マーガレットの育て方

マーガレットの基本情報

名称	マーガレット
英名	Chrysanthemum frutescens
和名	木春菊（モクシュンギク）
英名	Margarites
別名	木春菊（モクシュンギク）
原産地	カナリア諸島
科名	キク科
属名	モクシュンギク属
開花時期	11〜5月

カナリア諸島原産のマーガレットは、キク科の多年草です。

名前はギリシャ語の「Margarites（マルガリテス）」に由来し、真珠を意味します。

白やピンク、黄色など鮮やかな色合いの花が特徴で、清楚で愛らしい姿が多くの人に親しまれています。

また、軽やかに広がる細い葉とのバランスが美しく、ナチュラルな雰囲気を演出するガーデニングに適した植物です。

月別栽培カレンダー

種類と品種

マーガレットは、園芸品種が数多く存在し、色や形などが豊富です。

代表的な咲き方は以下のとおりで、品種によって変わります。

一重咲き	花芯を花びらが一枚ずつ囲む 代表的な咲き方
八重咲き	花びらが何層にも重なって咲く 愛らしい印象
丁子咲き（アネモネ咲き）	中央にストロー状の花が集まっている
ポンポン咲き	花びらがまるく集まってポンポンのように見える

花色は白色のほかピンクや黄色などがあり、色ごとに人気のある種類を紹介します。

チェルシーガール

一重咲きで、糸のように細い繊細な葉が特徴で、白色の清楚な花を咲かせます。

ストロベリーホイップ

一重咲きで、花が咲き進むにつれて赤からピンク、白へと3色の変化が楽しめます。

キバナマーガレット

一重咲きまたは半八重咲きで、明るい緑色の丸みのある葉を持ち、鮮やかな黄色い花が楽しめます。

マーガレットはどんな花が咲く？

マーガレットは、秋から春にかけて開花します。

形は一重咲きから八重咲きまでさまざまで、一重咲きは素朴な美しさがあり、八重咲きは華やかな印象です。

色は白やピンク、黄色、オレンジ、薄紫といった多様なバリエーションを楽しめます。

マーガレットの葉っぱの形

マーガレットの葉っぱの形は、春菊に似ています。

切れ込みの入った細長い葉は軽やかで、全体的に柔らかな印象です。

色は明るい緑色が一般的ですが、濃緑や薄緑の品種もあります。

また、一部の品種には糸状の細い葉や幅広い葉も見られ、種類ごとに個性が楽しめるでしょう。

マーガレットの花言葉

マーガレットの花言葉は「花占い」「恋の行方」「心に秘めた愛」「貞節」「信頼」などです。

マーガレットの花言葉｜名前の由来

マーガレットの育て方

マーガレットを育てるときのポイントは以下の通りです。

それぞれ詳しく解説します。

水やりの頻度

水やりは、季節や生育状況に応じて調整しましょう。

春から秋の生育期には、土が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷり与えます。

特に、花が咲いている期間は、定期的な水やりが大切です。

ただし、加湿は根腐れの原因になるため、土が乾いてから水を与えてください。

冬の休眠期は、水やりの頻度を減らしましょう。

肥料のあげ方

春と秋の成長期に肥料を与えましょう。

3〜6月と9〜10月に緩効性肥料を土に混ぜるか、置き肥を行ってください。

また、1〜2週間に1回液体肥料を追加すると、花付きが良くなります。

肥料不足は、花が小さくなったり葉の色が薄くなる原因になります。

ただし、成長が止まる時期に肥料を与えると根を傷めてしまうため。夏と冬の休眠期には控えてください。

病害虫・害虫対策

マーガレットを健康に育てるためには、病害虫の対策が欠かせません。

