観葉植物のコバエ対策、駆除はどうする?
公開日 2025年01月15日
更新日 2025年01月15日
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目次
観葉植物にわくコバエの種類
観葉植物は、害虫に気をつけながら丁寧に育てていても、コバエが発生し繁殖してしまう場合があります。
植物に発生するコバエの種類は、以下の特徴をもつ「キノコバエ類」と「チョウバエ類」です。
特徴 | キノコバエ類 | チョウバエ類 |
---|---|---|
見た目 | 手足が長くて体が細長い | 全体的に丸い |
色 | 暗褐色または黒色 | 薄い茶色 |
産卵場所 | 土の表面 | 水たまり |
行動時間 | 夜明けから昼頃にかけて | 夜間 |
なお、キッチンに発生する「ノミバエ類」や「ショウジョウバエ類」とは種類が異なります。
そのため、植物特有のコバエに対応した方法で駆除しなければなりません。
発生しやすい時期は梅雨
観葉植物にわくコバエが、特に発生しやすいのは梅雨の時期です。
コバエは、基本的に以下のような環境を好みます。
- 気温:20〜30℃
- 湿度:60〜70%
梅雨の時期は繁殖に適した条件が整っているので、よりしっかりとした対策が必要です。
また、たとえ冬でも室内で暖房や加湿器を使いすぎると、コバエが発生しやすくなるので注意してください。
コバエがわく原因
観葉植物のコバエは鉢の土や受け皿に溜まった水に発生するのが特徴で、植物自体にわくことはありません。
コバエの発生には、主に以下の原因が考えられます。
コバエは有機物由来の土や汚れた水をエサとして、どんどん数を増やしていくのが特徴です。
そのため、コバエがわいたら、発生の原因を探り対処する必要があります。
発生したコバエの対策に効果的な4つの方法
観葉植物にわくコバエには、一般的な殺虫スプレーやコバエ取りなど、生ごみにわくコバエの対処方法では効果がありません。
そのため、観葉植物に発生する「キノコバエ類」や「チョウバエ類」に適した対策を行う必要があります。
① 防虫アイテムを活用する
観葉植物のコバエは、防虫アイテムを駆使して発生を防ぎましょう。
有効的な防虫アイテムは、以下を参考にしてください。
- 網目1mm以下の防虫ネット
- 園芸用殺虫スプレー
- 粘着素材のトラップ
- 木酢液
- ハッカ油
防虫ネットは、土に卵が産みつけられている状態だと効果がありません。
ですので、赤玉土やバーミキュライトなど無機物由来の土に入れ替えてから防虫ネットを使うようにしましょう。
② 屋外に出して逃がす
キノコバエ類が土に発生した場合、一時的に植物を屋外に出してコバエを逃がす方法があります。
2~3時間ほど外に出し、日当たりの良い場所で土を乾燥させると、コバエが逃げやすくなるでしょう。
ただし、直射日光に当たると葉焼けして傷む危険性が高まるため、日差しの強い時間帯は避けるのが無難です。
また、長時間外に置きすぎると他の虫が寄ってくる可能性があるため、放置する時間にもは注意してください。
③ 無機質な素材で土を覆う
観葉植物にコバエを発生させないためには、無機質な素材で土を覆うのが有効です。
無機物由来の素材には以下のような種類があるので、参考にしてください。
表面を無機物由来の素材でカバーすると、コバエが土の中に入りにくくなり、大量に発生するのを防げます。
ただし、土の上部に無機物由来の素材を隙間なく敷き詰めてしまうと、土が呼吸できずに根腐れを引き起こしてしまう恐れがあるので注意しましょう。
④ 鉢上部の土を入れ替える
観葉植物にコバエが発生したら、鉢上部の土を入れ替えるのも有効です。
キノコバエ類は、基本的に土の表面から5cmくらいまでの深さの場所に産卵します。
そのため、鉢上部の土を新しくすると、卵も一緒に除去できて繁殖の抑止につながるでしょう。
なお、上部の土を新しくしても有機物が含まれているものだと、再びコバエがわいてしまう恐れがあります。
そのため、無機物由来の土を上部に敷き、肥料も無機物に由来したものに切り替えるとさらにコバエ抑止の効果を期待できるでしょう。
⑤ 鉢植えを水に沈める
観葉植物にコバエが発生したら、以下の手順で鉢をまるごと水に沈めて窒息死させるのも有効です。
- 鉢がすっぽり入る大きさの容器に水を張る
- 鉢を水に沈めて15分ほど放置する
- 水面に浮いた死骸や卵をすくって処分する
① 鉢がすっぽり入る大きさの容器に水を張る
② 鉢を水に沈めて15分ほど放置する
③ 水面に浮いた死骸や卵をすくって処分する
水から出した後は、根腐れを防ぐために風通しの良い場所で土を乾燥させてください。
コバエの駆除に効果的なアイテム
