エケベリア トップスプレンダーの育て方

更新日 2025年12月04日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

エケベリア トップスプレンダーの基本情報

植物名エケベリア トップスプレンダー
学名Echeveria ‘Top Splendor’
英名Top Splendor Echeveria
原産地メキシコ(園芸交配種のため原種なし)
科名ベンケイソウ科
属名エケベリア
開花時期春(4〜5月頃)

エケベリア トップスプレンダーは、ロゼットが立体的に展開し、彫刻のように外側へ反り返る葉姿が印象的な美しい多肉植物です。

淡いブルーグレーの葉には白粉がうっすらとかかり、季節によっては淡く紅葉する姿も見られます。

流通の現場では、似た姿の「トップシータービー」と誤認されることもありますが、トップスプレンダーは別系統の交配種として、海外でも広く栽培・評価されています。

直射日光や過湿を避けた管理を行えば、初心者にも育てやすい品種です。

月別栽培カレンダー

種まき

1

2

3

4

5

6

7

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植え替え

1

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肥料

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開花

1

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種類と品種

品種名葉の形状葉の色花の色ロゼットサイズレア度育てやすさ
トップスプレンダー外側に反り返る淡いブルーグレー淡いピンク~オレンジ約10~15㎝ややレア育てやすい
トップシータービー強くカールした波形銀青色淡いピンク約10~15㎝普及種非常に育てやすい
キュービックフロスト丸みがあり反がある淡いピンクコーラルオレンジ約8~12㎝ややレア育てやすい
レボリューション細身で先端が巻く淡いピンクの差し色パープル系約7~10㎝ややレアやや育てにくい

それぞれの品種は、見た目や育てやすさにおいて、個性の幅が非常に広い点が魅力です。

育てる環境やご自身の経験値に応じて、レア度と育てやすさを参考にしながら、最適な一株を選んでみてください。

トップシータービー

トップシータービー

波打つように強くカールした葉が重なり合い、ロゼットに動きと立体感を与えます。

流通量が多く、丈夫な性質から初心者にも安心して育てられる人気品種です。

トップスプレンダーとよく似ていますが、葉の巻き込みの強さで見分けがつきます。

キュービックフロスト

キュービックフロスト

白粉が厚く乗った葉はふっくらと丸みがあり、やさしい質感が特徴です。

気温が下がると淡いピンク色に紅葉し、寄せ植えの中でも美しく映えます。

手がかかりにくく、多肉植物初心者の方でも安心して育てられる品種です。

レボリューション

細く繊細な葉が中心に向かって巻き込み、すらりとしたロゼットをつくります。

葉の先に淡いピンクの色が入り、光の角度でほんのりと表情が変わるのも魅力です。

湿気や風通しの管理に繊細な管理が求められるため中級者以上におすすめですが、観賞価値の高い交配種といえるでしょう。

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エケベリア トップスプレンダーはどんな花が咲く?

エケベリア トップスプレンダーはどんな花が咲く?

春になると、株元からすっと伸びた花茎の先に、小ぶりな花がいくつも咲きます。

淡いピンクからオレンジへと変化する花色は、光を浴びるとやわらかな輝きを放つでしょう。

咲き終えた花茎はそのまま挿し芽として利用でき、観賞と繁殖の両方を楽しめるのも魅力です。

エケベリア トップスプレンダーの葉っぱの特徴

エケベリア トップスプレンダーの葉っぱの特徴

トップスプレンダーは、外側に反り返る葉が中心に向かって巻き込み、立体的なロゼットを作ります。

葉の表面に見られる白い粉は「クチクラ層」と呼ばれる天然のワックスで、乾燥や日差しから葉を守る働きをしているのです。

秋から冬にかけては、アントシアニンという色素の作用で、葉先がほんのりと赤く色づくことがあります。

気温・光・湿度などの条件によって姿が変化するため、ひと株ずつ違った表情を楽しめる品種です。

エケベリア トップスプレンダーの花言葉

トップスプレンダー固有の花言葉はないものの、エケベリア属全体には「優しさ」「たくましさ」「可憐な心」といった花言葉がつけられています。

エケベリア トップスプレンダーの育て方

エケベリア トップスプレンダーの育て方

トップスプレンダーを健康的に育てるためには、水やりや肥料の管理、日常の観察が欠かせません。

とくに、季節によって適切なケア方法が変わるため、タイミングを見極めながら丁寧に育てていく必要があります。

水やりの頻度

エケベリア トップスプレンダーはクチクラ層(白粉)で覆われた厚みのある葉を持ち水分の保持能力に優れている一方、過湿に弱く根腐れしやすいです。

特に梅雨期や冬の休眠期には、用土内の湿度や蒸散量の変化を見極めながら、水やりの回数や量を調整する必要があります。

季節頻度の目安水やりの量注意点
7〜10日に1回程度鉢底から流れる程度成長期のため、水切れに注意が必要
10〜14日に1回程度少量を控えめに高温多湿を避け、風通しをよく保つ
7〜10日に1回程度春と同様しっかりと根の体力を蓄える時期、過湿に注意
月1回以下断水気味に管理休眠期は吸水が減るため控えるのが安全

