フィロデンドロン ホープの育て方

更新日 2025年12月17日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

フィロデンドロン ホープの育て方

フィロデンドロン ホープの育て方のポイントは次の通りです。

  • 水やりは土が乾いてから
  • 肥料は生育期に与える
  • カイガラムシやハダニに注意
  • 根上がりが楽しめる

以下でフィロデンドロン ホープの水やり頻度や肥料のあげ方、病害虫などについて解説します。

水やりの頻度

フィロデンドロン ホープの水やり頻度は次の通りです。

春から秋土が乾いたら(夏場は土が乾く前に)
土が乾いてから2、3日後

春から秋の生育期は土が乾いたらたっぷりと水やりを行ってください。

夏場は水切れを起こしやすいため、土が完全に乾く前に水を与えましょう。

休眠期である冬は根腐れを防ぐため、土が乾いてから2、3日後に水やりをします。

水やりの際は基本的に鉢底からあふれ出るくらいたっぷりと与え、受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるためこまめに捨てましょう。

葉水

フィロデンドロン ホープは多湿な環境を好み、葉からも水分を吸収できます。

葉水を行うと株がよりイキイキと成長するのに加え、病害虫の予防にも効果的なのでおすすめです。

葉水は毎朝1回行い、葉の表面だけでなく裏面にも水を与えるのがポイントです。

春~秋は葉に水滴が付くくらいしっかりと、冬はしっとりと濡れる程度で控えめにしましょう。

観葉植物 フィロデンドロン ホープ

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肥料のあげ方

フィロデンドロン ホープの肥料のあげ方は次の通りです。

季節肥料と頻度
春、秋緩効性の化成肥料を月に1回、または液体肥料を7~10日に1回
夏、冬不要

フィロデンドロン ホープの肥料は生育期の春(4~6月)と秋(9~10月)に緩効性の化成肥料を月に1回、もしくは液体肥料を7~10日に1回程度与えましょう。

根の活動が緩やかになる真夏と休眠期である冬は肥料は必要ありません。

植え付けの際は元肥としてマグァンプKなどのゆっくり長く効くタイプの肥料を土に混ぜ込むのがおすすめです。

肥料の与えすぎは肥料焼けを起こし枯れてしまう恐れもあるので用量を守って使用してください。

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病害虫・害虫対策

フィロデンドロン ホープはカイガラムシやハダニが発生する場合があります。

全体的な害虫対策のポイントは次の通りです。

  • 風通しをよくする
  • 葉水をする
  • 定期的に株をチェックする

特に屋外では害虫の被害に遭いやすいので定期的に植物を観察し、早期発見して対処しましょう。

それぞれの害虫についての対策を以下で解説します。

カイガラムシ

  • 白い綿や貝殻のような硬い膜をまとった虫
  • 白いベタベタした排せつ物をだす

カイガラムシは葉柄や葉の裏に潜んで栄養を吸う白や茶色の小さな虫です。

排せつ物によって葉に黒カビが発生する「すす病」を誘発する恐れもあるので発見した場合は歯ブラシでこすり落とすか薬剤などで駆除しましょう。

すす病になった場合は、黒くなった部分を水で洗い流し布で拭き取るか、剪定して除去してください。

ハダニ

  • 葉に発生し吸汁する
  • 1mm以下のとても小さな虫

ハダニは赤や黄緑色の非常に小さな虫で、葉を吸汁し白い斑点や葉が黄色くなるなどの被害を及ぼします。

葉にクモの巣のような糸を見つけた場合はハダニがいる可能性が高いため早急に対処しましょう。

ハダニは水に弱いため、水で洗い流すのが効果的です。

大量に発生した場合は専用の殺ダニ剤やニームオイルを使用しましょう。

ハダニは乾燥した環境を好むため、普段から葉水を行い葉を乾燥させないことが大切です。

植え方

フィロデンドロン ホープの苗の植え付けは4~6月が最適です。

4~6月は気温も高く安定していて、生育期であるため根の活着がよく新しい環境にも馴染みやすい時期です。

苗を購入する際は、葉数が多くて軸がしっかりした徒長していないものを選びましょう。

仕立て方|根上がりのやり方

フィロデンドロン ホープにおすすめな仕立て方に「根上がり」があります。

根上がりとは、地面から露出した根が株を持ち上げているように見える状態にする仕立て方です。