コバエを観葉植物に寄せ付けないためには、有効的に防除できるアイテムを活用する必要があります。
ここでは、駆除に効果を期待できるアイテムについて、詳しく紹介するので参考にしてください。
「殺虫剤」で確実に駆除
観葉植物のコバエを早急に駆除したい場合は、スプレータイプの殺虫剤を使用するのが有効的です。
殺虫スプレーは空間に直接噴射できるため、即効性があります。
ただし、葉っぱに直接噴霧すると植物が枯れるリスクがあるため、使用には注意が必要です。
小さな子どもやペットがいる家庭であれば、天然由来の成分を使用した製品を選ぶと良いでしょう。
「コバエ取りトラップ」で安全に対策
観葉植物に発生したコバエを安全に駆除したい場合は「コバエ取りトラップ」を仕掛けるのが有効的です。
コバエ取りトラップには、以下のようなものがあります。
どちらも接着剤でコバエを捕獲できるタイプで、化学成分を含んでいないので、小さな子どもやペットがいる家庭でも使用できるのが特徴です。
また、使用にあたって難しい作業が必要なく、設置するだけで簡単にコバエを減らせます。
殺虫スプレーのような即効性はありませんが、少しずつコバエの数を減らせるでしょう。
100均で買える「粘着シート」もおすすめ
観葉植物のコバエは、100円ショップで購入できる「粘着シート」を使って駆除するのも有効的です。
オレンジや緑の粘着シートは、コバエが好む色のため誘い出しやすく、そのまま捨てるだけで簡単に駆除できます。
小さな子どもやペットがいる家庭であれば、化学成分不使用のものがおすすめです。
予防には「木酢液」や「ハッカ油」も
観葉植物にわくコバエは、ニオイに敏感に反応するという性質があります。
そのため、強い香りを放つ「木酢液」や「ハッカ油」を土に吹きかけると、コバエが寄り付きにくくなるでしょう。
ただし、室内で散布すると部屋にニオイが付着してしまうので、屋外で吹きかけてしばらく置いてから室内に戻してください。
これはNG!効果がない・危険なコバエ対策
観葉植物にわくコバエは、キッチンにわくコバエとは異なる種類です。
そのため「キノコバエ類」や「チョウバエ類」に特化した対策をしなければなりません。
もし、誤った方法でコバエ対策をすると効果がないだけでなく、観葉植物にとってリスクが伴うので注意してください。
① 掃除機でコバエを吸う
観葉植物にわいたコバエは掃除機で吸って駆除できます、土の中に潜む卵や幼虫までは取り除けません。
また、掃除機で吸ったコバエを放置しておくと、掃除機の中のごみ(有機物)をエサにして繁殖してしまいます。
そのため、掃除機を活用するのは一時的な効果しかなく、すぐにゴミを捨てなければ意味がないのを念頭に置いておきましょう。
② キッチン用のコバエ取りを置く
キッチン用のコバエ取りは、生ごみなどにわく「ショウジョウバエ類」や「ノミバエ類」に特化した駆除方法です。
そのため、観葉植物にわく「キノコバエ類」と「チョウバエ類」には、キッチン用のコバエ取りでは効果を期待できません。
③ 園芸用以外の殺虫スプレーを使う
観葉植物にわいたコバエに、園芸用以外の殺虫スプレーを使用するのは絶対にNGです。
植物に害を与える成分が含まれているものもあり、観葉植物に使用すると枯れてしまう危険性があります。
コバエの発生を抑える育て方のコツ
観葉植物にコバエを発生させないためには、掃除や手入れなど徹底した管理が必要です。
ここでは、コバエを発生させないためのコツを紹介します。
植え替えして土を入れ替える
観葉植物にコバエを発生させないためには、赤玉土やバーミキュライトなどの無機物由来の土を選んで植え替えてあげると良いでしょう。
このときに、防虫対策として土に粉末状の「オルトラン」を混ぜてください。
根っこがオルトランを吸収すると、コバエを含む病害虫が発生しにくくなる免疫や耐性がつきます。
夏場は化学肥料に切り替える
気温や湿度が高くなる夏場は、積極的に無機物由来の化学肥料に切り替えてください。
窒素やリンなどの鉱物由来の化学肥料を使用すれば、コバエが発生しにくくなるでしょう。
たとえ化学肥料に切り替えても、有機物でできた土を使用していればコバエが発生するリスクがあります。
ですので、化学肥料と無機物由来の土を一緒に使うのがコバエの抑止には効果的です。
乾燥気味で育てる
観葉植物を乾燥気味に育てると、コバエの発生や繁殖を抑えられます。
土がしっかりと乾燥しているか確認しつつ、以下の頻度を目安に水を与え、土が常に湿った状態を避けるのが大切です。
時期 | 水やりの頻度 |
---|---|
春と秋 | 5日に1回程度 |
夏 | 3日に1回程度 |
冬 | 2週間に1回程度 |
育てている観葉植物の性質や使用している土によって乾燥ぐあいが変わってくるので、様子を見ながら調節してください。
