉をもつ |
ドラセナ イエローエッジコンパクタ | 明るい黄緑の葉にチョコレートカラーの斑が入る |
その他の品種
ドラセナには他にも次のような品種があります。
ドラセナ ドラコ | 肉厚で短い葉をもち、幹を傷つけると血のように赤い樹液をだすため「竜血樹(リュウケツウジュ)」と呼ばれる |
ドラセナ ゴッドセフィアーナ | 他の品種とは異なる大きな葉が特徴で、緑色に白や黄色の斑が入る |
ドラセナの花の形
ドラセナは細長い穂のような小さな花茎が密集して四方に広がり、ポンポンに似た白い花を咲かせます。
品種により3年~数十年に一度、夕方から夜にかけて香りの強い花が咲き、朝にはしぼむのが特徴です。
花が咲くのは珍しいため幸運のサインとされていますが、花に栄養を取られて株が枯れる場合もあるため注意しましょう。
ドラセナの葉っぱの形
ドラセナの葉っぱの形は品種によって異なるものの、多くは縦長で先のとがった葉をつけます。
笹のようにシャープなものや、大きく幅広の葉をもつものなどバリエーションも豊富です。
ストライプ状の斑をもつ品種が多く、緑・黄色・白・赤などの色味があります。
また、ドラセナと間違いやすいコルジリネもよく似た葉型をしていますが、コルジリネの葉には柄が入っているのが見分けるポイントです。
ドラセナの花言葉
ドラセナ全体の花言葉は「幸福」で、代表的な品種には次のものもあります。
ドラセナ マッサンゲアナ (幸福の木) | 「幸せな恋」「隠しきれない幸せ」「永遠の愛」 |
ドラセナ コンシンネ (真実の木) | 「真実」 |
ドラセナ サンデリアーナ (ミリオンバンブー) | 「開運」「長寿」 |
ドラセナの育て方
丈夫で育てやすいドラセナは、初心者にもおすすめの観葉植物です。
以下のポイントを参考に適切なケアを施して、寿命の長いドラセナを楽しみましょう。
- 直射日光が当たらない明るい場所に置く
- 水は土が完全に乾いてから与え、乾燥気味を心がける
- 肥料は生育期の間1~2か月に一度程度を目安に与える
- 株を長く楽しむには花が咲いたら取り除く
- 夏場は毎日、ほかの季節も小まめに葉水する
- 葉っぱのほこりをふき取る
- 冬は水やりの頻度を控え目にし、肥料を与えない
- 10℃以上の暖かい場所に置く
水やりの頻度
春~秋は土全体が完全に乾いてから、冬はさらに2~3日の間隔をあけて、鉢下から出るくらいたっぷりの水をあげます。
ドラセナは雨季と乾季がはっきりしている亜熱帯のジャングル原産のため、乾燥と水やりのメリハリをつけることが大切です。
土が湿った状態が続くと根腐れしやすくなるため、待ち受け皿の水は捨てましょう。
葉っぱが垂れる、茎に縦皺ができるなどの症状はドラセナが水を欲しがっているサインなので、水やりの目安にしてください。
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肥料のあげ方
ドラセナは生育期の春と秋に肥料をあげると成長が安定します。
液体肥料と固形肥料のどちらでも大丈夫ですが、与えすぎると肥料やけを起こして枯れてしまうため1~2か月に一度程度が目安です。
また、成長が止まる冬や猛暑日は肥料を必要としません。
肥料がなくても育つ丈夫な植物なので、与えすぎには十分注意しましょう。
花が咲いた後の処置
ドラセナの花は珍しいものではありますが、株を長く育てるためには花が咲いたら取り除くことが大切です。
開花には多くのエネルギーを必要とするため、花芽に栄養を取られて株全体が弱ってしまいます。
また、花から垂れる蜜が葉や枝をベタベタと汚してしまい、見た目にも良くありません。
ドラセナが花をつけたら、花芽の根元の部分からカットするのがおすすめです。
切り口からの細菌感染を防ぐため、乾燥するまで風通しの良い場所に置きましょう。
取り除いた花は切り花として楽しむことができます。
病害虫・害虫対策
病害虫にも強いドラセナですが、以下の害虫対策をしておくと安心です。
ハダニ
