シェフレラの育て方

シェフレラの基本情報

植物名	シェフレラ
英名	Umbellata
科名	ウコギ科
属名	シェフレラ属
原産地	オーストラリア､台湾､中国南部
学名	Schefflera
別名	ヤドリフカノキ
開花時期	5月～7月

シェフレラは初心者でも育成が容易で、観葉植物の中でも根強い人気を誇ります。

人気の秘訣は魅力的な葉姿と室内で育てられる手軽さです。

水切れに強いので数日水やりを忘れても問題なく育ち、耐陰性も強く室内で育成可能なためインドアグリーンに適しています。

寒さにも比較的強いため、越冬させれば何年も楽しむことが可能です。

ただし、強い日光に当たったり日光不足が続くと元気がなくなってしまうので注意しましょう。

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月別栽培カレンダー

種類と品種

シェフレラの品種数は原種と園芸品種合わせて600種以上です。

なかでも代表的な品種７種とそれぞれの特徴を紹介します。

種類・品種	葉っぱ	斑	レア度
シェフレラ ホンコンカポック	小さめで肉厚な葉	なし	低い
シェフレラ ジェニーネ	波打つ葉	クリーム色の斑	高い
シェフレラ コンパクタ	小さめで肉厚な葉	なし	低い
シェフレラ アクチノフィラ（ブラッサイア）	大きな葉	なし	高い
アンガスティフォリア（ベヌローサ）	細長い葉	なし	高い
シェフレラ トライアンギュラリス	縦長のハート型の葉	なし	高い
シェフレラ グランディ	波打つ大きな葉	クリーム色の斑	高い

シェフレラ ホンコンカポック

シェフレラで一番普及している品種で、シェフレラ アルボリコラを元にした園芸品種です。

小さめで肉厚な葉が特徴で、寒さや乾燥にも強いので初心者でも育てやすく人気があります。

シェフレラ ジェニーネ

波打つ葉に切れ込みが入ったフリルのような見た目で、クリーム色のランダムな斑が入るので明るい印象です。

シェフレラ コンパクタ

シェフレラの中でも代表的な矮性（小さいまま成長する）品種で、室内インテリア向きです。

キングとクイーンの2種類があり、葉っぱの形などが微妙に異なります。

シェフレラ アクチノフィラ（ブラッサイア）

30cmほどにもなる大きな掌状の葉を持つ品種で、赤紫色の花を咲かせます。

特徴的な葉っぱから「アンブレラツリー」とも呼ばれます。

アンガスティフォリア（ベヌローサ）

細長い笹のような葉が特徴的な、スタイリッシュな品種です。

寒さに弱い品種なので、地域によっては育てる際の温度管理に注意が必要です。

シェフレラ トライアンギュラリス

別名「ハートの木」と呼ばれ、三角形の葉っぱが縦長のハート型をしているのが特徴です。

縦ではなく左右に広がって成長していくので、ボリューム感が出ます。

シェフレラ グランディ

葉が大きく、また波打っているので見た目にインパクトがあります。

クリーム色の斑が入るのが美しく、大型なのでシンボルツリーにもぴったりです。

シェフレラとカポックは同じ？

シェフレラとカポックは別の植物です。

本来、カポックはアオイ科セイバ属の落葉高木を指し、別名パンヤと呼ばれる、天然繊維としても用いられる植物です。

しかし、日本ではカポックの名でシェフレラが流通している場合が多くあります。

シェフレラがカポックとして流通した理由はいくつかありますが、香港でシュフレラを買い付けた際、シュフレラがカポックと酷似してた為ホンコンカポックと名付けられたのが一番の理由と言われています。