水やりの基本は「完全に土が乾いてから与えること」です。

表の頻度はあくまで標準的な目安であり、鉢の素材や置き場所、日照量によって乾き方は大きく変わります。

葉の張りがなくなり、表面にシワが見られるときが給水のサインとされ、株の状態をよく観察して判断することが大切です。

肥料のあげ方

トップスプレンダーは、春と秋の生育期に軽めの施肥を行うことで、葉の厚みや色合いが整います。

一方で、肥料のあげすぎは徒長や根っこの傷みを引き起こすため注意が必要です。

季節肥料の有無頻度肥料の種類バランスの目安代表的な肥料例注意点
月1回緩効性肥料または薄めた液体肥料葉は控えめ、根と丈夫さをサポートマグァンプK(中粒)、ハイポネックス原液根元に少量を与える
×与えない根が弱るため不要
月1回春と同様の肥料でOK(追肥の場合はごく少量)春と同じ程度でじっくり効かせるバイオゴールド、ハイポネックス(希釈)回復期に備えて控えめに
×与えない肥料を吸収しないため不要

このように、肥料は「量よりタイミング」が重要です。

生育が停滞する時期や、根が弱っている状態では無理に与えず、むしろ控えた方が株の回復につながることもあります。

液体肥料の薄め方と使い方

液体肥料を使用する際は、原液のままでは濃度が高く、根にダメージを与える可能性があるため、必ず1000倍〜2000倍に希釈して使います。

  • 原液1ml + 水1L → 約1000倍
  • 原液0.5ml + 水1L → 約2000倍

使用タイミングは、用土がやや湿っている状態が最適です。

乾燥直後は根が傷みやすく、給水力も弱まっているため避けましょう。

また、気温が安定している午前中か、気温が下がり始める夕方に与えることで、蒸散ストレスを抑えられます。

液体肥料は即効性がある反面、効果が長続きしにくいため、週1〜2回ではなく「月1回以下」の頻度を厳守し、株の様子を見ながら調整してください。

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病害虫・害虫対策

エケベリア トップスプレンダーは比較的病害虫に強いとされますが、環境条件が崩れると、特定の害虫が発生しやすくなります。

とくに風通しの悪さや乾燥の継続が影響しやすく、株元や葉の重なり部分は重点的に観察すべきポイントです。

アブラムシ

  • 新芽や葉裏に発生しやすい吸汁性害虫
  • 葉の生育を阻害し、変形やベタつきの原因になる
  • 排泄物によってカビ(すす病)を誘発する

トップスプレンダーは春から初夏にかけて、葉先が柔らかくなる時期にアブラムシがつきやすくなります。

見つけた際は、葉を傷つけないよう霧吹きで水を噴射して洗い流すのが有効です。

風通しを確保しつつ、定期的に株元を確認する習慣を持つと、初期段階で発見できます。

カイガラムシ

  • 葉や茎の表面に硬い殻をまとって付着する
  • 吸汁によって徐々に株が弱り、生育が止まる
  • 排泄物がすす病の原因となる

特に冬場の室内管理など、空気がこもる環境で発生しやすい傾向があります。

薬剤が効きづらいため、発見初期に、乾いた歯ブラシで物理的にこすり落とすのが効果的です。

アルコール綿棒を使って拭き取る方法も、表面を傷めずに駆除できます。

ハダニ

  • 乾燥した葉裏に集まり、葉の色を白く変色させる
  • 放置すると葉全体が枯れ込み、株が弱る
  • 肉眼では見えにくく、被害が進んでから気づくことが多い

トップスプレンダーは白粉(ワックス成分)をもつため、水を弾きやすく、ハダニがついても気づきにくい傾向があります。

葉裏へ霧吹きでやさしく水をかけると、湿度を保て予防になります。

また、日中は風通しの良い場所に置き、過度な乾燥を避けることも大切です。

植え方

エケベリア トップスプレンダーを健やかに育てるには、植え付け時の環境づくりと丁寧な作業が鍵となります。

とくに、多湿を嫌う性質に配慮しながら、排水性と通気性を確保した植え方を心がけましょう。

  1. 鉢の通気性と排水性を確保しておく
  2. 古い土を弱ったねを取り除く
  3. 根を広げて安定させるように植える
  4. 植え付け後は乾燥させてから水やりを行う

