フィカス アルテシマの育て方
公開日 2025年02月06日
更新日 2025年03月05日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

フィカス アルテシマの基本情報
植物名 | フィカス アルテシマ |
学名 | Ficus Altissima |
英名 | Ficus Altissima |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
原産地 | インド、ミャンマー、東南アジア |
淡いライムグリーンの斑に縁取られた艶のある大きな葉が特徴のフィカス アルテシマは、クワ科フィカス属の常緑低木です。
原産地はインドやミャンマーなどで、熱帯地域のような温かい場所と日光を好みます。
幹の緩やかなカーブがインテリアとしても魅力的で、人気の高い観葉植物の1つです。
フィカス アルテシマの「アルテシマ」はラテン語で「最も背が高い」を意味し、原産地では30mほどに成長し、鉢植えの場合でも3mほど伸びます。
フィカス アルテシマは耐陰性があり生命力が強く、初心者でも育てやすいです。
フィカス アルテシマには縁起の良い花言葉があり、また風水でも金運効果も期待できるため、開店祝いや結婚祝いの贈り物にも良いでしょう。
月別栽培カレンダー
剪定・株分け
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植え替え
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肥料
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種類と品種

品種名 | 葉っぱの色と形 | 成長速度 |
---|---|---|
フィカス アルテシマ | 大きく艶のある卵型 | 速い |
フィカス リラータ | 柏の葉に似た様な形で波打っている | 普通 |
フィカス ソフィア | 深緑色の厚みのある葉 | 遅い(室内の場合) |
フィカス ウンベラータ | ハート型の薄い葉 | 速い |
フィカス アルテシマは、フィカス(ゴムの木)の一種です。
フィカスは、世界に800種類以上あります。
下記にフィカス アルテシマと同種である、フィカスの3つの観葉植物を紹介します。
フィカス アルテシマ

フィカスアルテシマは、葉っぱが大きく艶のある卵型をしていて、鉢植えの場合でも3mほどまで伸びる大きな品種です。
育つ環境にもよりますが、葉っぱの大きさは25㎝前後になります。
フィカス リラータ(カシワバゴムノキ)

他のフィカスとはちがう柏の葉に似た形の葉っぱで、葉っぱ全体が波打っています。
シックで落ち着いた雰囲気の部屋に似合う見た目で、小型の「バンビーノ」も人気です。
フィカス ソフィア
フィカスの中で比較的新しい品種で、深緑色の厚みのある葉をしています。
リラータと同じく、シックで落ち着いた雰囲気の部屋に似合う見た目です。
フィカス ウンベラータ

日光に弱い性質があるので、置き場所には注意が必要です。
ナチュラルで明るい雰囲気のお部屋なら、フィカス ウンベラータが良く似合います。
フィカス アルテシマはどんな花が咲く?

フィカス アルテシマは、実の中に花が咲くという、少し変わった形をしているのが特徴です。
フィカス アルテシマのように「花びらになる部分が実のように見える」ことを隠頭花序(いんとうかじょ)といいます。
開花時期は1〜3月ごろで、1.5〜2.5cmほどの卵型の花をつけて、緑から黄緑色、赤色へと色が変わっていくのが特徴です。
フィカス アルテシマは、イチジクコバチという寄生バチがいないと受粉できません。
日本は寒くイチジクコバチが生息できないため、国内でフィカス アルテシマが花を咲かすことは滅多にないでしょう。
フィカス アルテシマの葉っぱの形

フィカスアルテシマの葉の形は、大きく艶のある卵型です。
育つ環境にもよりますが、葉の大きさは25㎝前後になります。
風水上では、フィカス アルテシマの葉の形が人の手のひらに似ていて、手のひらにお金が貯まるイメージを連想させることから、金運効果を期待できます。
フィカス アルテシマの花言葉
フィカス アルテシマの花言葉は「永遠の幸せ」「すこやか」です。
成長速度が速く耐陰性を持ち、季節を問わず美しい葉を伸ばすフィカス アルテシマの強い生命力が由来となっています。
フィカス アルテシマの育て方