シェフレラはどんな花が咲く？

シェフレラは枝の周りに無数の花を咲かせます。

白色、黄色、赤色と種類によって花色が違うのが特徴です。

ただし、花は滅多に咲かず、開花させるには10年以上の樹齢が必要となります。

シェフレラの葉っぱの形

シェフレラは放射状に葉をつけるので、手の平を広げているように見えるのが特徴です。

ひとつひとつの葉っぱの形は楕円形が主ですが、細長いハートの形や波打った形の品種があり、葉っぱの色や模様も多種多様です。

深い緑色、薄い緑色、黄色や白の模様が入った斑入り種があります。

シェフレラの花言葉

シェフレラの花言葉は「真面目」「実直」「誠実」です。

由来は、どんな環境でも愚直に成長し続ける姿からとされています。

シェフレラの育て方

シェフレラは丈夫で育てやすい品種です。

しかし、適切な育て方をしないと葉っぱが落ちたり徒長したりしてしまいます。

シェフレラを育てる際には、以下のポイントに気をつけましょう。

適切な管理を行うとシェフレラの元気な姿を一年中見る事ができます。

水やりの頻度

シェフレラは水切れに強い品種なので、水やりを数日忘れてもすぐには枯れません。

逆に、水のあげ過ぎは根腐れの原因になるので注意しましょう。

春夏の水やり

ただし、真夏で30℃を超える時期は、水やりを夕方の涼しい時間帯にで行いましょう。

朝に水やりすると鉢内の水が煮えてしまうからです。

秋冬の水やり

葉水

年間通して、1～3日に一回程度を目安に霧吹きやスプレーなどで葉水をしてください。

葉の表側だけでなく裏にも水をかけ、葉全体から給水させてあげましょう。

注意点

受け皿に貯まった水はすぐに捨ててください。

鉢内の空気が鉢底から抜けられないので根腐れの原因になります。

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肥料のあげ方

シェフレラは肥料をあげなくても育成できます。

しかし、育成スピードをあげたい、葉色が悪い、元気がない時は肥料をあげてください。

肥料の種類	商品例	あげ方
緩効性肥料	マグァンプ	適量を土にまぜ
液体肥料	ハイポネックス	水に希釈させる
置き肥	IB化成肥料	適量を土の表面に置く

肥料をあげる際の注意点

肥料を規定量以上あげると栄養過多となりかえってシェフレラを弱らせてしまため、商品説明などに書かれている規定量は必ず守ってください。

生育が緩慢になる寒い時期の肥料は根腐れの原因となるため、冬は肥料をあげてはいけません。

剪定の時期とやり方

剪定しないと通気性が悪くなり害虫が発生しやすくなるため、シェフレラは定期的な剪定が必要になります。

風通しを良くするためだけでなく、剪定して自分好みの樹形に仕立てる事も可能です。

シェフレラは強い品種ですので思い切って剪定してみましょう。

剪定に適した時期

剪定のコツ

シェフレラの剪定のコツを紹介します。

剪定に失敗しても、すぐに新しい芽が出てくるので安心してください。

切った枝葉は挿し木できるので水に浸けて保管しておきましょう。

病害虫・害虫対策

シェフレラを育てる際には害虫の予防と対策をしましょう。

害虫がつくと、害虫に栄養を取られて葉色が悪くなったり生育が緩慢になり、最終的には枯れてしまいます。

また、害虫が他の植物に移動する可能性もあるので早めの適切な処置が必要です。

カイガラムシ

特徴：葉がベトベトする。増殖して栄養分を吸収する。カイガラムシの排泄物からすす病に発展する。

対策：ブラシで取り除く殺虫剤（ベニカXファインスプレー、オルトラン、スミチオン）で駆除水につけて窒息死させる。

ハダニ

特徴：葉の裏について栄養分を吸収する。葉に白い斑点が出現する。

対策：殺虫剤（ベニカXファインスプレー、オルトラン）で駆除。毎日の葉水が予防になる。

アブラムシ

特徴：小さい蜘蛛の巣が出現し、葉の色が薄くなる。

対策：傷んだ葉を除去する。殺虫剤（ベニカXファインスプレー、オルトラン）で駆除。毎日の葉水が予防になる。

植え方

シェフレラは、季節や状況に応じて簡単に移動出来る鉢植えに適しています。

地植えは関東以西の温暖な地域なら大丈夫ですが、必ず霜が下りない場所に植えてください。

若い枝であればハイドロカルチャーでも育成可能ですが、成長し木化した幹はハイドロカルチャーには向いていません。

シェフレラの栽培環境

シェフレラを健康に育てるために、適切な環境を用意しましょう。

日光、温度、用土が適当であればシェフレラはぐんぐん成長します。

耐陰性があるシェフレラですが、日光が少なすぎると育成がストップしたり徒長したりして株姿が悪くなるので注意が必要です。

シェフレラの成長具合を見ながら適切な栽培環境を作っていきましょう。

置き場所と日当たり

シェフレラはレースカーテン越しの南側の窓際など、明るい室内に置きましょう。

シェフレラは熱帯植物なので、1週間に2、3回屋外に出してあげるとより健康的に生育します。

ただし、急な直射日光や西日には当てないように注意し、屋外に出す場合は徐々に日光の強さを強くしてあげてください。

冬は屋内で管理する

冬の寒い時期は、できるだけ屋内に移動させましょう。

やむを得ず屋外で越冬する場合、雪や霜が当たらないよう注意してください。

日光不足になると細い枝がひょろひょろ伸びる「徒長」状態になってしまうので日当たりも確保する必要があります。

徒長とは？

徒長とは、植物が日光を求めどんどん伸びていくことです。

徒長したシェフレラは葉っぱの密度が低く、弱々しい見た目になります。

さらに、枝の自重に耐えられず折れたり、エネルギー不足で花が咲きにくくなるなどの悪影響を及ぼすので徒長しないよう注意しましょう。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

