エケベリアの育て方
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
INDEX
目次
エケベリアの基本情報
植物名 | エケベリア |
学名 | Echeveria |
和名 | エケベリア |
英名 | Echeveria |
別名 | フチベニベンケイ、花月、成金草 |
原産地 | メキシコ |
科名 | ベンケイソウ科 |
属名 | エケベリア属 |
開花時期 | 2〜4月 |
メキシコ原産のエケベリアは多肉植物の一種で、葉がバラの花のように放射状に広がった美しい形をしています。
観賞用として人気が高く、冬の終わりから春にかけては花も楽しめるのもポイントです。
フチベニベンケイや成金草といった別名でも知られています。
月別栽培カレンダー
種まき
1
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
エケベリアは種類が豊富で、それぞれ色合いや形が異なります。
代表的な品種を3種類紹介します。
品種名 | 葉っぱ | 花 | サイズ | レア度 | 育てやすさ |
---|---|---|---|---|---|
エケベリア アガボイデス | 緑と赤のグラデーション | 赤やオレンジ型 | 10〜15cm程度 | 低い | ◎ |
エケベリア パールフォンニュルンベルグ | 紫がかったグレー、光沢がある | ピンク色 | 15〜20cm程度 | 低い | ◎ |
エケベリア セトサ | 細かい毛が生えている | 黄色やオレンジ | 5〜10cm程度 | 低い | ○ |
エケベリア アガボイデス
エケベリアの原種の1つで、グラデーションがかった葉が重なってバラの花のような見た目になります。
交配種や変種が多数存在するため、エケベリアの中でも人気が高いです。
エケベリア パールフォンニュルンベルグ
紫がかったグレーの葉っぱは、光沢があり美しい見た目です。
徒長や長雨によるシミには注意が必要ですが、基本的には育てやすい品種です。
エケベリア セトサ
細かい毛が生えている、もふもふとした柔らかい質感の葉っぱをしています。
個性的で人気も高いですが、耐暑性があまりなく育てる難易度は少し高いです。
エケベリアはどんな花が咲く?
エケベリアは、冬の終わりから春にかけて葉の間から伸びる花茎の先に花を咲かせます。
小さな鐘がついているような形の花は、赤やオレンジ、ピンクなど温かみのある色合いが特徴です。
エケベリアの葉っぱの特徴
エケベリアの葉っぱは、ふっくらとした厚みと滑らかな質感が特徴的です。
形は種類によって丸みを帯びたものや、先が尖ったものなどがあります。
バラの花びらのように放射状に並ぶ葉っぱは、緑や青みがかったグレー、紫など品種によって異なる色合いです。
さらに、葉先が赤く染まる品種も多く、美しいグラデーションになります。
エケベリアの花言葉
エケベリアの花言葉は「優美」と「持続する愛」です。
エケベリアの育て方
エケベリアを育てる際のポイントは以下の通りです。
- 土が完全に乾いてからたっぷり水やりする
- 生育期に、薄めた液体肥料を月に1回程度与える
- 成長期である春(3〜5月)と秋(9〜10月)に植え替える
- 日当たりの良い場所で育て、寒さが厳しい冬は室内に取り込む
それぞれ詳しく解説します。
水やりの頻度
エケベリアの水やりは、土が完全に乾いてからたっぷりと与えるのが基本です。
水やりが少なすぎると葉がしぼんでしまい、多すぎると根腐れの原因になります。
春から秋の生育期には、土が乾いたのを確認してから水を与えましょう。
一方、冬の休眠期には成長が緩やかになるため、断水するか月1〜2回程度の水やりに調整してください。
肥料のあげ方
エケベリアの生育期である春から秋にかけて、薄めた液体肥料を月に1回程度与えましょう。
肥料が不足すると成長が鈍くなり、葉の色が鮮やかさを失うことがあるため、適切な栄養補給が必要です。
ただし、肥料を与えすぎると根を傷める原因になるため、規定量を守ってください。
冬の休眠期に肥料は不要です。
