コリウスの育て方
公開日 2025年05月09日
更新日 2025年05月16日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報

千葉里奈
ドライフラワー専門のお店を創業し、独自の美的センスとデザイン力で多くのドライフラワーファンを魅了。
花の特徴を生かした作品づくりを得意とし、結婚式場など大型の会場装飾を数多く経験。
現在はHanaPrimeの商品開発責任者として練り上げられたセンスでトレンドをつかみ取り多くのヒット商品を創作しています。

コリウスの基本情報

植物名 | コリウス |
学名 | Coleus scutellarioides |
和名 | 金襴紫蘇(キンランジソ) |
英名 | Flame nettle、Painted leaves |
別名 | 錦紫蘇(ニシキジソ) |
原産地 | アジアの熱帯、亜熱帯、アフリカ |
科名 | シソ科 |
属名 | コリウス属 |
開花時期 | 4~11月 |
鮮やかな葉色が魅力のコリウスは、庭や室内を彩る人気のカラーリーフです。
赤やオレンジ、黄色など色彩のバリエーションも豊富にあります。
ほかの花と寄せ植えしてもいいですが、コリウスだけを複数植えるだけでも見ごたえがあり、おしゃれな雰囲気が味わえるでしょう。
また、耐暑性があり夏の間も元気に成長し続けるため、長期間にわたって楽しめるのも大きな魅力です。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
コリウスには100種類以上の品種があり、種から育てる実生系と挿し木や株分けで増やす栄養繁殖系の2つの系統に分別されます。
種類は栄養繁殖系の方が多く、葉色のバリエーションが豊富です。
レッドヘッド

草丈が高く生育旺盛な品種です。
夏の間も鮮やかな葉色をキープするので、地植えにすると庭が美しく映え、見ごたえがあります。
キャンプファイヤー

草丈が高く横に広がるタイプで、花壇の後方に植えると全体のバランスが良くなります。
高温多湿に強く、暑い季節も管理しやすいのが特徴です。
ムーンライト

中型タイプで、葉色が明るいため強い日差しで色が抜けやすい傾向があります。
シェードガーデンに植えると美しい色合いを長く楽しめるでしょう。
ワサビ

ヒイラギのようなギザギザの葉が特徴的で、寄せ植えのアクセントにおすすめです。
ゴリラシリーズ
実生系に比べて草丈や葉が大きく、生育旺盛で育てやすいです。
カラフルな2色混合の葉色で、インパクトのある特徴的な見た目をしています。
チョコレートミント

ミントグリーンに縁取られたチョコレート色の葉は、ベルベッドのような質感で上品な印象を与えます。
中型から大型のタイプで、開花期間が遅いため長く葉色を楽しめるでしょう。
品名 | 系統 | 葉の色 |
---|---|---|
レッドヘッド | 栄養繫殖系 | 赤色 |
キャンプファイヤー | 栄養繫殖系 | 赤・オレンジ・黄色 |
ムーンライト | 栄養繫殖系 | 黄色 |
ワサビ | 栄養繫殖系 | 黄緑色 |
ゴリラシリーズ | 実生系 | 多色(赤・ピンク・褐色など) |
チョコレートミント | 実生系 | 濃い茶色 |
コリウスはどんな花が咲く?

コリウスは白や青、紫色のかわいらしい唇形の花を穂状につけます。
花が咲くのは一般的に実生系で、栄養繁殖系の品種は花が咲きにくいです。
なお、コリウスは葉をメインに育てることが多いため、通常は花が咲く前に剪定してしまうことが多く、花を楽しむことは少ないでしょう。
コリウスの葉っぱの形