特徴:葉に寄生して栄養を吸汁し、白い斑点を生じさせる
対策:葉水で予防し、発生した場合はシャワーで洗い流すか殺虫剤や木酢液をかける
カイガラムシ
特徴:栄養を吸汁し弱らせるほか、排せつ物がアリやアブラムシを集めすす病の原因になる
対策:幼虫のうちに殺虫剤で対処し、成虫を発見した場合は歯ブラシでこすり落とすか枝ごと切り落とす
病害虫を防ぐため、密集した葉は剪定して風通しを良くしておきましょう。
夏場はハダニ防止に毎日葉水をするのがおすすめです。
お手入れをしながら小まめに状態をチェックすると、病害虫の早期発見につながります。
種まきと植え方
生育期を良いタイミングで迎えるため、ドラセナの種まきは4~5月が適しています。
植え付けの手順は以下のとおりです。
- 種の表面に傷をつけ、水に浸す
- 土の上に種を置く
- ビニールなどをかけて、明るい場所に置く
- 芽が出たら小さめの鉢に植え替える
① 種の表面に傷をつけ、水に浸す
カッターなどで種の表面を軽く傷つけ、1日~2日水に浸けて発芽を促します。
種の表面を傷つけるのは、水分の浸透を良くするのが目的です。
② 土の上に種を置く
園芸用トレイや育苗ポットに土を入れて種を置き、軽く押し込むか上から軽く土をかけます。
発芽までは市販の種まき用など保水性のある土がおすすめです。
③ ビニールなどをかけて、明るい場所に置く
発芽までの1か月~2か月は常に湿った状態を保つのが大切です。
ビニールをかけて水分量を小まめにチェックするか、鉢下に水を張ったトレイを置く「腰水」で管理するのもおすすめです。
④ 芽が出たら小さめの鉢に植え替える
発芽後の用土は、観葉植物用など通常の培養土がおすすめです。
植え替え後は葉っぱが育ち、幹がやや硬くなるまで風通しの良い半日陰で育てましょう。
ドラセナの栽培環境
ドラセナは直射日光を避けた明るい場所を好み、10~35℃程度の気温で良く育ちます。
理想的な育成環境を紹介するので参考にしてください。
置き場所と日当たり
ドラセナは明るい場所を好むものの、直射日光が苦手です。
室内では直射日光が当たらない明るい場所か、レースカーテンなどで日よけした日当たりの良い窓辺に置いてあげましょう。
日光不足や当たりすぎのサインは以下のとおりです。
日射不足 | 下葉が次々と落ちる、ひょろひょろの枝が不自然に伸びる |
日射過剰 | 葉が変色する、葉先が枯れる |
冬場など日照時間が短い場合は、LEDや蛍光灯の灯りに半日以上当てると日光のかわりになります。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ドラセナの育生に適した温度は15~35℃です。
10℃以下になると枯れる恐れがあるため、気温が低くなる地域では暖かい場所に置き、夜間は冷気の入る窓辺から離しましょう。
また、35℃を超える猛暑日も元気がなくなります。
適切な温度以外の環境では水のあげすぎに注意して、剪定や植え替えなどの刺激を与える行為は避けてください。
用土
ドラセナの用土は、水はけが良い一般的な観葉植物用の培養土で問題ありません。
自分で配合する場合は赤玉土70%、腐葉土30%を目安として、バーミキュライトやパーライトを少し混ぜるのも良いでしょう。
また、根腐れを防ぐために酸性度をPh5.5〜6.5程度に保つことも大切です。
酸性度が高すぎる場合は消石灰を、アルカリ性に傾いている場合はピートモスを土に混ぜて調整します。
ドラセナの開花時期
ドラセナは3年~数十年に一度、芳香の強い花を咲かせる神秘的な植物です。
幸運のサインといわれるほど希少な花ですが、その開花条件は明らかになっていません。
開花時期は秋~冬
一般的にドラセナの開花時期は秋~冬とされています。
しかし、春や夏にも開花報告があげられていて、明確な時期は定かではありません。
花が咲く年も季節も定まっていない希少性から、ドラセナの花は幸運が訪れるサインとして大切にされています。
ドラセナの花が咲かない原因は?