主な病害虫の特徴と予防方法、駆除方法を解説します。

アブラムシ

新芽が出る時期に予防スプレーを散布し、枝葉を剪定して風通しを良くしましょう。

発生した場合は流水で洗い流すか、牛乳を1:1で水で薄めたスプレーで対処します。

ひどい場合は、専用殺虫剤を使って駆除してください。

ヨトウムシ

土にオルトラン粒剤を混ぜると、幼虫が土に潜むのを防ぎます。

駆除は、夜間に懐中電灯で直接捕獲する方法が有効です。

株元や土を掘り返して、隠れた幼虫も取り除いてください。

立枯病

水はけの良い土を使用し、風通しの良い場所で育てることで予防可能です。

発症した場合は感染した株を取り除き、土を新しいものに替えましょう。

再発防止のため、根の部分を殺菌剤で消毒してください。

摘心｜タイミングとやり方

摘心は、新芽の先端を切り取る作業です。

適切な時期に摘心すると、枝分かれが増えて花芽が多くつくため、よりボリュームのある花を楽しめます。

摘心のやり方は、以下の手順を参考にしてください

① 新芽の確認

成長している新芽を選び、15cm程度伸びた健康な枝を確認します。

② 摘心する

新芽の先端部分を指で摘むか、清潔な園芸ばさみを使って2〜3cm程度切り取ります。

切り口が荒れると病害虫が侵入するため、滑らかに整えます。

③ 全体を整える

全体のバランスを確認し、密集した枝や傷んだ部分を剪定して整えます。

切り戻し｜タイミングとやり方

切り戻しは株全体を整える作業で、春と秋に行いましょう。

切り戻しのやり方は、以下の手順を参考にしてください。

① 切り戻しする位置を決める

清潔な園芸ばさみを用意し、刃を消毒します。

健康な葉が残る位置を確認し、枝の半分〜1/3を目安に切ります。

② 枝を斜めに切る

葉が残る位置で、斜めに切り取りましょう。

斜めに切ることで水が溜まりにくくなり、病気の発生を防ぎます。

③ 全体を整える

切り戻し後、株元の枯れた葉や枝を取り除き、蒸れを防ぎます。

全体のバランスを確認し、形が崩れている場合は追加で剪定してください。

土を軽くほぐして、株を活性化しましょう。

花がら摘み｜タイミングとやり方

花がら摘みは、咲き終わった花を見つけたら随時行いましょう。

開花期の11〜5月は、週1回程度のペースで定期的に作業すると効果的です。

以下の手順で簡単に作業できます。

① 花がらを確認する

咲き終わって色が褪せたり、枯れている花を見つけます。

茎が健康な花はそのままにし、摘み取り部分を選んでください。

② 茎の付け根で切り取る

園芸ばさみの刃を消毒し。花がらの茎を葉のすぐ上で切り取りましょう。

付け根に近い位置で切ると株全体の見た目が整い、新しい花芽の成長が促進されます。

③ 花がらを処分する

作業後、株全体を観察し、取り残しがないか確認します。

摘んだ花がらを放置すると病害虫が発生するため、必ず処分してください。

マーガレットの栽培環境

マーガレットは、日当たりの良い場所で育てると花付きが良くなり、鮮やかな花が咲きます。

5℃以上の温暖な環境を好むため、冬は軒下や室内で管理してください。

また、用土は水はけの良い配合を使い、湿気を防ぐことで根腐れを回避できます。

置き場所と日当たり

日当たりの良い場所で育てましょう。

十分な日光に当てると花付きが良くなり、色鮮やかな花が咲きます。

ただし、夏の強い直射日光には弱いため、午後は半日陰に移動してください。

また、風通しの良い環境にすることで、蒸れや病害虫の発生を防げます。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