フィカス アルテシマは耐陰性があり生命力が強く、初心者でも育てやすい観葉植物の1つです。
次から、フィカス アルテシマの水やりのやり方や病害虫対策など詳しく解説します。
水やりの頻度
フィカス アルテシマの水やりの頻度は、春〜秋と冬で異なります。
春~秋は生育期のため、土の表面が乾いたら、鉢底から溢れ出るほどたっぷりの水を与えましょう。
冬は休眠期で成長が緩やかになるため、土の表面が乾いてから2〜3日後の暖かい日中にたっぷり水を与えます。
鉢の受け皿に水が溜まったまま放置すると、土の湿度が上がり根腐れの原因になるため、必ず捨てましょう。
フィカス アルテシマの葉が垂れ下がり落葉する場合は、水不足の可能性があるため、葉水して水分を補給します。
肥料のあげ方
フィカス アルテシマは特に肥料を与えなくても問題ありませんが、生育期の春から秋にかけて、緩効性の置き肥を与えることで元気に成長します。
置き肥は2か月に1回、即効性の液体肥料を与える場合は10日〜2週間に1回が目安です。
室内で育てる場合は、有機肥料ではなく化成肥料にすることで、臭いを抑え、コバエの発生を防げます。
病害虫・害虫対策
フィカス アルテシマは、高温多湿な状態が続くと害虫が発生しやすくなります。
日頃から風通しを良くするために剪定し、また葉水や葉を洗浄することで害虫の発生を防げるでしょう。
もし害虫が発生したとしても、早期発見できれば、フィカス アルテシマへの被害も最小限に抑えられます。
ハダニ
- 葉に蜘蛛の巣のような糸がつく
- 葉に斑点や傷がある
- 葉の裏に小さい虫がつく
- 葉の色が薄い、葉が枯れている
枯れた葉を取り除いて、葉水したり、定期的に水で葉や茎を洗浄したりすると予防になります。
葉の埃は布などで取り清潔にしておきましょう。
発生した場合は殺虫剤が効果的です。
カイガラムシ
- 葉や幹がベタベタする
- すす病(排泄物にカビが生えること)になる
- 剪定して風通しを良くする
柔らかい布やブラシなどでカイガラムシを取り除きましょう。
殺虫剤、重曹と水を混ぜた液体、2倍に薄めた牛乳、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢を吹きかけると予防や殺虫の効果があります。
※牛乳をかけた場合は臭いが気になるため、そのあと水で洗い流しておく
アブラムシ
- 新芽が萎縮する
- 新芽に虫がつく
- 葉が縮れる
- 葉や幹がベタベタする
剪定して風通しを良くし、縮れた葉とアブラムシは取り除きましょう。
カイガラムシにも効果がある液体はアブラムシにも効果があります。
コバエ
- フィカス アルテシマの周りをコバエが飛ぶ
- 土や受け皿に残った水からコバエが湧く
臭いを発生させないように有機肥料ではなく化成肥料を使うと発生が防げます。
また、土の表面が常に湿っている状態を避けましょう。
土の表面に無機質な素材を(赤玉土・鹿沼土・砂利など)3~5cm敷いておくのも効果的です。
種まきと植え方
フィカス アルテシマの種は、数ミリほどの小さい種で、まずは種が発芽しやすいように浸水処理します。
種を24時間ほど水に浸すことで、種子内の代謝活動が活発化し、発芽に必要なエネルギーを蓄えられるからです。
浸水処理のあと、育苗トレーやポットで土を薄く被せ、水やりをしましょう。
発芽に必要な温度管理(20〜25度)も重要です。
種まき後の管理
土が乾燥しないように湿度を保ち、発芽後は直射日光を避けた明るい場所で育てます。
発芽したあとは土の表面が乾いたら水を与えて、苗が成長し、根が発達していることを確認してから鉢に移植しましょう。
フィカス アルテシマはどれくらい大きくなる?