シェフレラの最適温度は20～25℃です。

耐寒性があり、0℃まで耐えることができますが、最適気温が10℃以下になったら屋内に移動してあげましょう。

寒さに当て過ぎると弱ってしまい、春からの育成に悪影響を及ぼすからです。

寒くなる10月頃から室内で育成することをおすすめします。

用土

シェフレラを育てる際には、根腐れを防ぐために水はけの良い観葉植物の土を使いましょう。

市販の観葉植物用の土を買う場合は、赤玉土や軽石がブレンドされた土を選んでください。

観葉植物用の土にさらに赤玉土と鹿沼土を混ぜるのも良いでしょう。

シェフレラを種から育てると大変？

シェフレラを種から育てることは可能ですが、シェフレラは実がつきにくいため、種は滅多に売られていません。

種から育てると斑入り株や変わった葉姿のシェフレラに出会える可能性があります。

シェフレラの種子を手に入れる機会があれば、是非チャレンジしてみましょう。

① 発芽剤に浸ける

メネデールなどの発芽剤を希釈し、種を半日以上浸けておきます。

② 用土の上に置く

無機質の用土（赤玉土など）に置きます。

③ ラップを掛けて高湿度を保つ

ラップをかけた状態で、腰水して水をきらさないようにしましょう。

上記の手順を行うと、1週間ほどで発芽し始めます。

中には数週間後に発芽する場合があるので、すぐに発芽しなくても腰水は続けてみてください。

④ 葉が出てきたら植え替える

葉が4枚ほどに展開したら個別の鉢に植え替えます。

シェフレラの種は全て発芽するわけではないので、購入する際は複数買うと全滅の可能性を減らすことができるでしょう。

シェフレラの開花時期

シェフレラの花を咲かすのは非常に難しいです。

なぜなら、シェフレラの花を咲かすには10年以上の年数が必要で、たとえ一度咲いても毎年咲き続けることはありません。

シェフレラは開花後に実を付ける事もありますが、実がなる確率は開花よりも低いです。

ここでは、シェフレラが開花しやすい条件を伝えるので是非トライしてみてください。

開花時期は5月～7月

シェフレラの開花時期は成長期の5月～7月です。

最適温度20～25℃が保ちやすいシーズンで開花されます。

シェフレラの花が咲かない原因は？

シェフレラが開花しない主な原因は以下の通りです。

開花させやすくするコツは以下の通りです。

生き物は生命の危機が迫ると子孫を残そうとします。

シェフレラも同様で、小さい鉢で厳しくすると開花しやすくなるので試してみてください。

シェフレラの増やし方

シェフレラは挿し木と取り木で増やす事が出来ます。

シェフレラは強い品種なので簡単に発根可能で、剪定した枝葉を挿し木にすると1週間ほどで根っこが生えてきます。

シェフレラで植物を増やす楽しみを体験してみてください。

植え替え時期はいつがいい？

植え替え適期はシェフレラの成長期にあたる5～7月です。

成長期に植え替えする事で植え替え後の復帰が早くなり、反対に冬の寒い時期に植え替えすると体力不足で枯れてしまう可能性があるので注意してください。

植え替えをしないでいると根詰まりを起こし成長が止まってしまうので、植え替えは1～2年間隔で行いましょう。

鉢替えのやり方

鉢替えは鉢のサイズ選びが重要です。

株をさらに大きくしたい場合には一回り大きな鉢（1～2号大きな鉢）、株の大きさを維持したい場合は同じ大きさの鉢に植え替えます。

① 株を取り出し根っこを落とす

古い鉢から株を取り出し、根っこを半分程度まで落とします。

② 弱った葉っぱを落とす

根っこだけでなく、弱った葉っぱもカットしてしまいましょう。

③ 新しい鉢に植える

鉢底石と用土を敷いた鉢に入れてから苗を入れ、隙間に土を入れていきます。

④ 水をたっぷりあげる

最後に、鉢底から泥水が出なくなるまで水をあげましょう。

植え替えてすぐは、直射日光は避けて風通しの良い日陰に数日置いておきます。

挿し木のやり方

挿し木とは、切った枝葉を使って数を増やす方法です。

挿し木の適期にあたる5～9月になったら、剪定した枝葉を使って挿し木にチャレンジしてみましょう。

① 枝を切って挿し穂をつくる

緑色で若い枝を、10～15cmに切ります。

葉っぱは3～5枚に減らし、枝の切り口を斜め、またはV字に切ってください。

② 水もしくはメネデール希釈水に浸ける

水、もしくは発根を促すメネデール希釈水に、切り口が浸かるようにして1時間程入れておきます。

③ 用土に植える

挿し木用に用意した土に挿し穂を挿します。

発根するまでは、水を切らさないように腰水管理にするのがおすすめです。

早ければ１週間ほどで発根し新しい葉っぱが展開してくるので、徐々に水の量を減らしてください。

取り木のやり方

取り木とは、幹の途中から根を出させる手法をさします。

取り木の適期も、成長期にあたる5～9月です。

① 切れ目の間の樹皮を剥がす

幹に一周切れ目を入れ、その2～3cm下にもう一周切れ目を入れます。

ふたつの切れ目の間の皮を剥がして、むき出しになった部分にルートン（発根促進剤）を塗ります。

② 水苔とビニールで巻く

ルートンを塗った部分に水苔を巻いて、さらに上から透明なビニールを巻きつけます。

湿度を保った状態で発根を待ちましょう。

③ 根っこが生えてきたら切り取って植え付ける

1ヶ月ほどで水苔の間から根っこが確認できるはずです。

根っこが這えてきたら、水苔の下で幹を切り取り土に植え替えてあげましょう。

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