① 鉢の通気性と排水性を確保しておく

トップスプレンダーは湿気に弱いため、まずは鉢選びが重要です。

底穴がしっかり開いた鉢を選び、底に鉢底石を敷いて通気性と排水性を高めましょう。

素焼き鉢やスリット鉢はとくに通気性に優れているため、排水性を重視したいトップスプレンダーには最適でしょう。

土は事前に乾いた状態で準備し、水はけの良いものを使うことで、根が安定しやすくなります。

② 古い土を弱った根を取り除く

植え替える際は、根鉢を軽く崩して古い土や黒ずんだ根を取り除くのが基本です。

根の切り口がある場合は、そのまま植えずに風通しの良い場所で1~2日乾かすと、腐敗リスクを下げられます。

③ 根を広げて安定させるように植える

苗は鉢の中心に置き、根を放射状に軽く広げるように整えながら周囲に用土を入れます。

上から押さえすぎず、ふんわりと土を寄せることで、根の呼吸を妨げないようにしましょう。

トップスプレンダーはロゼットが横に広がるため、深植えは避け、葉が土に触れない高さに調整することもポイントです。

④ 植え付け後は乾燥させてから水やりを行う

植え付け直後に水を与えると、切り口から水が浸入し根腐れの原因になります。

2〜3日間、明るく風通しの良い場所で乾かしてから、控えめに水やりを行いましょう。

これにより根が新しい土に順応しやすくなります。

エケベリア トップスプレンダーの栽培環境

トップスプレンダーは、日照や通気といった環境の変化に敏感で、葉色や形状が大きく左右される傾向があります。

置き場所・温度・用土という3つの基本条件をしっかり整えれば、ロゼットは締まり、白粉をまとった美しい姿を保てるでしょう。

置き場所と日当たり

トップスプレンダーは日光を好む多肉植物で、午前中に光が当たる場所が最適です。

夏は直射日光を避け、レースカーテン越しなどで葉焼けを防ぎましょう。

室内なら南〜東向きの窓辺が最適で、風通しの良さも生育の鍵となります。

日照の偏りを避けるため、数日に一度鉢の向きを変えると形が整いやすいです。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

エケベリア トップスプレンダーは5℃前後まで耐寒性がありますが、霜には弱く、冬の屋外放置は避けるべきです。

生育が活発になるのは15〜25℃の間で、春と秋がもっとも生長しやすい時期となります。

一方で、30℃を超える真夏の高温多湿や、0℃近い冬の冷え込みはストレスになるため、夏越し・冬越しの対策を施すことで、株の負担を減らせるでしょう。

夏越しのコツ

真夏の高温多湿は、トップスプレンダーにとって大きなストレスとなり、蒸れや根腐れの原因になります。

直射日光を避け、遮光ネットやスノコを活用して風通しの良い半日陰で管理するのが基本です。

鉢が過度に熱を持たないよう工夫し、夕方には軽く風を当てて通気を促すと傷みにくくなります。

冬越しのコツ

冬は休眠期に入るため、気温が5℃を下回る地域では室内に取り込むのが安全です。

霜にあたると葉が傷むため、夜間の冷え込みには特に注意が必要です。

室内では日当たりの良い窓辺に置き、暖房の温風が直接当たらない場所を選びましょう。

また、休眠期は吸水力が落ちるため、水やりは月1回以下に控え、乾燥気味に管理します。

エケベリア トップスプレンダーの土の配合比率(用土)

エケベリア トップスプレンダーの土の配合比率

トップスプレンダーは、湿気が長く残る土が苦手なため、排水性と通気性に優れた用土が理想的です。

市販の多肉植物用土でも十分対応可能ですが、育成環境や地域の気候に合わせて用土を自作することで、より安定した生育が期待できます。

おすすめの配合例

  • 赤玉土(小粒):5
  • 鹿沼土(小粒):3
  • 軽石またはパーライト:2

湿度の高い梅雨や夏場は、用土内に湿気がこもりやすくなります。

軽やかで水はけの良い土を選ぶことで根の呼吸が妨げられず、病害の予防にもつながります。

また、鉢底にネットや軽石を敷いておくと、排水効率が高まり、根の健全な成長をサポートできます。

エケベリア トップスプレンダーを種から育てると大変?

