観葉植物の土を隠す方法|マルチングとは
公開日 2025年01月09日
更新日 2025年01月09日
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観葉植物の土を隠す「マルチング」とは
「マルチング」とは、観葉植物の根元に見える土を園芸資材で覆って隠すことです。
植物の生育環境を整えたり、お部屋の雰囲気に合う見栄えにしたりと、マルチングには様々なメリットがあります
観葉植物の土を隠す(マルチング)メリット
マルチングには、機能性や見栄えの面で次のようなメリットがあります。
- 土壌の水分の乾燥を防げる
- 雑草の発生を抑制できる
- 害虫の発生を抑制できる
- 水やりの際の泥はねを防止できる
- インテリア性が高まる
それぞれのメリットを詳しく確認していきましょう。
土壌の水分の乾燥を防げる
マルチングをすることで水分の蒸発を抑制し、土壌の乾燥を防げるというメリットがあります。
観葉植物の水やりのタイミングは土の表面の乾燥具合を見て判断することが多いため、早く乾燥すれば、そのぶん早く水をあげなければなりません。
マルチングによって乾燥のスピードが穏やかになれば、水やりの頻度を減らすことができます。
普段の生活の中で手間を減らすという点はもちろん、旅行や出張でしばらく水やりができないシーンで乾燥を防げる点も、大きな安心につながるでしょう。
雑草の発生を抑制できる
マルチングによって雑草の発生を抑えることができる点もメリットの1つです。
観葉植物を外に出したり、植え替えに畑の土を使ったりした時には、雑草の種が土壌に紛れ込んでしまう可能性も否定できません。
そのまま育てると雑草が芽を出し、観葉植物に行きわたるはずだった栄養分を奪ってしまうでしょう。
そんなとき、マルチングによって土壌を覆い隠し、日光が当たるのを防ぐことで、雑草の成長を抑えることができます。
害虫の発生を抑制できる
マルチングによって害虫の発生を抑えることも可能です。
害虫の発生理由は様々ですが、中にはぬかるんだ土壌を好むものや、植物の根元に卵を産むために寄ってくるものもいます。
マルチングをして土壌を隠していれば、水を含んだ土や根元を隠すことができ、大切な観葉植物を害虫からガードできるでしょう。
水やりの際の泥はねを防止できる
マルチングには、水やりの際にはねた泥が植物に付くのを防ぐ効果も期待できます。
茎や葉が泥で汚れるのを防ぐほか、土壌の中にいる菌の付着を防げる点も嬉しいポイントです。
土には観葉植物の成長を抑制したり、弱らせたりする原因になる菌が含まれていることがあります。
マルチングによって泥はねを防ぐことは、植物を元気な状態に保つための手段の1つでもあるということです。
インテリア性が高まる
マルチングによって観葉植物がいっそうおしゃれな印象になり、お部屋に置いたときのインテリア性が高まることもメリットです。
使用するマルチング材によっても様々な雰囲気が出せるので、好みに合わせて素材を使い分けるのも良いでしょう。
後ほど紹介するように、南国風の印象にしたいときはココヤシファイバー、品格ある佇まいを表現したいときは水苔など、幅広い選択肢からチョイスすることもできます。
観葉植物の土を隠す(マルチング)方法
観葉植物の土を隠すマルチングには様々な方法があります。
ここからは代表的な7種類の素材について、メリットやデメリットを紹介していきましょう。
マルチングの素材 | メリット | 保湿効果 | 価格帯 |
---|---|---|---|
ココヤシファイバー | どんな部屋にも似合う | ◎ | 安い |
バークチップ・ウッドチップ | 雑草抑制効果がある | ◎ | 普通 |
クルミの殻 | おしゃれで長く使える | △ | 高い |
プランターテーブル (ポットテーブル) | 小物置き場として使える | △ | 高い |
水苔(みずごけ) | 品格がある | ◎ | 安い |
麻布 | 水やりがしやすい | 〇 | 安い |
つる性の植物 | 他の素材と併用可 | △ | 品種による |
求める機能や見栄えによって必要なポイントは異なるので、状況に合わせてぴったりの素材を選んでみてください。
ココヤシファイバーを載せる
ココヤシファイバーは、その名の通り「ヤシの実」の繊維です。
どこか南国風の印象がありながらも、幅広い植物やインテリアになじむ風合いなため、お部屋の雰囲気を選ばないのが嬉しいポイントです。
茶色やベージュが一般的ですが、中には赤や緑、黒などに色付けされたものもあるので、好みに合わせて色を選ぶのもいいでしょう。
価格も安価で、ホームセンターや100円ショップなどで手軽に購入できます。
水をやるときはココヤシファイバーを浮かせて根元の土に直接与えますが、水をやり終えたら元に戻すだけのため手間はありません。
ココヤシファイバーの適度な隙間がほどよい保湿効果を生み、土の乾燥速度を穏やかにしてくれます。
バークチップ・ウッドチップを敷く
バークチップ・ウッドチップは木が原料になっているマルチング材です。
バークチップはおもに赤松や黒松の樹皮からできていて、ウッドチップは様々な木をまるごと砕いて作られているという違いがあります。
どちらも保湿効果や雑草抑制効果に優れており、見た目もナチュラルな印象で素敵です。
バークチップはウッドチップに比べて高級感があり、割れや腐食にも強いものの、少し価格が高くなる傾向にあります。
一方のウッドチップは、木の柔らかい部分が多く含まれることから、割れや腐食に強くない一方で、バークチップに比べて安価です。
チップが細かいほど保湿性が高くなりますが、過湿を招く可能性もあるため、適度な隙間が生まれるように大きめのチップを選ぶのが良いでしょう。
