斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の育て方
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
INDEX
目次
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の基本情報
植物名 | 斑入りモンステラ |
学名 | Monstera deliciosa ‘White monster’ |
和名 | テンシンラン |
英名 | Swiss cheese plant、Cheese plant |
別名 | テンシンラン |
原産地 | 熱帯アメリカ |
科名 | サトイモ科 |
属名 | モンステラ属 |
開花時期 | 国内:6~7月頃(成熟した場合のみ開花する) |
斑入りモンステラは一般的なモンステラと同様、熱帯アメリカが原産地です。
斑の部分は光合成を行うための葉緑体をもっておらず、成長が遅いと言われています。
また、普通のモンステラよりも耐寒性がないため、屋外で育てる場合はしっかりとした寒さ対策が必要です。
生産量が不安定で、希少品種として高額で取引されています。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
種類・品種 | 特徴 |
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モンステラ ミント | 白地に細かい緑の線が入ったもの、白斑の部分が黄緑や薄緑のものもミントとよばれる |
モンステラ ハーフムーン | モンステラの葉の半分がきれいに白い斑になっている |
モンステラ フルムーン | 葉全体が白くなったもので、葉焼けしやすく葉全体が白くなると緑には戻らない |
ホワイトタイガーとの違い
ホワイトモンスターとホワイトタイガーは品種が違います。
ホワイトモンスターは大きく成長するタイプのデリシオーサ種、ホワイトタイガーはデリシオーサ種よりも葉が小さいボルシギアナ種です。
ホワイトモンスターは成長すると葉のすぐ下にしわ(フリル)が確認できるのに対し、ホワイトタイガーは成長してもしわ(フリル)が見えません。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)はどんな花が咲く?
斑入りモンステラの花の形は普通のモンステラの花と同様、大きなミズバショウのような形で花にも斑が入っています。
大きく成長しないと開花せず、斑入りモンステラは大きく成長するまでに枯れてしまう可能性が高いため、花は非常に貴重です。
花の中心にある棒のようなものは「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼ばれ食べることができます。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の葉っぱの形
斑入りモンステラ(この記事ではホワイトモンスター)はデリシオーサ種のため、成長すると葉ががっしりするのが特徴です。
葉の形は普通のモンステラと同じで、深い切れ込みがあります。
また、大きく成長した葉のすぐ下にはしわ(フリル)が見られるでしょう。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の花言葉
斑入りモンステラの花言葉は普通のモンステラと同じ「深い関係」「壮大な計画」「うれしい便り」です。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の育て方
斑入りモンステラの育て方は普通のモンステラと似ていますが、きれいな斑を保つためにはいくつか注意点があります。
詳しいポイントは下記の通りです。
水やりの頻度
斑入りモンステラの水やりの頻度は普通のモンステラと同じです。
春から秋にかけては土が乾いてからたっぷり、冬は土が乾いてから2~3日あけて水を与えます。
葉水は葉焼けや害虫の予防にもなるので、適度に行いましょう。
肥料のあげ方
斑入りモンステラは肥料の与えすぎで葉が緑色になることがあります。
そのため、肥料は与えないまたは株が弱っている時に液肥を薄めて与える程度にしましょう。
葉が緑色になってしまうのはなぜ?