成長がほとんど止まる休眠期に肥料を与えると根に負担がかかるため、春まで休ませましょう。
病害虫・害虫対策
エケベリアを元気に育てるためには、病害虫の対策が欠かせません。
ここでは、主な病害虫の特徴と予防方法、駆除方法を紹介します。
ハダニ
- エケベリアの肉厚な葉の裏に寄生し、栄養を吸収する
- 寄生後すぐは表面が白っぽくかすれたような状態
- 進行すると葉に薄茶色の斑点が現れ、葉全体がしぼんで乾燥する
- 放置すると葉が枯れ落ちる
感染した葉の裏を水でしっかりと洗い流し、症状が進んでいる葉は切り取ります。
重度の感染には、多肉植物に適したハダニ専用の殺虫剤を軽く噴霧してください。
予防方法
エケベリアは乾燥を好みますが、ハダニ対策として霧吹きでの水やりを行いましょう。
頻度は、週1回程度が適切です。
通気性の良い場所に置くことで予防効果が高まります。
カイガラムシ
- エケベリアの葉の付け根や茎に白や茶色の小さなカイガラムシが寄生し、栄養を吸収する
- 葉の縁に透明な汁がにじみ出て、黄色く変色して縮むのが初期症状
- 感染が広がると成長が阻害され、株全体が弱っていく
アルコールを含ませた綿棒で一匹ずつこすり取り除くか、必要に応じて多肉植物向けの殺虫剤を使用して駆除します。
特に、葉の付け根や茎の付近は見落としやすいので、しっかり確認しながら対処しましょう。
予防方法
風通しの良い場所で育て、ほこりがたまりやすい葉の付け根を時々拭き取ります。
灰色かび病
- 葉の表面に灰色のカビが発生し、葉の一部が黒っぽく変色するのが特徴
- 湿気を含むと葉が柔らかくなり、最終的には腐敗する
放置すると他の葉にも感染しやすいため、早急な対処が必要です。
感染した部分の葉を取り除き、専用の殺菌剤を使用します。
予防方法
水はけの良い多肉植物用の土を使い、葉に直接水をかけないようにします。
湿気が多い環境には向かないので、屋外や風通しの良い場所に移動しましょう。
また、灰色かび病が発生しやすいのは、以下の時期です。
- 梅雨のような湿度が高い季節
- 気温が下がって室内に取り込む冬の時期
発生しやすい時期は、定期的にチェックして早期発見を心がけましょう。
うどんこ病
- 最初は小さな斑点ですが、徐々に粉状のカビが葉の表面を覆い、白い粉のような斑点が現れる
- 葉が硬く乾燥し、触れるとポロポロと崩れるような状態になる
感染した葉は切り取って処分し、うどんこ病専用の殺菌剤を使用してください。
症状が初期段階のうちに対応すれば、他の葉への感染を防げます。
予防方法
日当たりが良く風通しの良い場所に置き、過度な湿気を避けましょう。
水やりの際に葉に、直接水がかからないように注意してください。
植え方
エケベリアは、根付きが良い春(3〜5月)と秋(9〜10月)に植え替えるのがおすすめです。
元気に育てるために、以下の手順を参考にしてください。
エケベリアの植え替えは根が安定する時期に行うと成長が促進され、美しい葉を楽しめます。
① 排水性の良い鉢を用意する
エケベリアは湿気に弱いため、水が溜まらないように底に穴がある鉢を選びます。
② 鉢底に2〜3センチ程度の軽石を敷く
鉢の底に軽石を敷くことで、余分な水分が根に直接触れないようにし、通気性を確保します。
③ 多肉植物用の培養土や水はけの良い用土を用意する
水はけの良い多肉植物専用の土や赤玉土・川砂を混ぜた用土を使用します。
④ 根が傷つかないように注意して、エケベリアを鉢に入れる
古い土を少し落とし、根を優しく広げながら鉢に入れます。
⑤ 用土全体が軽く湿る程度に水やりする
植え替え直後は、用土が軽く湿る程度に少量の水を与え、過湿を避けます。
⑥ 植え替え後は2〜3日ほど水やりを控える
根が安定するまで水を控え、適切な乾燥状態を保ちます。
エケベリアの栽培環境
エケベリアは日光を好みますが、強い直射日光に長時間当たると葉焼けを起こします。
多肉植物の中では寒さに強い方ですが、冬場は室内の明るい場所に移動させて育てましょう。
また、エケベリアは根が湿気に弱いため、水はけの良い土を選ぶことが大切です。
置き場所と日当たり