トップスプレンダーの種まき栽培は、発芽までの湿度や温度管理が難しく、初心者には若干ハードルの高い方法です。

種子が非常に細かく発芽率もあまり高くないため、播種後も発芽するまでに時間がかかることがあります。

さらに、発芽後もロゼット状に整うまでには1〜2年程度かかり、見ごたえのある株姿に育つまでには数年かかるのが一般的です。

種まきは、交配品種の作出や育成のプロセスそのものを楽しむ方に向いていて、中級者以上を対象とした育成手法の位置づけです。

エケベリア トップスプレンダーの開花時期

トップスプレンダーは、ロゼットの美しさに注目が集まる多肉植物ですが、春先にはスッと伸びた花茎に、小ぶりで色鮮やかな花を咲かせることがあります。

開花時期は春頃

エケベリア トップスプレンダーは、春の中頃(4〜5月)にかけて花が咲きやすいです。

気温が15〜20℃前後で安定し、日照時間が長くなると、株の中心から細い花茎を伸ばして開花の準備を始めます。

花はピンク〜オレンジ系の小花が数輪まとまって咲くことが多く、葉の重厚なロゼットとは対照的な軽やかさが印象的を与えてくれるでしょう。

エケベリア トップスプレンダーの花が咲かない原因は?

トップスプレンダーの開花にはいくつかの条件があり、そのバランスが崩れていると、花がつかない原因になります。

下記に、主な原因と対策をまとめました。

日照不足

  • 日当たりの良い場所に置く
  • 定期的に鉢の向きを変える

肥料のバランス悪い

  • リン酸を多めに含む肥料を使う
  • 窒素が多くなりすぎないように肥料を調整する

若い未成熟な株

  • まずは株の成長を優先する
  • 翌年以降の開花に備える

根腐れ・用土の問題

  • 排水性の良い土に植え替える
  • 過湿を避けて風通しの良い場所で管理する

剪定による影響

  • 生育期の強剪定を避ける
  • 枝先を軽く整える程度に留める

焦らず、株の成長段階を見極めながら適した環境を整えることが、花咲く瞬間へとつながっていきます。

エケベリア トップスプレンダーの増やし方

エケベリア トップスプレンダーの増やし方

エケベリア・トップスプレンダーは、子株が自然に発生しやすく、初心者でも増やしやすい交配種です。

特に春や秋など、気温が安定した時期に株分けや葉挿しを行うと、成功率が高くなります。

株分けの時期はいつがいい?

株分けに適しているのは、春(3〜5月)または秋(9〜10月)です。

気温が15〜25℃程度で安定していて、根の活動も活発になるため、切り離した子株が根付きやすくなります。

特に春はその後の成長が見込めるので、初めて挑戦する方にもおすすめです。

株分けのやり方

トップスプレンダーは、根元に自然発生する子株を丁寧に分けて育てる「株分け」に適した品種です。

  1. 鉢から株をやさしく取り出す
  2. 根の絡まりをほどいて状態を確認する
  3. 子株を切り離して分ける
  4. 切り口を乾燥させる
  5. 新しい鉢と用土で植え付ける