斑入りモンステラの葉が緑色になってしまうことを「先祖返り」と呼び、次のような条件で葉が緑色になる可能性が高くなります。
- 有機質の土を使用したとき
- 肥料をたくさん与えたとき
- 根がしっかりと成長したとき
もし葉が緑色になってしまった場合は、下記を試してみてください。
- 植え替えができる時期なら、同じくらいの大きさの鉢に植え替える
- 植え替える際、古い根っこを2~3本ほど切り込み、無機質の土を使い肥料は与えない
- 緑色の葉がでてきた場合は剪定する
適度なストレスのある環境の方が、きれいな斑入りの葉を保てます。
斑の出ない偽物に注意
斑入りモンステラはフリマサイトやオークション、園芸店などで売られていますが中には斑が出ない偽物もあります。
斑入りモンステラを購入する際は、口コミの確認をし販売実績が十分にあるサイトや店舗から購入するようにしましょう。
病害虫・害虫対策
ハダニ
特徴:ハダニに吸汁され、葉に白い斑点が見える。葉の裏に小さな虫がついている。
対策:葉水をこまめに行う。柔らかいタオルで葉の裏を優しく拭く。改善しない場合は薬剤を散布する。
カイガラムシ
特徴:白い毛をかぶったような虫が枝葉についている。カイガラムシのフンが原因で葉や枝が黒くなる(すす病)。
対策:カイガラム害虫らかい布やブラシを使って取り除く。薬剤の散布も効果的。すす病で黒くなった葉は切り落とす。
アザミウマ(スリップス)
特徴:吸汁され新芽が縮む。アブラムシが群生している。
対策:ピンセットでアブラムシを取り除く。アブラムシ用の薬剤を散布する。葉が多い場合は剪定し風通しを良くする。
コバエ
特徴:コバエが発生してモンステラにたかる。
対策:無機質の土を使い植え替える。砂利や鹿沼土などを敷き、土の部分をカバーする。殺虫剤を使う。
種まきと植え方
斑入りモンステラの種まきは温暖な5~8月がおすすめです。
種をまく土は水はけが良いもの、または種まき用を選ぶと良いでしょう。
また、芽が出るまでは常に土が湿った状態を維持することが大切です。
斑入りモンステラを種から育てている人は、果実ができるまで育て、とれた種を植えています。
しかし、種から育てても斑入りになるとは限りません。
そのため、斑入りモンステラを種から育てるのはとても難しいでしょう。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の栽培環境
斑入りモンステラは普通のモンステラと比べると繊細な部分があります。
日当たりや気温が適切でないと弱ることもあるので、気をつけましょう。
置き場所と日当たり
斑入りモンステラは直射日光に弱いです。
斑入りの葉の部分は特に葉焼けを起こしやすいため、普通のモンステラよりもやや日当たりが弱い場所に置きましょう。
しかし、極端に日当たりが悪い場所に置いてしまうと葉に斑が入らなくなる場合もあります。
季節によっても光の強さが変わってくるので、葉の様子を見ながら置き場所を決めるのが良いでしょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
斑入りモンステラを栽培する際の適温は、一年を通して23~30℃くらいです。
あまり大きく育てたくない場合は15~22℃位にすると成長が遅くなります。
きれいな斑を保つためには最低でも15℃を保つようにしましょう。
個体差がありますが、斑入りモンステラは環境の変化に弱いため、状態を見ながら温度を調節することが大切です。
用土
斑入りモンステラを育てる際には、無機質の土を使うのがおすすめです。
斑入りモンステラは栄養を与えすぎると、葉が緑になってしまうことがあります。
また、無機質の土は有機質の土と比べ虫がわきにくいので害虫対策にもなるでしょう。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の種まき
斑入りモンステラの種は販売していることがほぼありません。
種を手に入れた人は斑入りモンステラを育て、取れた果実から種をとっています。
斑入りモンステラは種から育てても斑入りになるかはわからないため、もし種が売っていたとしても本物かどうか見分けることは難しいでしょう。
モンステラ(ホワイトモンスター)を種から育てると大変?
斑入りモンステラは種から育てても必ず斑が入るとは限りません。
種から芽が出ても、斑入りでない場合や斑が入っても緑に戻る場合もあります。
そのため、種から斑入りモンステラを育てるのは非常に難しいでしょう。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の開花時期
斑入りモンステラは初夏~夏に開花を迎えます。
斑入りモンステラも普通のモンステラと同じく、大きく成長しないと開花しないため、花はとても貴重です。
開花時期は6~7月
斑入りモンステラの開花時期は6~7月です。
斑入りモンステラは大きく成長しないと花をつけず、さらに成長するまでに枯れてしまう可能性もあります。
そのため、斑入りモンステラの花を見たことがある人は珍しいでしょう。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の花が咲かない原因は?