  1. 鉢から株を抜き根っこを処理する
  2. 見せたい根を地上部に出し植え付ける
  3. 明るい日陰で育てる

① 鉢から株を抜き根っこを処理する

鉢から株を抜き、土を落とします。

土が落ちにくい場合は散水ノズルなどのジェット水流で洗い流すようにすると簡単です。

気根から生えている細かい根はカットし、腐っている根や傷んでいる根がある場合は取り除きま

② 見せたい根を地上部に出し植え付ける

露出させたい根を地上部に出し、それ以外の根は土に植えます。

根が柔らかくて株が不安定な場合は土を盛ったり、支柱で支えたりして安定させます。

③ 明るい日陰で育てる

植え付けが終わったら、強風が当たらない明るい日陰で育てていきます。

自立できるようになってきたら少しずつ土を抜いていき露出部を乾燥に慣れさせていきましょう。

株が安定し、新芽が出るまでは肥料は控えてください。

フィロデンドロン ホープの基本情報

観葉植物 フィロデンドロン ホープ

観葉植物 フィロデンドロン ホープ

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植物名フィロデンドロン ホープ
学名Philodendron ‘Hope’
英名Split Leaf Philodendron、Frill-odendron Hope(フリルオデンドロン ホープ)
別名愛の木
原産地ブラジル、パラグアイなどの南米熱帯地域
科名サトイモ科
属名フィロデンドロン属
開花時期6~10月

フィロデンドロン ホープは南米の熱帯地域を原産地とするサトイモ科の植物です。

成長に伴い木質化するがっしりとした太い茎に、深い切れ込みが多数入る大きな葉をつけます。

フィロデンドロン属の植物はつる性タイプが多いですが、フィロデンドロン ホープは茎がまっすぐ上に立ちあがる直立性タイプで葉が垂れにくいのが特徴です。

ジャングルの雰囲気が漂うエキゾチックな見た目が魅力で、観賞価値の高い観葉植物として人気があります。

月別栽培カレンダー

植え付け・植え替え

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肥料

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挿し木

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種類と品種

フィロデンドロンはとても種類が多く、およそ650以上の品種があります。

観葉植物として鉢植えで育てることが多いフィロデンドロンですが本来、自生地では樹高3〜4mとダイナミックに成長する植物です。

形態も品種によって様々で、葉がハート形や深い切れ込みがはいったもの、オレンジ色やシルバーがかった葉色のもの、つる性タイプや直立性タイプなど多岐に渡ります。

学名はギリシャ語のPhileo(愛する)とdendron(木)が語源で、つるを伸ばして樹をよじ登って成長する様子からつけられました。

以下で、フィロデンドロンの人気品種や代表的なものを紹介します。

品種名性質葉の形府の有無レア度育てやすさ
フィロデンドロン ホープ直立性掌状★★★☆☆★★★★☆
フィロデンドロン ビレッティア(ビレッタエ)つる性矢じり形個体による★★★★★★★★★☆
フィロデンドロン ホワイトウィザードつる性ハート形★★★★★★★★★☆
フィロデンドロン ルビジュベナイル(エルチョコレッド)つる性ハート形★★★★★★★★☆☆
フィロデンドロン ザナドゥ(クッカバラ直立性掌状★★☆☆☆★★★★★
フィロデンドロン バーキン直立性ハート形★★★☆☆★★★★☆
フィロデンドロン ゴエルディ直立性掌状★★★★★★★★★☆

フィロデンドロン ビレッティア(ビレッタエ)

オレンジ色の葉柄に大きな矢じり状の細長い葉をつけるのが特徴です。

葉と葉柄のコントラストが綺麗で、個体により斑が入るものもあります。

フィロデンドロン ホワイトウィザード

白い絵の具が飛び散ったような斑が入るフィロデンドロンです。

濃い緑色の葉に無造作に入る白色が美しく、葉の半分だけ真っ白になることもあります。

フィロデンドロン ルビジュベナイル(エルチョコレッド)

フィロデンドロン ルビジュベナイル(エルチョコレッド)

深い緑色の葉に白い葉脈が浮き出た模様が美しい品種です。

葉の表面はベルベットのような質感で、裏側は鮮やかな赤茶色になっています。

フィロデンドロン ザナドゥ(クッカバラ)

フィロデンドロン ザナドゥ(クッカバラ)

