センペルビウムの育て方

更新日 2025年10月31日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

センペルビウム の基本情報

植物名センペルビウム
学名Sempervivum
和名クモノスバンダイソウ(蜘蛛巣万代草)
英名Houseleek、Hens and Chicks
別名センペルビューム、バンダイソウ、トキワソウ
原産地ヨーロッパ、中東、ロシア、コーカサス、モロッコ
科名ベンケイソウ科
属名センペルビウム属
開花時期2〜7月

センペルビウムは育てやすく、見た目が華やかで美しいベンケイソウ科の多肉植物です。

葉はロゼット状に広がり、緑・赤・紫など品種ごとに豊かな色彩を楽しめます。

日当たりの良い場所を好みますが、真夏の直射日光は避けるようにしましょう。

また、ヨーロッパや中東などを原産とするセンペルビウムは、乾燥や寒さに強いため初心者でも育てやすい植物です。

子株で簡単に増やすことができ、1年を通して色や姿の変化が楽しめます。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

種類と品種
品種葉の色葉の表面葉の先端紅葉育てやすさ
ゴールドナゲット黄緑色つるつるしているとがっている
巻絹緑色白い糸が巻きつく糸を出している
ブロンコ緑色つるつるしている赤紫色でとがっている
ソフトライン黄緑色産毛があるとがっている
ガゼル緑色白い糸が巻きつく糸を出している

センペルビウムには約40種類の品種があり、形や色、質感などのバリエーションが豊富です。

ロゼット状の見た目が美しいだけでなく品種ごとの個性がはっきりしているため、コレクション性が高く、集める楽しみも味わえます。

ゴールドナゲット

ゴールドナゲット

ゴールドナゲットは、明るい黄緑色の葉が特徴です。​

春から夏にかけて葉の先端が赤く染まり、グラデーションのような彩りも楽しめます。​​

コンパクトなサイズ感でまとまりがよく、寄せ植えのアクセントとしても映える存在です。​

ゆっくり成長するため頻繁な手入れは不要ですが、増やすには時間がかかります。

巻絹

巻絹

巻絹は、葉の表面に白い糸が巻きつく様子が特徴的で、他の多肉植物にはない独特の美しさがある品種です。

和名ではその特徴的な見た目から「クモノスバンダイソウ」と呼ばれています。​

​寒さにとても強いため、初心者でも安心して冬越しがおこなえるでしょう。

紅葉すると葉が赤紫色に染まり、季節の変化も楽しめます。​​

ブロンコ

ブロンコ

ブロンコは、葉の緑色が美しい品種で、葉先はシックな赤紫色に染まっているのが特徴です。

秋から冬にかけては、株全体が赤紫色に染まり、美しい紅葉が楽しめます。

他の品種に比べて半日陰にも強く、育てる環境の幅が広いのも魅力の1つです。​

ロゼットの直径は約6cmの中型で、地植えはもちろん鉢植えや寄せ植えでも楽しめます。​​

ソフトライン

ソフトラインは、黄緑色の葉の表面に短い毛が生えていて、柔らかい印象を与える品種です。

葉は季節によって色合いが変化し、特に寒い時期には淡い緑色の葉先が赤くなっていきます。

比較的丈夫で寒さにも強く、初心者にもおすすめの品種です。

ガゼル

ガゼルは、蜘蛛の巣のような白い糸がたくさん巻きつく姿が特徴的な品種です。

通常時は美しい緑色ですが、冬になると赤紫色に染まります。

群生しやすく、子株もたくさんできるため、増やす楽しみも味わえるでしょう。

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センペルビウムはどんな花が咲く?

センペルビウムはどんな花が咲く?