フィカス アルテシマは原産地では20〜30m、鉢で育てる場合でも大きいものは3mほどになります。
あまり大きくしたくない場合は、根と葉を剪定し、今育てている鉢と同じ大きさの鉢で育てることで、好みの大きさのまま育てることが可能です。
植物は根が広がることで成長が促進されるので、同じ鉢を使い続けることで根が広がりすぎず、フィカス アルテシマが大きくなるのを抑制できます。
フィカス アルテシマの栽培環境

フィカス アルテシマの置く場所や適切な温度など詳しく紹介します。
1つずつ見ていきましょう。
置き場所と日当たり
フィカス アルテシマは熱帯地域が原産のため日光を好み、たっぷりと日光を浴びることで鮮やかな斑が出る植物です。
耐陰性があるため日陰でも枯れることはありませんが、日当たりが悪いと葉の斑が薄くなってしまいます。
フィカス アルテシマは暑さには強いものの、急激な気温の変化には弱いため注意が必要です。
葉焼けに注意
直射日光を浴びすぎたり、室内から急に外へ出したりすると葉にダメージを与えてしまい、葉焼けを起こす原因となります。
夏場は日差しが強いため、風通しの良い半日陰に置きましょう。
また、冬から春は日差しが強くなるため、フィカス アルテシマを外へ出す前に日陰から半日陰、日当たりの良い場所へと少しずつ日光へ慣れさせることが大切です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
フィカス アルテシマは、8度以上の気温であれば耐えることが可能です。
熱帯地域が原産地のフィカス アルテシマは、20度以上の暖かい場所を好むため、気温が8度を下回ると落葉してしまう可能性があります。
冬はエアコンの風が直接当たらない窓から少し離れた場所や、日光の届く暖かいところが良いでしょう。
エアコンの風に注意
エアコンの風が直接当たってしまうと、乾燥して葉が痛むため注意が必要です。
夜間など暖房を切ると気温が下がってしまう場所に置く場合は、気泡緩衝材で巻いたり、二重鉢にしたりすることで保温できます。
フィカス アルテシマ土の配合比率(用土)