① 鉢から株をやさしく取り出す

まず鉢の側面を軽く押し、土を崩しながら株をゆっくり引き抜きます。

無理に引っぱると根を傷つけるおそれがあるため、鉢の縁をもみほぐすように丁寧に作業を進めましょう。

② 根の絡まりをほどいて状態を確認する

取り出した株は、手やピンセットで根の絡まりをほぐしながら、土や古くなった根を軽く取り除きます。

黒ずんだ根やブヨブヨした部分があれば、それは傷んでいる証拠です。

剪定バサミで丁寧にカットしておきましょう。

③ 子株を切り離して分ける

株元にできた子株を見つけたら、根がしっかりついているか確認しましょう。

親株とのつながり部分を清潔なハサミでカットし、独立した株として扱えるようにします。

このとき、根を多く残しておくと、その後の生育が安定しやすくなるのです。

④ 切り口を乾燥させる

カット面は非常に傷つきやすいため、いきなり土に植えず、1日ほど風通しのよい日陰で乾かしましょう。

これは、細菌やカビの侵入を防ぎ、根腐れリスクを下げるために重要な工程です。

⑤ 新しい鉢と用土で植え付ける

十分に乾いた子株を、新しい鉢と清潔な用土に植えましょう。

排水性と通気性に優れた用土をふんわりと入れ、根を無理に押しつけないように注意します。

植え付け後はすぐに水を与えず、2〜3日乾かしてからごく控えめに水をあげましょう。

葉挿し(挿し芽)のやり方

エケベリア・トップスプレンダーは、葉に水分を蓄える性質があり、葉挿しで増やしやすい多肉植物です。

1枚の葉から新芽と根が出れば、親株と同じ形質を受け継いだ株が育ちます。

正しい手順で管理すれば初心者でも高確率で成功しやすく、株数を無理なく増やせる方法です。

  1. 健康な葉を選び、根元からカットする
  2. 切り口を乾燥させる
  3. 水はけの良い土に葉を置く
  4. 土を軽くかぶせて安定させる
  5. 明るい日陰で管理する

① 健康な葉を選び、根元からカットする

葉挿しに適しているのは、張りがあって変色や傷のない葉です。

株元に近い成熟した葉を、ピンセットや手を使って根元からまっすぐ丁寧に外しましょう。

途中でちぎれてしまうと成功率が下がるため、根元から「パキッ」と外せるかが重要です。

② 切り口を乾燥させる

葉を取った直後は切り口が湿っていて、そのまま土に置くと腐敗の原因になります。

そのため、風通しの良い日陰で1〜2日ほど置いて乾かし、切り口をしっかり乾燥させることが大切です。

乾きが不十分なまま植えると、雑菌が侵入しやすく、葉が腐ってしまう恐れがあります。

③ 水はけの良い土に葉を置く

多肉植物用の培養土など、乾きやすく通気性の高い土の上に、葉の裏面を下にしてそっと置きます。

このとき、土に挿さず軽く置くのが基本です。

④ 土を軽くかぶせて安定させる

葉が転がらないように、周囲に少しだけ土を寄せて安定させます。

ただし、葉全体を覆ってしまうと通気性が悪くなり、発根の妨げになるため注意が必要です。

あくまでも「支える程度に軽く覆う」がポイントです。

⑤ 明るい日陰で管理する

直射日光は葉焼けや乾燥の原因になるため避け、明るく風通しの良い日陰で育てます。

発根・発芽までは水やりを控え、葉がしぼんできたときだけ霧吹きで表面を軽く湿らせましょう。

植え替え時期はいつがいい?

植え替えに適しているのは、春(4〜6月頃)がもっとも安全かつ効果的です。

気温が15〜25℃に安定するこの時期は、根がよく動き、新しい鉢や土にもスムーズになじみます。

秋の植え替えも可能ですが、冬越しに備えて早めに済ませる必要があり、やや慎重な管理が求められるでしょう。

鉢替えのやり方

鉢替えは、トップスプレンダーの根詰まりや土の劣化を防ぐ大切な作業です。

根の発育を妨げないよう、おおよそ2年に1度の間隔で実施するとよいとされています。

根に新鮮な空気が届くことで、呼吸がスムーズになり、生育やロゼットの発色にも好影響を与えるのです。

  1. 鉢からやさしく株を取り出す
  2. 鉢底石を敷いて排水性を確保する
  3. 新しい培養土を用意しておく
  4. 株を中央に置いて固定する
  5. 植え替え後は1週間ほど水を控える

① 鉢からやさしく株を取り出す

土が乾いた状態で、鉢の側面を叩きながらやさしく株を引き抜きます。

根が絡まっている場合は無理に引っ張らず、土を崩しながらゆっくり外しましょう。

② 鉢底石を敷いて排水性を確保する

新しい鉢の底に軽石や鉢底石ネットを敷いて、通気と排水の良い環境を作ります。

これにより、水分が一箇所にたまらず、多肉植物特有の根腐れを予防できるのです。

③ 新しい培養土を用意しておく

排水性と通気性のバランスが取れた培養土を、あらかじめ鉢底に軽く敷いておきましょう。

中央部を少し盛り上げておくと、根を自然な放射状に広げやすくなります。

④ 株を中央に置いて固定する

株を中央に据え、根を無理なく広げた上で、周囲からそっと土を足して固定します。

土を押しつけすぎると酸素不足を招くため、ふんわりと包むように整えましょう。

⑤ 植え替え後は1週間ほど水を控える

植え替え直後は根が繊細で、傷口から雑菌が入る可能性もあります。

水は与えずに、風通しの良い日陰で3〜5日ほど休ませるのが安全です。

根の再生が安定してから、水やりを再開してください。

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