また、乾きやすい性質をもつ赤玉土やバーミキュライトなどの無機物由来の土を使用するとコバエ抑止になります。
受け皿の水は小まめに捨てる
観葉植物の受け皿に水が溜まった状態で放置するのは、チョウバエ類が大量に発生する原因です。
チョウバエ類は汚れた水や水垢をエサにして、そこに産卵して繁殖する習性があります。
小さい鉢であれば鉢を移動させて受け皿を掃除し、大きい鉢で移動させるのが難しければスポンジやスポイトなどで溜まった水を取り除いてください。
常に受け皿を清潔に保つと、コバエの発生を抑止できるでしょう。
土以外で育てるとコバエが発生しにくい
観葉植物の品種が水耕栽培やハイドロカルチャーなど、土以外での栽培に適した品種であれば、栽培方法を変えてみるのもコバエ対策になります。
ここでは、水耕栽培とハイドロカルチャーの基本的な方法だけでなく、それぞれに適した品種を紹介します。
水耕栽培
水耕栽培は、根っこに水と液体肥料を浸して植物を栽培する方法です。
透明なガラスの容器に入れると、おしゃれなインテリアにもなります。
毎日の水やりは不要ですが、カビや雑菌の繁殖を防ぐために定期的な水の入れ替えが必要です。
水耕栽培に適した品種には「ガジュマル」「アイビー」「モンステラ」などがあります。
水耕栽培に適した品種①:ガジュマル
観葉植物 ガジュマル
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ガジュマルは太い幹が印象的な観葉植物で、丈夫で育てやすいため初心者にもおすすめです。
コンパクトなサイズ感なので、水耕栽培でデスクや窓辺に置いてインテリアとして楽しめるでしょう。
ガジュマルを水耕栽培に切り替える場合は、4~7月が適しています。
水耕栽培に適した品種②:アイビー
名前 | アイビー(学名:Hedera) |
特徴 | さまざまな形の葉っぱをつける、秋になると紅葉する、つるがどんどん伸びる |
花言葉 | 「友情」「誠実」「永遠の愛」 |
アイビーは、星形やハート形などさまざまな葉形が特徴的な植物です。
伸びるつるが魅力的なので、水耕栽培にしてハンギングで吊るして飾るのが良いでしょう。
アイビーを水耕栽培に切り替える場合は、4~9月が適しています。
水耕栽培に適した品種③:モンステラ
観葉植物 モンステラ
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モンステラは大きなハート形の葉っぱに切れ込みが入っている特徴があり、ハワイでは縁起物として親しまれている植物です。
エキゾチックな見た目をしているので、インテリアのアクセントにピッタリでしょう。
モンステラを水耕栽培に切り替える場合は、5~9月が適しています。
ハイドロカルチャー
ハイドロカルチャーは、ハイドロボールという人工的につくられた土を使って植物を栽培する方法です。
植え替える際は、根っこに土が残っている状態だとコバエがわいてしまうので、土をきれいに取り除くようにしましょう。
根っこの周りにハイドロボールがしっかり入り込むように、ピンセットを使って隙間を埋めるように入れてください。
ハイドロカルチャーに適した品種には「パキラ」「サンスベリア」「ポトス」などがあります。
ハイドロカルチャーに適した品種①:パキラ
観葉植物 パキラ Sサイズ
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パキラは、手を開いたような形の葉っぱと独特な樹形が魅力的な植物です。
根っこの成長が早いので、ハイドロカルチャーでも元気に育ってくれるでしょう。
パキラをハイドロカルチャーに切り替える場合は、5~6月が適しています。
ハイドロカルチャーに適した品種②:サンスベリア
観葉植物 サンスベリア ローレンチ
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サンスベリアは幹や茎がなく、葉っぱが上にまっすぐ伸びる姿が剣のように見える特徴的な植物です。
葉っぱの面積が広いので、空気清浄効果が大きいとされています。
サンスベリアをハイドロカルチャーに切り替える場合は、4~8月が適した時期です。
ハイドロカルチャーに適した品種③:ポトス
観葉植物 ポトス
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詳しく見る
ポトスはつる性植物で、みずみずしく美しい形の葉っぱは濃緑や黄色い斑入りなど、さまざまなカラーバリエーションがあります。
観葉植物のなかでもトップクラスの育てやすさを誇り、初心者でも簡単に増やせるでしょう。
ポトスをハイドロカルチャーに切り替える場合は、5~7月が適した時期です。