エケベリアは日光を好むため、日当たりの良い場所で育てるのが基本です。
ただし、強すぎる直射日光に長時間当たると葉焼けを起こすので、日差しの強さに合わせて置き場所を調整しましょう。
また、風通しの良い場所で育てると害虫の発生を防げます。
屋外で育てる場合
朝日が当たる東向きの場所や、午後に少し日陰になる場所が最適です。
特に春から秋は屋外でしっかり日光に当てることで、健康的に成長し、葉の色も鮮やかになります。
ただし、長時間強い日差しが当たる場所や、日差しが強すぎる日中は半日陰になる場所に移動しましょう。
室内で育てる場合
エケベリアは室内でも育てられますが、光が不足すると葉が伸びすぎてしまう「徒長」が発生します。
窓辺のような直射日光が当たる明るい場所に置くと良いでしょう。
もし光が不足していると感じたら、定期的に鉢を屋外に出して日光に当てると、健康的な成長が促されます。
冬場の場合
0℃以下になると葉が凍結する恐れがあるので、冬は室内で育てましょう。
日当たりの良い窓辺に置き、温かい日中にしっかり日光を当ててください。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
エケベリアの適温は15〜25℃で、乾燥した温暖な気候を好みます。
多肉植物の中では寒さに強い方ですが、0℃を下回ると凍結して枯れるので室内に取り込んでください。
冬の管理
冬場は室内に取り込み、明るい窓辺に置いて温度管理します。
特に寒冷地では暖房を使用している部屋で育てると安心ですが、暖房の風が直接当たらない場所を選んでください。
夏場の高温対策
エケベリアは耐暑性が比較的強いため、夏場の気温が高くなる時期も屋外で育てられます。
ただし、直射日光が強すぎる場合は、葉焼けを防ぐために日陰を利用するか遮光ネットで日差しを和らげてください。
用土
エケベリアには、水はけの良い土を使用しましょう。
根が湿気に弱いため、長時間湿った状態が続くと根腐れを引き起こすことがあります。
適しているのは、以下のような土です。
エケベリアの栽培では、根が呼吸しやすい環境を整えることが重要です。
エケベリアを種から育てると大変?
種から育てることは可能ですが、初心者には難易度が高いかもしれません。
エケベリアの種は非常に小さく、発芽や初期成長の段階で繊細な管理が必要です。
種撒き後の水分管理と温度調整
種を撒いた後は、土が乾かないように軽く湿らせ続ける必要があります。
また、発芽には15〜25℃の安定した温度が求められるため、温度管理も重要です。
乾燥しすぎたり湿気が多すぎたりすると、発芽率が下がります。
発芽までに2〜3週間ほどかかることがほとんどです。
手軽にエケベリアを楽しみたいなら、苗から育てるほうが確実で簡単でしょう。
エケベリアの開花時期は春頃
エケベリアの開花時期は、2〜4月の春頃です。
観葉植物として楽しむことが多いエケベリアですが、環境が整えば花が楽しめます。
もし花が咲かない場合は、日光や栄養のバランスを確認しましょう。
開花時期は春頃
エケベリアの開花時期は一般的に2〜4月の春頃です。
観葉植物として主に楽しむのは葉っぱですが、環境が整えば小さな鐘型の花も咲かせます。
花の色は品種によって異なり、赤やオレンジ、ピンクなど温かみのある色合いが特徴です。
エケベリアの花が咲かない原因は?
花が咲かない原因には、光不足や栄養バランスの崩れが考えられます。
エケベリアは十分な日光を浴びると開花する一方で、日光不足になるとつぼみができにくくなるためです。
また、肥料の与え方も影響し、窒素分が多すぎると葉ばかりが茂って花が咲かなくなることがあります。
光不足
エケベリアは直射日光を好むため、明るい場所で育てましょう。
特に開花期の前には、日光に十分当てて光合成を促す必要があります。
栄養バランスの偏り
肥料は生育期に与えますが、窒素が多いと葉が茂りやすく、リン酸が不足すると花つきが悪くなります。
多肉植物専用の肥料を使用し、バランスのとれた栄養を与えることが開花のポイントです。
適切な日光と肥料を整えると、美しい花を咲かせやすくなります。
花芽が伸びてきたらどうする?