センペルビウムは、5〜12枚程度の細い花びらからなる星型の花を咲かせるのが特徴です。

花の色はピンクが主ですが、品種によっては白色や赤色の花を咲かせます。

ロゼットの中心から花茎を伸ばした先にまとまって咲き、上品で美しいです。

センペルビウムの葉っぱの特徴

センペルビウムの葉っぱの特徴

センペルビウムの葉は、バラのようなロゼット型に展開するのが特徴です。

葉の色は品種によってさまざまで、美しい緑色から赤褐色まで幅広くあります。

また、多くの品種は冬になると紅葉するため、季節ごとの変化を楽しむ観賞用としても人気です。

さらに、葉の先から糸を出す品種や表面が産毛に覆われている品種など、ユニークな形状のものもあります。

センペルビウムの花言葉

センペルビウムの花言葉「節約」です。

乾燥に強く、水やりを控えめにしても育つことに由来しています。

センペルビウムの育て方

センペルビウムの育て方

丈夫で乾燥に強く、特別な管理が不要なセンペルビウムは、初心者でも育てやすい多肉植物です。

水やりの頻度や肥料の与え方、病害虫対策などに留意することで、さらに美しい成長を期待できるでしょう。

水やりの頻度

センペルビウムの水やりは、季節に応じて調整することが大切です。

もともと葉に水分を蓄えている多肉植物のため、乾燥気味に育てることを意識しましょう。

水を与えすぎると過湿によって根腐れを起こしやすくなります。

時期水やりの頻度水やりに適した時間帯
表面の水が乾いて3〜5日経ったら日中
土が乾き切って2〜3日経つ、または、葉にしわが寄ったら夕方
表面の水が乾いて3〜5日経ったら日中
月に1〜2回程度日中

どの季節でも、水を与える際には鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。

特に梅雨時や夏の高温期は、水やりのタイミングと与え方に気を配る必要があります。

葉の間に水が溜まると蒸れの原因となるため、用土に水を与えましょう。

また、気温が高い時間帯の水やりは避け、夕方の涼しい時間に水やりしてください。

肥料のあげ方

センペルビウムは肥料が少なくても元気に育ちますが、肥料を与えることで葉色が鮮やかになり、より健康的な株に仕上がります。

与える時期は、春と秋の生育期がおすすめです。

月に1回ほど、緩効性の固形肥料か、多肉植物用の液体肥料を与えましょう。

一方、夏と冬の休眠期に肥料を与えると、株が弱る原因になるため避けてください。

また、植え替えや植え付けの際には、元肥を用土に混ぜておくとよいでしょう。

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病害虫・害虫対策

センペルビウムは比較的害虫に強い植物ですが、まったく害虫がつかないわけではありません。

注意すべき害虫は、カイガラムシ、アブラムシ、ハダニの3種類です。

いずれも吸汁性害虫で、葉や茎から栄養を奪って株を弱らせます。

花芽や新芽は害虫の影響を受けやすいため、株が若い場合は特に、注意しましょう。

カイガラムシ

  • 葉や茎に寄生して養分を吸汁する
  • 分泌物や排泄物によって新たな病気になる

カイガラムシを見つけたら、筆や歯ブラシでこすり落としましょう。

カイガラムシの成虫は硬い殻で覆われていて殺虫剤が効きにくいため、こすり落として駆除することが大切です。

数が多い場合には、濡れたティッシュなどで拭き取り、専用の殺虫剤を使用しましょう。

アブラムシ

  • 新芽や柔らかい葉に寄生して養分を吸汁する
  • 春先に大量発生しやすい
  • 葉が変色したり、ねじれたりする

アブラムシは粘着テープで取り除いたり、市販の殺虫剤を使用したりして駆除します。

繁殖力がとても強いため、早めの対処が重要です。

定期的に葉や株の様子を観察することが予防につながります。

ハダニ

  • 葉の表面や裏側から吸汁する
  • 葉が白っぽくなり、放置すると枯れる

ハダニは、歯ブラシなどでこするか、粘着テープを貼り付けて駆除します。

数が多い場合は、葉や茎ごと切り落としたり、市販の殺虫剤を使用したりしましょう。

葉っぱが枯れる・下向きに垂れる原因は?