斑入りモンステラは普通のモンステラと同じく、大きく成長すると花を咲かせます。
そのため、花が咲かないときは成長が十分でないと考えられるでしょう。
斑入りモンステラ(ホワイトモンスター)の増やし方
斑入りモンステラは、挿し木や茎伏せで増やすことができます。
斑入りモンステラを増やすなら、挿し木や茎伏せがおすすめです。
挿し木のやり方
- 水が入ったコップを用意する
- よく切れるハサミで斑入りモンステラを切る
- 茎の切り口を乾燥させる
- 鉢に土を入れ、茎を固定する
① 水が入ったコップを用意する
剪定したモンステラのアク抜き用に、水を入れたコップなどの容器を先に用意しておく。
② よく切れるハサミで斑入りモンステラを切る
節の下1~2㎝位のところでカットし、約5~10分ほど水に入れてアクを抜きましょう。
根を早く育てたい場合は、葉を1/3ほど残して切り込むと良いです。
③ 茎の切り口を乾燥させる
水からあげて乾かし、切り口がサラサラしたら土に植えましょう。
④ 鉢に土を入れ、茎を固定する
芽が出るまでは常に土が湿った状態にしましょう。
挿し木のポイント
- 気根が長い場合は鉢に合わせてカットする
- 無機質の土を使うと害虫が発生しにくい
- 気温が極端に高いときは作業を避ける
- 土が乾燥しないようスリットが入った鉢または育苗トレーを使う
- 直射日光に当てない
- 軍手またはゴム手袋を使う
茎伏せのやり方
茎伏せの最初の手順は、挿し木の1~3までと同じです。
伏せておく場所には、土または水苔を使います。
- 挿し木の1~3の処理のあと、茎に合わせたサイズの鉢に土を入れ茎を固定します。
- 水苔を使う場合は水で戻した水苔を茎に巻き、固定しましょう。
茎は葉を上に向けて固定した方が根がつきやすいです。 - 芽が出るまでは常に土が湿った状態を保ち、置き場所の湿度も一定にします。
① 鉢に土を入れ、挿し穂を固定する
挿し木の1~3の処理のあと、茎に合わせたサイズの鉢に土を入れ茎を固定します。
水苔を使う場合は水で戻した水苔を茎に巻き、固定しましょう。
茎を伏せる時は葉を上に向けて固定した方が根がつきやすいです。
② 湿度を保って管理する
芽が出るまでは常に土が湿った状態を保ち、置き場所の湿度も一定にします。
もし、湿度を保つのが難しい場合は鉢が入るケースに入れ、常に湿度がある環境をつくると良いでしょう。
茎伏せのポイント
- 軍手またはゴム手袋を着用する
- 直射日光を避ける
- 水のやり過ぎには注意する
- 発根後、植え替えをするので苗の大きさに合った鉢を使う
剪定・株分けの時期はいつがいい?
斑入りモンステラの剪定と株分けに適している時期は、生育の良い5~8月がおすすめです。
斑入りモンステラは剪定すると液体がでます。
液体にはシュウ酸カルシウムが含まれていて、触ると肌荒れを起こす可能性があるので、剪定の際は手袋を着用しましょう。
剪定と株分けの注意点をそれぞれ紹介します。
剪定の注意点
- 気温が高すぎる時期は避ける
- 清潔でよく切れるハサミを使う
- 葉焼けして茶色くなった葉の部分は切る(緑の部分がある程度ないと成長しないので切り過ぎには気をつける)
- 先祖返り(新芽が緑の葉に戻る)した葉は切る
株分けの注意点
- 暑い時期に株分けしない
- 鉢から取り出しやすいよう、土は乾燥させておく
- 鉢から取り出した斑入りモンステラの根は優しく扱う
- 黒く腐った根はハサミで取り除く
- 株分け後はたっぷり水を与える
- 直射日光に当てない
- 肥料はしばらく与えない
植え替え時期はいつがいい?
斑入りモンステラの植え替えは成長が早い5~8月が良いでしょう。
植え替えは植物にダメージを与えます。
斑入りモンステラは環境の変化に敏感なため、植え替えの際は根を丁寧に扱うようにしましょう。
準備するもの
- 鉢
- 鉢底ネット
- 軽石
- 観葉植物の土(無機質の土)
- 軍手またはゴム手袋
- マルチング材(ウッドチップやココヤシファイバー、マルチングシートなど)
鉢替えのやり方
斑入りモンステラを植え替える際は良い苗を選ぶことが大切です。
小さい苗のうちからきれいな斑入りの方が、成長してもきれいな斑がでると考える人もいるでしょう。
しかし、株が小さいうちは緑の部分が多いほど成長が早く、枯れる可能性が低くなります。
そのため、苗は緑の部分が多めのものを選びましょう。
植え替えに必要なものと手順を紹介します。
- 苗を鉢またはポットから取り出す
- 新しい鉢の準備をする
- 苗を入れて固定する
- たっぷり水をげる
- マルチング材を上にのせる
① 苗を鉢またはポットから取り出す
取り出したら、優しく根をほぐします。
根が大きい場合は、植え替えする鉢の大きさに合わせて切り込みましょう。
② 新しい鉢の準備をする
根を整えたら、鉢に鉢底ネットをしき軽石を入れます。
軽石の上に土を入れ、斑入りモンステラの位置を決めましょう。
③ 苗を入れて固定する
周りに土を入れて苗を固定します。
④ たっぷり水をげる
鉢の下から出るくらい、たっぷりと水をあげましょう。
水をあげたときに土が沈んだ場合は適宜追加します。
⑤ マルチング材を上にのせる
土が出ないようにマルチング材を上にのせたら完成です。