葉の成長を優先したい場合は、花芽を取り除きましょう。
花を咲かせると栄養が花に集中してしまい、葉や株全体の成長が抑えられることがあるためです。
カットのタイミング
花芽が伸び始め、蕾ができた段階でカットすると、栄養が葉や根に集中します。
カット方法
清潔なハサミや剪定ばさみを使い、花芽の根元から切り取ってください。
道具を消毒しておくと、切り口からの感染を防げます。
切り口の処理
カットした部分は乾燥させ、必要であれば殺菌剤を少量塗布しておくと安心です。
エケベリアの増やし方
エケベリアは、葉挿しや挿し木、株分けで簡単に増やせます。
成長期に合わせて、適切な方法で増やしてみてください。
葉挿しのやり方
- 健康な葉を選ぶ
- 葉を乾燥させる
- 土に置く
- 発根まで管理
① 健康な葉を選ぶ
成長が良く、病害虫のない健康な葉を選び、根元から優しくもぎ取ります。
傷ついた葉は成功率が低くなるため避けましょう。
② 葉を乾燥させる
もぎ取った葉はそのまま1〜2日乾燥させ、切り口を完全に乾かしてください。
切り口が乾いていないと、挿した際に腐りやすくなります。
③ 土に置く
水はけの良い多肉植物用の土の上に、乾燥させた葉を水平に置きます。
土に埋め込まず、表面に置くだけで大丈夫です。
④ 発根まで管理
直射日光を避けた明るい日陰で管理し、土が乾燥したら霧吹きで軽く湿らせましょう。
数週間で根が出始め、小さな芽が出てきます。
挿し木のやり方
- 茎を切り取る
- 乾燥させる
- 土に挿す
- 発根まで管理
① 茎を切り取る
エケベリアの成長した茎を根元から5〜10cmの位置でカットしてください。
清潔なハサミを使い、切り口が滑らかになるようにします。
② 乾燥させる
切り取った茎はそのまま1〜2日乾燥させ、切り口が乾くまで待ちます。
③ 土に挿す
水はけの良い多肉植物用の土に乾燥させた茎を挿します。
土に挿した後は、しっかり固定するために少し押さえましょう。
④ 発根まで管理
直射日光を避けた明るい場所で管理し、土が乾いたら軽く水を与えてください。
1〜2週間で根が出て、成長が始まります。
株分けの時期はいつがいい?
エケベリアの株分けに適した時期は、春(3〜5月)と秋(9〜10月)です。
春と秋は、気温が安定しているので、株分け後の根付きが良くなります。
気温が低すぎる冬や暑すぎる夏は、株分けした株がストレスを受けやすいため、避けたほうが良いでしょう。
株分けのやり方
- 株を鉢から抜き取る
- 親株と子株を分ける
- 切り口を乾燥させる
- 新しい鉢に植える
- 発根するまで水やりを控える
① 株を鉢から抜き取る
鉢全体を軽く押して根鉢をゆるめ、親株と子株を一緒に鉢から取り出します。
根がしっかり張っている場合は、土を少し落として株を分けやすくしましょう。
② 親株と子株を分ける
親株に付いた子株を優しく引き離します。
子株に十分な根が付いている場合はそのまま分けられますが、根が少ない場合は切り口を清潔なハサミで整え、1〜2日乾燥させてください。
③ 切り口を乾燥させる
切り口が湿っていると、土に植えた際に腐りやすくなるため、1〜2日乾燥させてから植え付けます。
風通しの良い場所で陰干しすると良いでしょう。
④ 新しい鉢に植える
子株を新しい鉢に植え替えます。
水はけの良い多肉植物用の土を使用し、軽く押さえて根がしっかり土に触れるようにしてください。
⑤ 発根するまで水やりを控える
株分け直後は水やりを控え、1週間ほどしてから軽く水を与えます。
発根して安定したら、通常の水やり頻度に戻して大丈夫です。
植え替え時期はいつがいい?
エケベリアの植え替えは、成長期に当たる春(3〜5月)または秋(9〜10月)に行いましょう。
成長期に植え替えるとダメージが少なく、根付きが良くなります。
気温が高すぎる夏や低すぎる冬は、植え替えによるストレスで根腐れや枯れの原因になるため避けてください。
鉢替えのやり方
エケベリアを健康に育てるには、定期的な鉢替えが必要です。
鉢替えを行うことで、根がしっかり伸びるスペースが確保できます。
鉢替えの手順は、以下を参考にしてください。
- 鉢と用土を準備する
- エケベリアを鉢から取り出す
- 根の整理
- 新しい鉢に植え替える
- 3〜4日ほど日陰で管理する
① 鉢と用土を準備する
新しい鉢と、多肉植物用の水はけの良い培養土を用意します。
鉢はすでに植わっているものよりひとまわり大きいサイズがおすすめです。
② エケベリアを鉢から取り出す
エケベリアの株元を支えながら鉢を逆さにし、株全体をゆっくりと引き抜きます。
③ 根の整理
古い土を軽く落とし、傷んでいる根や長すぎる根をハサミでカットします。
④ 新しい鉢に植え替える
新しい鉢に軽石や鉢底石を敷き、その上に少量の土を入れます。
エケベリアを鉢に置き、根が広がるように配置したら、隙間に土を詰めてください。
⑤ 3〜4日ほど日陰で管理する
鉢替え直後は、根が安定するまで水やりを控え、3〜4日ほど日陰で管理します。
その後、通常の育成環境に戻し、水やりも再開しましょう。