クルミの殻を置く
クルミの殻もマルチング材として活用できます。
ナチュラルな色合いと個性的な形でおしゃれな雰囲気がぐっと高まるため、インテリア性を重視する方にはぴったりの素材です。
適度な大きさやくぼみがあるため、重ねても通気性が確保されて土の蒸れを防ぐ効果もあります。
しっかりした硬さで、割れが少なく長持ちするのも使い勝手の良いポイントです。
バークチップやウッドチップなどに比べて粒が大きいため、小さな観葉植物の鉢に敷くのは向きませんが、大きく成長した植物であれば問題ありません。
価格が高価になる場合があるので、使用量と費用を確認の上で取り入れるのが安心でしょう。
プランターテーブル(ポットテーブル)でおしゃれに隠す
プランターテーブル(ポットテーブル)とは、観葉植物の鉢植えの上に載せる板のようなものです。
植物を左右から挟むようにして設置すると、幹が中央の穴を通るようなドーナツ状に組みあがります。
風合いの良い木材でできていることが多いため、鉢が一段とおしゃれになるでしょう。
プランターテーブル自体の雰囲気を楽しむのも良いですし、ちょっとした小物を置く場所として活用することもできます。
板を浮かせるようにして土の状態を見ることができるため、、水やりのタイミングを確認するのも簡単です。
材質やサイズによっては高価なものもありますが、一度購入すれば長く使えるのも魅力の1つでしょう。
水苔(みずごけ)を敷く
水苔をマルチング材として使用することもできます。
洋ランなどの栽培に使用されていることも多いため、水苔を使ったマルチングはどこか品格を感じる雰囲気になるのが特徴の1つです。
そんな高級感漂う水苔は、実は非常に安価に購入できるうえ、水で戻すことによりかさも増えて、たっぷりと使用することができます。
広い範囲や複数の鉢に使用する場合にも使いやすい素材といえるでしょう。
保水性が非常に高く、泥はねや土の流出も防いでくれるため、多めの水を好む植物や、土を多く入れすぎてしまった鉢に使用するのがおすすめです。
一方で、乾燥した土壌を好む植物には向きませんので、種類によって使い分けるのが安心でしょう。
麻布を敷く
麻布も優秀なマルチング材として多く使用される素材です。
麻を粗く編んで布状にしたもので、その目の粗さが適度な保湿性と通気性を生み、観葉植物の土壌環境を正常に保ちながら、土を目隠ししてくれます。
麻布でマルチングする方法
適度な大きさの布を数回折り、植物の幹の根元に巻き付けるようにしながらふんわりとかぶせましょう。
土を隠す以外にも、鉢全体を包み込んでナチュラルな雰囲気を出したり、折り方を工夫してデザイン性を出すことも可能です。
商材によっては独特なにおいを感じる場合もあるため、気になる方は天日干しや消臭スプレーなどで対策してみてください。
つる性の植物を飾る
これまで紹介したマルチング材にプラスして、つる性の植物を一緒に飾る方法もあります。
大きめの観葉植物は土の面積も広くなるため、1種類のマルチング材だけで仕上げた場合には、どこかのっぺりとした印象になってしまうこともあるでしょう。
そんなときに活躍するのが、小さな鉢や水耕栽培などで育てたつる性の植物です。
植物でマルチングする方法
根元に少し土がのぞく程度にマルチングした観葉植物の中心付近に、ポトスやモンステラ、アイビーなどの鉢を置きます。
長く伸びたつるを幹にふんわりと巻きつけていけば、土が程よく隠れてナチュラルな雰囲気に仕上がるでしょう。
観葉植物の土を隠す(マルチング)際の注意点
観葉植物の土を隠すマルチングには、これまでに紹介したようなメリットが多くある一方で、注意したいポイントもいくつか存在します。
これらの注意点について順に確認していきましょう。
通気が悪くなって虫やカビが発生することも
マルチングをすることで通気性が悪くなり、過湿状態になった根元に虫やカビが発生してしまうことがあります。
観葉植物にとって好ましくない環境ですし、お部屋に置くものとしても衛生面が気になってしまうでしょう。
加湿状態になるのを防ぐためには、湿気がこもらないような通気性の高いマルチング材を使用することが必要です。
ココヤシファイバーやクルミの殻、麻布といった、適度な隙間がある素材を選ぶと良いでしょう。
水やりする際に外す必要があるので手間がかかる
観葉植物に水やりをする際に毎回マルチングを外す必要があるため、手間がかかるのも注意点の1つです。
マルチングの上から水をかけてしまうと、土に水が行き渡らなかったり、マルチング材が過剰に水を含んで傷んだりすることがあります。
マルチング材を浮かせるか、端に寄せて土の面を表に出し、土に直接水をやるようにしましょう。
ココヤシファイバーやプランターテーブルなどの持ち上げやすい素材か、バークチップやクルミの殻のように、かき分けて土を露出させやすいものを使用するのがおすすめです。
土の状態が見えないので水やりのタイミングが難しい
観葉植物は土の乾き具合によって水やりの必要性を見極めるため、マルチングで土を隠すと、水やりのタイミングの判断が難しくなってしまいます。
適切なタイミングを見極めるには、定期的にマルチングを外して土の状態を確認することが大切です。
外しやすい素材かどうか、あるいはかき分けて土の状態を確認しやすい素材かどうかという観点でマルチング材を選んでみるのも良いでしょう。
土を隠すのに適していない観葉植物もある
マルチングには保湿効果があるため、乾燥した環境を好む植物には適していない場合があります。
例えばユッカやサンスベリア、サボテン、オリーブ、シンゴニウムなどは乾燥気味の土壌で育てる植物なので、マルチングは避けるのが良いでしょう。
インテリア性の面でどうしても実施したい場合は、麻布などの通気性の良い素材を使用する必要があります。