葉が枯れたり、下向きに垂れたりする場合は、以下の原因が考えられます。

原因対策
日光不足日当たりのよい屋外に置く
水の与えすぎ土が乾いてから3〜5日後に与える
高温多湿風通しがよく、雨が当たらない場所に置く
風通しが悪い風通しがよい場所に置いたり、サーキュレーターを活用したりする
株の新陳代謝しばらく様子を見て、下葉が枯れてきたらピンセットで除去する

センペルビウムの葉が枯れたり、下向きに垂れたりする場合は、適した栽培環境に置かれていない可能性が高いです。

ロゼットの中心部から新しい葉を展開させるため、外側の葉は徐々に老化して枯れていきます。

置いている環境が適している場合は、株の新陳代謝の可能性が高いため、枯れてきた葉は取り除きましょう。

センペルビウムの栽培環境

センペルビウムの栽培環境

センペルビウムは、置き場所や温度、用土などを整えるとより長く美しい状態で楽しめます。

適した環境の条件を確認して、季節ごとの移動などを行ってみてください。

置き場所と日当たり

日当たり屋外のみ

センペルビウムは、日光がよく当たり、風通しの良好な場所を好むため、屋外での管理が適しています。

日光が不足すると葉の元気がなくなり、垂れ下がったり色が悪くなったりするため、特に春や秋の成長期には日当たりの良い場所に移動させてください。

ただし梅雨や真夏の高温多湿には弱いため、雨が直接当たらない軒下などが向いています。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

センペルビウムの栽培適温は10~25℃ですが、耐寒性に優れているため-5℃までであれば耐えられます。

霜や雪にさらされても枯れにくく、年間を通して屋外での栽培が可能です。

夏の暑さに注意

センペルビウムは、耐寒性に優れている一方で暑さや蒸れには弱い傾向にあります。

真夏の強い日差しに長時間当たると鉢内が蒸れる可能性があるため、風通しのよい日陰に移動させて乾燥気味を保つといいでしょう。

センペルビウムの土の配合比率(用土)

センペルビウムの土の配合比率

センペルビウムは乾燥を好むため、排水性の高い用土が適しています。

ホームセンターや園芸店で手に入る多肉植物用の用土は、適度に排水できるように配合されているので、初心者でも扱いやすくおすすめです。

用土を自作する際には赤玉土5:鹿沼土2:軽石2:腐葉土またはピートモス1の割合で混ぜて通気性と排水性を確保しましょう。

鉢底に軽石を敷いて通気性を確保すると、根腐れ予防につながります。

センペルビウムの開花時期

センペルビウムの開花時期

センペルビウムの花はピンク色や白色、赤色などさまざまです。

ここでは、センペルビウムの開花時期などを解説します。

開花時期は2〜7月

センペルビウムの開花時期は2〜7月で、品種によって異なります。

ロゼットの中心から花茎を伸ばし、先端に複数の花がまとまって咲くのが特徴です。

花を咲かせる期間は3週間〜2ヶ月と、他の植物に比べると長く楽しめます。

センペルビウムの花は咲かせていい?

センペルビウムは、花が咲くとその株が枯れてしまう「一稔性植物」です。

開花後は、その周囲の子株が育って引き継ぐという特徴があります。

花を楽しみたい場合は、開花後そのままにしますが、株の成長を優先したい場合は、花芽を早めに切り落としてください。

センペルビウムの増やし方

センペルビウムの増やし方

センペルビウムは、株分けや種まき、挿し芽や胴切りなどさまざまな方法で増やせます。

ここでは、株分けや挿し芽について解説します。

株分けの時期はいつがいい?