切れ込みが入った肉厚でツヤのある葉をつけるのが特徴です。

フィロデンドロン ホープと似たギザギザの葉ですが、切れ込みが浅い点が異なります。

フィロデンドロン バーキン

フィロデンドロン バーキン

繊細な縞模様が入る高級感のある葉が魅力的で、フィロデンドロンの中でも特に人気がある品種です。

新葉が白いのも特徴で、成長するにつれて葉が緑色に変化する様子も楽しめます。

フィロデンドロン ゴエルディ

フィロデンドロン ゴエルディ

濃い緑色で光沢のある葉を掌状に広げるフィロデンドロンです。

流通量が比較的少ないため、希少価値が高い品種になります。

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フィロデンドロン ホープの葉っぱの特徴

  • 深い切れ込みが多数入る
  • 掌を広げたようなギザギザの形状
  • 葉の色は深みのある緑色
  • 直立性のため茎が株元から立ち上がる

フィロデンドロン ホープの葉は深い切れ込みが入るのが特徴で、掌を広げたような形状をしています。

成長すると茎が木質化(茎が木のように硬く変化すること)するのも特徴です。

フィロデンドロン セロームとの違いは?

フィロデンドロン ホープはフィロデンドロン セロームを品種改良したものです。

茎が直立し木質化する点はセロームと同じですが、ホープの方が葉の切れ込みが深く入ります。

また、セロームは成長すると葉が広がりかなり大きくなりますが、ホープは樹形がコンパクトにまとまるため、広いスペースを必要とせず狭い場所でも管理が可能です。

フィロデンドロン ホープの花言葉

フィロデンドロン ホープの花言葉「華やかな明るさ」「壮大な美」です。

これらはフィロデンドロン属全体に共通する花言葉となっています。

フィロデンドロン ホープの栽培環境

フィロデンドロン ホープは熱帯地域の森の中、水はけがよい土壌と木漏れ日の柔らかな光が注ぎ込む環境で自生しています。

健康でイキイキとした株に育てるには原生地の環境に近づけるのが重要です。

以下でフィロデンドロン ホープに適した置き場所や用土など、栽培環境について詳しく解説します。

置き場所と日当たり

フィロデンドロン ホープは、日当たりがよく風通しのよい良い場所に置きいてください。

直射日光が長時間当たるような所では葉焼けを起こす恐れがあるので、室内であればレースカーテン越しの日光が当たる場所、屋外では明るい日陰がおすすめです。

耐陰性はありますが、暗すぎる場所では日光不足で光合成が十分にできず葉の色が悪くなったり、株がひょろひょろになってしまいます。

フィロデンドロン ホープはシュウ酸カルシウムという有毒成分を株全体に含むため、ペットや小さな子供が口にしないように手の届かない場所に置きましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

フィロデンドロン ホープの生育に最適な温度は20~25℃です。

熱帯地域原産の植物のため暑さには強いですが、耐寒温度は5℃程度で寒さには弱いので冬場は暖かい室内に取り込んでください。

10℃以下になると生育が鈍くなるため、できる限り10℃以上で管理するのが望ましいです。

フィロデンドロン ホープの土の配合比率(用土)

フィロデンドロン ホープの土の配合比率

フィロデンドロン ホープは排水性のよい用土を好む植物で、水はけが悪いと根腐れしてしまう恐れがあるので注意しましょう。

自分で配合する場合は以下の割合で用土を混ぜたものがおすすめです。

  • 赤玉土小粒:6
  • 腐葉土:3
  • 川砂:1

市販の観葉植物の土を使う場合

市販の観葉植物用の用土を使用する場合は、以下の割合で他の土を混ぜると水はけがよくなります。

  • 観葉植物用の用土:6.6
  • 赤玉土:1.7
  • 鹿沼土:1.7

室内管理の場合は軽石や赤玉土、砂利などの無機質のもので土の表面を覆うとコバエの発生を抑えられるのでおすすめです。

フィロデンドロン ホープを種から育てると大変?