開花時期が定まらないドラセナは、成長しても花が咲かないことが珍しくありません。
開花条件も解明されておらず、健康で栄養が満ちているときに咲く説や、弱っているので子孫を残すために咲く説などがあります。
また、7℃前後の環境で開花しやすいという説もありますが、10℃以下では株自体が枯れやすくなるため注意が必要です。
花が咲くと株が弱ることもあり、ドラセナの花を無理やり咲かせようとするのは避けた方が良いでしょう。
ドラセナの増やし方
ドラセナは挿し木や取り木で比較的簡単に発根します。
種からの発芽率も高く初心者でもチャレンジしやすいため、お好みの方法でドラセナを増やしてみてください。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ドラセナの剪定・株分けに適した時期は生育期の前半、5月〜6月です。
剪定した枝の下から新しい枝が生えるため、好みの樹形を考えながらカットする場所を選びましょう。
切り取った枝の中から元気なものを選んで挿し木に利用します。
挿し木のやり方
ドラセナの挿し木をする際に用意するものは以下のとおりです。
- ハサミ
- コップ
- 育苗ポットなどの容器
- 用土(挿し木用、バーミキュライト、赤玉土など無肥料で水はけの良いもの)
- じょうろ
次に、挿し木の手順を紹介します。
- 挿し木にする枝を切り取る
- コップに水を張り、枝を水に浸す
- 容器に土を入れ枝を挿す
- 発根するまで適切な場所で管理する
① 挿し木にする枝を切り取る
挿し木にする枝を、枝の先端から10cmほどの長さで切り取ります。
下の方の葉や傷んでいる葉は取り除き、枝の切り口をV字になるように鋭くカットしましょう。
② コップに水を張り、枝を水に浸す
コップに水を張り、切り口を3時間ほど水に浸しておきます。
枝の状態が悪い場合は、土に挿す直前に発根剤を塗布するのも良いでしょう。
③ 容器に土を入れ枝を挿す
まず、容器の8割を目安に用土を入れて挿し穴をあけます。
水に浸けていた枝を挿しこみ、たっぷり水をあげるましょう。
④ 発根するまで適切な場所で管理する
発根するまでの2週間~2か月間は、風通しの良い半日陰に置き、土が乾かないよう小まめに水をあげてください。
新芽が出始めてしばらくしたら優しく引っ張ってみましょう。
グラグラする場合はもう少し待つ必要がありますが、抵抗を感じれば発根に成功したサインです。
植え替え時期はいつがいい?
ドラセナの植え替えは5月〜7月頃が適しています。
発根した挿し木の植え替え(鉢上げ)もこの時期に行いましょう。
また、以下の症状はドラセナが根詰まりや根腐れを起こしている植え替えサインです。
- 鉢の底から根が伸びている
- 水をあげても染み込んでいかない
- 葉が枯れる、よく落ちる、新芽が生えない
- 2~3年植え替えをしていない
症状が出たら枯れてしまう前に植え替えましょう。
鉢替えのやり方
鉢替えをする前に、1週間ほど水やりを控えて土を乾燥させておきましょう。
土が湿っていると根っこが軟らかく傷つきやすくなるほか、重すぎて植え替えが困難になる場合もあります。
植え替えに必要な道具は以下のとおりです。
- 一回りか二回り大きな鉢
- 観葉植物用の土
- 底あみ
- 底石
- ハサミ
- ピンセット
- スコップ
鉢替えの手順を紹介します。
- 新しい鉢の準備をする
- 前の鉢からドラセナを引き出す
- 根を整理する
- 新しい鉢に植え替える
① 新しい鉢の準備をする
鉢の底穴に底あみを置き、上から底あみが隠れるくらいに底石を敷きます。
用土は鉢の3分の1程度を目安に入れましょう。
② 前の鉢からドラセナを引き出す
植え替え前のドラセナを鉢から優しく引き出し、軽く根をほぐします。
③ 根を整理する
根に腐っている、枯れている、黒くなっているなどの部分があればピンセットやハサミで取り除きましょう。
④ 新しい鉢に植え替える
新しい鉢にドラセナをそっと置き、隙間に土を入れます。
鉢に隙間があると根が張らずに枯れる原因になるため、しっかり土を入れましょう。
水やりのときに溢れないよう、鉢の上は2~3cmほどのウォータースペースをあけてください。
土が詰まっていることを確認したら、最後にたっぷりの水を与えて完了です。
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