コリウスの葉っぱは品種によって形が異なり、縁がギザギザしていたりフリル状のものや切れ込みの入っていたりとさまざまです。
サイズも小ぶりのものから大きなもの、細長い形や美しい斑入りなどもあります。
コリウスの花言葉
コリウスの花言葉は、「健康」「善良な家風」「叶わぬ恋」です。
コリウスの育て方
ここではコリウスの水やりの頻度や肥料のあげ方、病害虫対策など基本的な育て方のポイントを紹介します。
水やりの頻度
コリウスは乾燥に弱い植物のため、水切れをおこさないように注意しましょう。
鉢植えの場合
土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
夏の間は水切れしやすいため、朝と夕方の2回水やりが必要になることもあるでしょう。
土の状態をチェックしながら適度に与えることが大切です。
地植えの場合
植え付け後に根付いてしまえば基本的に水やりは必要ありません。
肥料のあげ方
鉢植えの場合
元肥として、植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込みます。
植え付け後2~3週間経過してから、追肥として液体肥料を2週間に1回程度施すと良いでしょう。
地植えの場合
植え付け時に緩効性肥料を施すだけで十分です。
病害虫・害虫対策
コリウスは比較的丈夫な植物ですが、特定の病害虫に対しては注意が必要です。
被害を広げないためにも、定期的に茎葉を観察しましょう。
立枯病
- 地際の茎からしおれて枯れる
- 古い土で発生しやすい
発生してしまった場合は、被害の拡大を防ぐため、株を根鉢ごと掘り出して処分します。
予防策としては、植え付け時に新しい土を使用するのが効果的です。
ヨトウムシ
- 葉裏に卵を産み付ける
- 夜行性で昼間は株元や土に潜む
- 幼虫が新芽や葉を食害する
卵を見つけたら葉ごと取り除いて処分し、幼虫は手袋で潰すか殺虫剤で駆除します。
早期発見のため、日頃からこまめに葉裏などをチェックしましょう。
ナメクジ
- 夜間や湿った環境で活動する
- 葉や茎を食害する
- 移動後に粘液の跡を残す
割り箸でつまんで捕殺するか、適切な殺虫剤で駆除します。
なお、ナメクジが手に触れたら石鹸でよく洗いましょう。
植木鉢やプランターを地面に直置きせず、風通しを確保することも予防に効果的です。
ハダニ
- 葉の裏に白い斑点やかすれが生じる
- 夏の乾燥期に発生しやすい
粘着テープで捕殺するか、シャワーの水流で洗い流し、被害が大きい時は殺虫剤を使用します。
繁殖しやすいのでこまめに葉裏をチェックし、初期段階で対処することが大切です。
摘心|タイミングとやり方
摘心は、生育が活発になる初夏以降に行うのが適しています。
草丈を抑えるほか、摘心を繰り返して2通りの仕立て方ができるので、栽培場所や好みにあわせて選びましょう。
スタンダード仕立て
上部にボリュームをもたせ茎を真っすぐに伸ばす方法です。
- 数回摘芯を行って脇芽を増やす
- 株元から約15cmの高さの枝葉を取り除く
- 2~3本の茎をまとめてテグスなどで束ねる
束ねた状態でしばらく育成します。
葉が茂ってきたら都度上部の摘心をして、全体のバランスを見ながらボリュームを出していきましょう。
ツリー仕立て
ツリー仕立ては円錐形に整えることができます。
- 太い茎を1本残して他の茎葉をすべて取り除く
- ある程度伸びてきたら支柱を立てて固定する
- 頂点以外の芽を定期的に摘芯する
ツリー型をイメージしながら繰り返し摘心しましょう。
下葉の落葉を防ぐため水切れに注意し、適切に水を与えてください。
花がら摘み|タイミングとやり方
葉を美しく育てることが多いコリウスは、基本的に花が咲く前に剪定してしまいます。
花穂が出てきたら、すぐに摘み取りましょう。
コリウスの栽培環境
コリウスは耐暑性が強い一方で、耐寒性が弱い植物です。
ここでは、コリウスに適した置き場所や用土などについて、基本的な栽培環境を紹介します。
置き場所と日当たり
コリウスは、日当たりが良く風通しの良い場所で育てましょう。
家の南側が東側の西日が当たらない場所が理想的ですが、強すぎる日差しは葉焼けの原因になります。
地植えの場合は日照条件を考慮して植え付けましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
コリウスに適した生育温度は20~30℃ですが、暑さに強い性質があり夏でも健康に育ちます。
反対に寒さには非常に弱く、15℃以下になると生育不良となるため、室内に移動するなど冬越しの対策が必要です。
用土
コリウスは、水はけが良く水もちの良い土を好みます。
市販の培養土か、赤玉土と腐葉土、堆肥を6:3:1の割合で配合した土を使いましょう。
なお、病害虫予防のために植え替えの際も新しい土を使用してください。
夏越しの方法
コリウスは耐暑性が高く夏も元気に育ってくれますが、真夏の強い日差しで葉の色褪せが見られるようになります。
退色を防ぐために、真夏は直射日光や西日の当たらない場所に移動させると良いでしょう。
冬越しの方法と注意点
寒さに弱いコリウスは、冬に屋外に置いておくと枯れてしまいます。
11月頃に気温が15℃程度になったら、鉢植えを室内に移動させ、日当たりのよい暖かい場所に置きましょう。
また、挿し木したコンパクトな株を室内で育成し、春に植え付ける方法もあります。
地植えの場合、そのままでは冬越しできないため、11月頃に鉢に移植して室内へ取り込んでください。
コリウスの種まき
コリウスは苗を植え付けるのが一般的ですが、種まきでも育てることが可能です。
ここでは種まきに適した時期ややり方などを紹介します。
コリウスを種から育てると大変?
コリウスは発芽が5~7日と比較的早いものの、発芽後に適切な栽培管理を必要とするため難しく感じるかもしれません。
初心者の方は、まずは苗から育てるのがおすすめです。
種まきにおすすめの時期は5月頃
コリウスの種まきは5月頃が適期で、発芽の適温20~30℃になる初夏以降に行うのがおすすめです。
種まきのやり方
- セルトレイに土を入れる
- 種をまく
- 半日陰で管理する
- ポットに植え替える
① セルトレイに土を入れる
セルトレイに種まき用土を入れ霧吹きなどで十分に湿らせておきます。
日差しを避けるため、室内の半日陰で行いましょう。
② 種をまく
ひと枠につき種を2〜3粒、パラパラとまきます。
コリウスの種は光を好む好光性のため覆土はせず、霧吹きなどでそっと水をかけてください。
➂ 半日陰で管理する
芽が出るまで半日陰で土を乾燥させないように管理します。
発芽後、本葉が2〜3枚ついたら間引きして、一本立ちにしてください。
④ ポットに植え替える
本葉が3〜4枚になったら、培養土を入れた育苗ポットに植え替えし育苗します。
コリウスの植え付け
ここでは、コリウスの植え付けに適した時期ややり方、苗の選び方について紹介します。
苗の選び方
コリウスの苗は、以下の点に注意して選びましょう。
- 葉が生き生きとして鮮やかなもの
- 茎葉がしおれていないもの
- 茎葉に病害虫の被害がないもの
茎や葉が健康に育っている苗を選びます。
特に葉の裏に卵がついてないか、食害など病害虫の痕跡がないかチェックしてください。
植え付けでおすすめの時期は5~7月
コリウスの植え付けは、寒さが抜けて十分暖かく感じられる5~7月が適しています。
植え付けのやり方
- 鉢に土を入れる
- 肥料を混ぜ込む
- 株を植え付ける
- 水を与える
① 鉢に土を入れる
5号鉢に鉢底石を敷き詰め、培養土か自分で配合した土を6分目まで入れます。
病害虫の発生を予防するため、新しい土を使ってください。
② 肥料を混ぜ込む
緩効性肥料をひとつかみ、土に混ぜ込みます。
➂ 株を植え付ける
根鉢を取り出して根をほぐさずに中央に置き、株を埋めるように土を入れて植え付けましょう。
花壇や寄せ植えの場合は、密集しないように株間を20~25cm空けて植え付けてください。
④ 水を与える
できるだけ葉にかからないように、株元あたりから水をたっぷりと与えます。
植え付け後の約2週間は日陰で管理し、根付いたら日当たりの良い場所に移しましょう。
コリウスの開花時期