フィロデンドロン ホープは種からも育てられますが、発芽までの温度管理や水やりなどの世話が毎日必要です。

また、毎日のお世話のほかに育苗トレイや発芽用の用土といった道具も必要なうえ、葉が安定して展開し根もしっかり張った株にするには数年かかります。

手間と時間がかかるためなかなか大変ですが、種からの育成を楽しみたい方にはおすすめです。

株を増やしたいだけという方は、比較的簡単にできる挿し木や水挿しを行うとよいでしょう。

フィロデンドロン ホープの増やし方

フィロデンドロン ホープは挿し穂(切り取った植物の一部)を使って挿し木や水挿しで増やせます。

挿し木は挿し穂を土に挿して発根させる方法で、水挿しは水に挿して発根させる方法です。

どちらも比較的簡単にでき、成功率も高いので株を増やしたい方はチャレンジしてみてください。

以下では、挿し木や水差しでの増やし方のほかに剪定や鉢替えのやり方なども解説します。

剪定の時期はいつがいい?

フィロデンドロン ホープの剪定は4~5月と9月が適期です。

枯れた部分や小さな葉をカットするなどの細かな剪定は1年を通していつでも行えます。

太い主幹を根元から切るなど大きく剪定する場合は、冬の休眠期や真夏に行うと枯れる恐れがあるので、適期以外の時期に行うのはやめましょう。

挿し木のやり方

フィロデンドロン ホープの挿し木・水挿しは5~6月の生育期に行うと成功率が上がります。

挿し木

  1. 茎をカットして挿し穂を準備する
  2. 用土に挿して支柱で固定する
  3. 明るい日陰に置いて水やりを頻繁に行う

① 茎をカットして挿し穂を準備する

挿し穂は必ず、茎部分(できれば気根も)をつけてカットしてください。

茎部分がない葉柄だけの挿し穂だと発根しないので注意しましょう。

雑菌が繁殖して腐る恐れがあるので、植える前に切り口は十分に乾燥させてください。

② 用土に挿して支柱で固定する

挿し木用の用土に挿し穂を挿し、土を軽く押さえます。

気根は先を丸めて土の中に埋めてください。

根が張るまでは株が不安定なので、支柱を立ててしっかりと固定します。

③ 明るい日陰に置いて水やりを頻繁に行う

挿し木後は直射日光を避け、風通しがよい明るい日陰に置いて育ててください。

水やりは頻繁に行い、土が乾かないように常に湿った状態をキープします。

1か月ほどして根が十分に伸びてきたら植え替え可能です。

水挿しのやり方

  1. 挿し穂を水に挿す
  2. 明るい日陰に置いて3日に1回水を換える

① 挿し穂を水に挿す

茎部分がついた挿し穂を用意し、水を入れた透明な容器に挿します。

必要であれば水に挿す前に、挿し穂を発根促進剤に数時間浸けてください。

② 明るい日陰に置いて3日に1回水を換える

直射日光を避け、建物の影に入る場所など、明るい日陰に置いて育ててください。

3日に1回程度水の交換をし、根が十分に伸びてきたら鉢に植え付けます。

植え替え時期はいつがいい?

フィロデンドロン ホープの植え替えに適した時期は4~5月と9月です。

鉢の中が根でいっぱいになると水分を吸収できなくなるため、2~3年に1回植替えを行いましょう。

冬や真夏は根が休んでいる休眠期にあたるので、株の負担になる植え替えには適していません。

鉢替えのやり方

鉢替えに使用する新しい鉢が大きすぎると根腐れの原因になるので、一回り程度大きいくらいがおすすめです。

  1. 鉢から株を抜いて根っこをきれいにする
  2. 新しい鉢に土を入れる
  3. 鉢の中央に株を植える
  4. 明るい日陰で育てる

① 鉢から株を抜いて根っこをきれいにする

鉢から株を優しく抜き、根についている土は水で洗ってすべてきれいに落とします。

傷んだ根があれば清潔なハサミで切り取ってください。

② 新しい鉢に土を入れる

株を植えたときに、鉢の縁より2、3cm下に株元がくるように鉢底に用土を入れます。

用土は観葉植物用の用土、もしくは観葉植物用の用土と赤玉土、鹿沼土を混ぜた用土がおすすめです。

③ 鉢の中央に株を植える

用土を入れた新しい鉢の中央に株を置き、鉢と株の隙間に用土を充填していきます。

④ 明るい日陰で育てる

植え替えが完了したら水をたっぷり与えます。

植え替え後は直射日光の当たらない明るい日陰で数週間ほど育て、土が乾いてから水やりをしてください。

根にダメージがあるため2週間ほどは肥料を控えてください。

観葉植物 フィロデンドロン ホープ

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