フィカス アルテシマを種から育てるのは大変?
自分で種から育てるのは可能ですが、少し手間と時間がかかります。
具体的な手順としては、まず種を浸水処理してから気温を20〜25度に管理し、日陰で育てましょう。
発芽までは、土が乾かない程度に水やりが必要です。
また、発芽後は直射日光を避けた明るい場所で育て、土の表面が乾いたら水を与えます。
根が成長したら、鉢に植え替えてしばらくは明るい日陰で育て、徐々に日光浴を増やします。
このように手順と手間がかかるため、特に初心者の方は、販売されているフィカス アルテシマを購入して育てるのが無難です。
フィカス アルテシマの増やし方
フィカス アルテシマの増やし方は、主に「挿し木・水挿し」と「取り木」です。
小さい苗を作るなら「挿し木・水挿し」、大きな枝を移植したいなら「取り木」といった使い分けをして、フィカス アルテシマを増やせます。
※樹液に注意
フィカス アルテシマの枝や葉の切り口から樹液が出てくるため、肌や服についた場合は、速やかに洗い流すことが大切です。
樹液が付着するとアレルギーがなくてもかぶれを起こす可能性があり、時間が経つと服についた樹液は落ちにくくなります。
剪定の時期はいつがいい?
フィカス アルテシマの新芽が成長しやすい生育期(4〜10月)に剪定するのがおすすめです。
休眠期(11〜3月)は新芽が出るまで時間がかかってしまうため、暖かい時期に剪定しましょう。
剪定する2週間ほど前に肥料を与えたり、室内で育てている場合は日光浴させておいたりすると生命力もより強くなり、剪定によるストレスから回復しやすくなります。
挿し木のやり方
フィカス アルテシマの挿し木・水挿しは4〜10月の生育期に行います。
まずは挿し穂を作りますが、剪定した枝を使うことも十分可能です。
挿し穂は成長点から10〜15cmほどの長さで切り取り、葉は1〜2枚だけ残して(葉が大きい場合は小さくカット)ほかはすべて切り落としましょう。
葉が多く付いていたり、大きすぎたりすると蒸散して、挿し穂が枯れてしまう可能性があります。
- 切り取った挿し穂を半日ほど水に挿し、水を吸収させる
- 5〜10cmほどの深さで挿し穂を植える
- 風通しがよい涼しい日陰で管理する
① 切り取った挿し穂を半日ほど水に挿し、水を吸収させる
新葉がついていると上手く育たない場合があるため、必ず取り除いておきます。
② 5〜10cmほどの深さで挿し穂を植える
③ 風通しがよい涼しい日陰で管理する
土が完全に乾燥しないように水やりしながら管理すると、早ければ2〜3週間ほどで発根します。
水挿しのやり方
- 水に挿したまま発根するまで育てる
- 発根後、観葉植物用の土の5〜10cmほどの深さに差し穂を植える
- 半日陰・直射日光が当たらない場所で管理する
① 水に挿したまま発根するまで育てる
② 発根後、観葉植物用の土の5〜10cmほどの深さに差し穂を植える
③ 半日陰・直射日光が当たらない場所で管理する
発芽するまでは土が乾く前に水やりをして、根がしっかり張れているようであれば、土が乾いてからたっぷり水を与えましょう。
取り木のやり方
取り木とは、フィカス アルテシマの茎に傷をつけて、傷の部分から新たに発根させて増やす方法です。
- に切り込みを入れ樹皮を剥がす
- 剥がした部分に水苔とラップを巻き付ける
- 水苔が乾燥しないように管理する
- 根したら別の鉢に植える
① 幹に切り込みを入れ樹皮を剥がす
幹に深さ1~2mm、幹の直径の2倍ほどの長さで帯状に切り込みを入れ、樹皮を剥がす
② 剥がした部分に水苔とラップを巻き付ける
樹皮を剥がした部分にたっぷり水を含ませた水苔を巻き、ラップやビニール、アルミホイルなどを乾燥しないように上から巻きつけてください。
固定するために、紐やテープで括り付けます。
③ 水苔が乾燥しないように管理する
取り木の部分は常に湿っている状態をキープするため、水苔に水を与えて乾燥しないように注意してください。
④ 発根したら別の鉢に植える
1か月ほどで発根するため、発根した場所の少し下を切り取り、別の鉢へ植えます。
バランスが取りにくい場合、支柱を立てて安定させましょう。
植えた後1週間くらいは日陰で管理し、そのあとは少しずつ日光へ慣らしていきます。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えはダメージを受けても再生しやすい生育期の5〜7月がおすすめで、1〜2年に1回のペースで行いましょう。
植え替えの目安として、4つのポイントがあります。
- 水やりをしてもすぐに鉢底から水が出ない、水が土に浸み込まない
- 葉が落ちてきた
- 下の葉が枯れている
- 根詰まりを起こしている
このような状態になると栄養が行き渡っていないため植え替えが必要です。
鉢替えのやり方
鉢替えでは、根が伸びやすくするために、今の鉢よりも大きい鉢へ替えましょう。
フィカス アルテシマの大きさを変えずに育てたい場合は、鉢の大きさは変えずに鉢替えすると大きくなりすぎるのを防げます。
植え替えの際に新しい土を使うと、排水性や通気性が悪くなった土が改善し、フィカス アルテシマが成長しやすくなります。
① 鉢から株を優しく抜き取り、古い土を1/3ほど落とす
② 古い根や黒い根を取り除き、根をほぐす
無理に根を引っ張ると痛めてしまう可能性があるため注意が必要です。
③ 観葉植物用の土に株を入れる
植えた後すぐに、鉢底から流れ出るくらいにたっぷり水を与えましょう。
④ 日陰で1〜2週間育てる
鉢替え後の1〜2か月間は、根の傷口から肥料を吸収して枯れる可能性があるので肥料は控えましょう。