コリウスは初夏から初秋にかけて穂状の花をひっそりと咲かせます。
開花時期は6~10月頃
コリウスの開花時期は、6~10月頃です。
実生系に比べて、栄養繁殖系のコリウスは花が咲きにくい傾向にあります。
コリウスの花を咲かせない理由は?
コリウスは葉の美しさを鑑賞する場合が多く、あえて花を咲かせないように育てるのが一般的です。
花が咲くと葉に栄養が回らず、葉色の生育が緩慢になるので、咲く前に花を摘み取ってしまいます。
美しい葉を鑑賞するためには、早い段階で花芽や花穂を摘むようにしてください。
反対に花を楽しみたい方は摘心を控えめに、花が咲いたら剪定して花瓶などに生けて楽しむと良いでしょう。
コリウスの増やし方

コリウスは種まき、挿し木、水挿しの3通りで増やすことが可能です。
ここでは、挿し木に適した時期ややり方を紹介します。
挿し木におすすめの時期は5~6月頃
コリウスを挿し木する時期は、気温が十分高くなり発根しやすい初夏の5~6月頃がおすすめです。
挿し木のやり方
- 挿し穂を準備し、水揚げする
- 土に穴をあけ、挿し穂を刺す
- 半日陰で管理する
① 挿し穂を準備し、水揚げする
新しく伸びた茎を2節分程の長さで切り取り、葉は半分にカットします。
茎の切り口を1時間程水に浸して水揚げしましょう。
② 土に穴をあけ、挿し穂を刺す
バーミキュライトや挿し木用の土を育苗ポットに入れ、割り箸で穴を空けます。
茎の切り口に発根促進剤をつけて土に刺し、軽く押さえてから水をあげましょう。
➂ 半日陰で管理する
土が乾かないように注意しながら半日陰で管理します。
約20日後、根付きが安定したら鉢や花壇に植え替えてください。
コリウスに植え替えは必要?
コリウスは成長にともない根詰まりをおこすため、植え替えが必要です。
また、大きく育てたい場合も鉢増しすると良いでしょう。
植え替えのタイミングとやり方
コリウスは毎年植え替えをする必要はありませんが、鉢底から根が出てきたら植え替えをします。
植え替えの時期は、株へ負担がかかりにくい生育期の5~7月がおすすめです。
植え替え時には一回り大きな鉢と新しい培養土を準備し、根鉢をくずさないように植え替えます。