センペルビウムの株分けは、生育期と重なる春か秋が適した時期です。

生育期におこなうことで、株分け後の根の張りや株の回復が期待できます。

植え替えを予定している場合は、株分けを併せておこなうとよりダメージを減らすことが可能です。

株分けのやり方

株分けのやり方は、以下のとおりです。

  1. 1週間ほど断水する
  2. 株を鉢から取り出す
  3. 親株と子株に分ける
  4. 別の鉢にそれぞれの株を植えつける

① 1週間ほど断水する

株分けをする1週間ほど前から水やりを控え、土を適度に乾燥させておいてください。

土が湿っていると取り出す時に根が切れやすく、必要以上に株の体力を奪ってしまいます。

② 株を鉢から取り出す

株の根元を持ってゆっくりと鉢から取り出します。

株を取り出したついでに、土を落としながら根の状態も確認し、黒くなっている根は清潔な刃物で切って取り除いてください。

③ 親株と子株に分ける

取り出した株の根を軽くほぐしながら子株を切り離します。

根をちぎったり傷めたりしないように気をつけ、丁寧に作業を進めてください。

④ 別の鉢にそれぞれの株を植えつける

子株用に別の鉢を用意して用土を入れたら、鉢の中心にくるように植え付けます。

根が落ち着くまで1〜2週間程度は、日光が十分に当たり、風がよく通る場所で水を与えずに様子を見てください。

根が落ち着いたら、一度鉢底から水が流れるまで水を注ぎ、通常の頻度で水やりをして大丈夫です。

挿し芽(挿し木)のやり方

センペルビウムは、子株を使った挿し芽でも増やせます。

特に、若い子株は発根力が高いため、初めての方でも手軽に取り組める方法です。

  1. 親株から子株を切り離す
  2. 切り口を2〜3日陰干しする
  3. 新しい用土に挿す

① 親株から子株を切り離す

親株から挿し芽に使う子株を切り離します。

根が出ていない若い子株でも、12cmほどの大きさがあれば問題ありません。

しっかりと葉がついた元気な子株を選ぶと、発根や成長が期待できるでしょう。

② 切り口を2〜3日陰干しする

切り取った直後は、切り口が湿っているため風通しのよい日陰で乾かしま

切り口が湿ったまま土に挿すと、雑菌が繁殖して腐りやすくなってしまうからです。

③ 鉢に入れた用土に挿す

鉢に排水性のよい土を入れ、1〜2cm程度の深さで子株を挿しましょう。

根付くまでは明るい日陰で管理し、水やりも控えます。

約2〜3週間程度経ったら発根するので少しずつ日光に慣らし、水やりも通常の頻度で行うようにしてください。

胴切りのやり方

胴切りとは、ロゼットの茎部分を切断して新しい株を作る方法です。

胴切りしてできた株は発根して新しい株になり、元株にも新芽ができるため新しい株となります。

胴切りも、他の増やし方と同様に生育期と重なる春か秋に、以下手順で行ってください。

  1. 親株の中心を切り取る
  2. 切り口を乾かす
  3. 新しい土に植える

① 親株の中心を切り取る

親株のロゼットの中心を清潔な刃物で切り取ります。

切り取る際には、できるだけカット面が平らになるように意識すると発根しやすいです。

② 切り口を乾かす

切った直後は切り口が湿っているため、風通しのよい日陰で2〜5日程度、完全に乾燥するまで乾かしてください。

切り口が湿ったまま植えると、株が腐る原因になるため注意が必要です。

③ 新しい土に植える

排水性の高い土を入れた鉢を用意し、切り口を少し押し付けるように浅めに植えます。

発根するまでは水やりを控え、風通しのよい日陰で管理してください。

植え替え時期はいつがいい?

センペルビウムの植え替えは生育期と重なる春か秋が理想的です。

植え替えは株に負担がかかる作業ですが、生育期に合わせておこなうことで株がスムーズに回復するでしょう。

2〜3年に1回を目安に、株の成長に応じて一回り大きな鉢への植え替えをおこないます。

2年経っていなくても、根が成長して窮屈そうであれば早めの対応が必要です。

鉢替えのやり方

センペルビウムの鉢替えは、以下の手順でおこないます。

  1. 1週間ほど断水する
  2. 植え替え後に使う鉢を準備する
  3. 古い鉢から株を抜いて植え替える

① 1週間ほど断水する

鉢替えの1週間前から断水しておくと、株を鉢から抜きやすくなります。

また、根が切れにくくなり、鉢替えによる負担を減らせます。

② 植え替え後に使う鉢を準備する

一回り大きなを用意し、通気性と排水性が高めるために鉢底ネットを敷いて適量の鉢底石を入れましょう。

その上から、適宜空気を抜きながら、鉢の8〜9割程度の位置まで多肉植物用の土を入れてください。

③ 古い鉢から株を抜いて植え替える

古い鉢から株を優しく取り出し、根のまわりの土を軽く落とします。

植えつけたら、株が安定するようにまわりの土を軽く指で押さえてください。

鉢替え後は、根が落ち着くまで1週間程度水やりを控え、安定したら通常の頻度の水やりに戻します。

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