マーガレットは、5〜20℃の温暖な環境を好みます。

最低気温が5℃を下回ると葉や茎が傷み、0℃以下になると枯れてしまう場合があるので、冬は霜が降りない場所や室内で管理しましょう。

また、夏の高温多湿も負担が大きいため、風通しの良い場所に移動してください。

用土

マーガレットには、水はけが良い用土が適しています。

市販の草花用土の場合、苦土石灰を少量混ぜるとよいでしょう。

自分でブレンドする比率は、赤玉土（小粒）：腐葉土：ピートモス（酸度調整済み）＝5：3：2の割合がおすすめです。

夏越しの方法・注意点

マーガレットは高温多湿に弱いため、夏越しには注意が必要です。

夏越しの方法と注意点は以下の通りです。

置き場所の調整

午前中は日が当たり、午後は日陰になる風通しの良い場所に移動します。

特に、鉢植えの場合は涼しい場所への移動が重要です。

水やりの管理

土が乾いてから、朝か夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水を与えます。

株元に直接水をかけないようにしましょう。

切り戻しの実施

夏越し前に株全体を軽く切り戻し、風通しを良くしてください。

蒸れを防ぎ、病害虫の発生を抑えられます。

冬越しの方法・注意点

マーガレットは寒さに弱い植物ですが、適切に冬越しすれば春に元気な姿を楽しめます。

冬越しの方法と注意点は以下の通りです。

置き場所の調整

鉢植えは、軒下や室内の日当たりの良い場所に移動します。

地植えは、株元をわらやマルチング材で覆い、防寒対策を行いましょう。

温度管理

5～20℃を保てる環境が理想的なので、5℃を下回る場合は室内で管理してください。

水やりの頻度調整

冬場は成長が緩やかになるため、土が乾いてから水を与えましょう。

朝のうちに水を与えると、夜間の冷え込みから根を守れます。

マーガレットの種まき

マーガレットの種まきのポイントは以下の通りです。

それぞれ詳しく解説していきます。

マーガレットを種から育てると大変？

マーガレットは種から育てられますが、初心者にはやや難易度が高い方法です。

発芽には適切な温度と湿度の管理や乾燥や過湿を防ぐ細かな注意が求められるほか、時間がかかります。

ただ、手間と時間はかかりますが、自分で育てたマーガレットから種を採種し、次世代を育てるのは楽しみが増すでしょう。

種まきにおすすめの時期は9月頃

9月は昼夜の気温差が小さく安定していて、土が乾燥しにくいため発芽率が高まります。

また、寒くなる前に苗をある程度育てられるのもメリットです。

種まきのやり方

① 用土を準備する

水はけの良い種まき用の土を使用します。

種まきの場合は、以下の土がおすすめです。

鉢やトレーには、あらかじめ鉢底ネットを敷き、水はけを確保してください。

② 種を均等にまく

土の表面を平らに整え、種を均等にまきます。

種が小さいため、薄く広げるようにしましょう。

③ 薄く土をかぶせる

種が見えなくなる程度に、1〜2mmほどの薄い土をかぶせます。

覆土が厚すぎると発芽を妨げるため注意が必要です。

④ たっぷり水を与える

土が均一に湿るようにたっぷりと水を与えます。

ジョウロを使う場合は、勢いを抑えて土が流れないようにやさしく水をかけてください。

⑤ 明るい場所で管理する

日光が優しく当たる明るい場所に置きます。

発芽には15〜25℃の温度が必要なため、必要に応じて室内や温室で管理してください。

⑥ 発芽後は密集部分を間引く

発芽後は元気な苗を選び、密集部分を間引きます。

マーガレットの種を採る方法

① 花が咲き終わるのを待つ

花びらが枯れ、中心部分が茶色く乾燥するまで待ちます。

この状態は種が成熟したサインです。

② 種を収穫する

茶色く乾いた花の中心部分を剪定ばさみで切り取ります。

種が飛び散らないよう、切り取る際は袋や容器で受け止めるといいでしょう。

③ 種を取り出す

花をほぐして、ピンセットなどを使用して細かい種を取り出します。

④ 種を乾燥させる

通気性の良い紙の上に種を広げ、直射日光を避けた風通しの良い場所で完全に乾燥させます。

⑤ 保存する

乾燥した種を密閉容器や封筒に入れ、冷暗所で保管しましょう。

採種日を記載すると管理が楽になります。

マーガレットの植え付け

マーガレット植え付けのポイントは以下の通りです。

それぞれ詳しく解説していきます。

苗の選び方

健康な苗を選ぶことが、マーガレットを元気に育てるポイントです。

鮮やかな緑色で厚みのある葉っぱを持ち、株元がぐらつかないものを選びましょう。

葉が黄色や縮れている苗、鉢底から根が出ている苗は避けてください。

つぼみがしっかりしている苗を選ぶと、植え付け後に長く花を楽しめます。

植え付けでおすすめの時期は3～6月、9～10月

3〜6月と9〜10月が植え付けに最適です。

湿気が少なく根が伸びやすい春と、気温が安定し定着しやすい秋に行うと、健康に育ちやすくなります。

植え付けのやり方

① 用土を準備する

水はけの良い土を用意します。

鉢植えの場合は、鉢底に軽石を敷いて水はけを確保してください。

地植えなら日当たりと風通しの良い場所を選び、土を軽く掘り返して空気を含ませます。

② 植え穴を掘る

根鉢より少し大きな穴を掘ります。

鉢植えの場合は、鉢の中央にスペースを確保しましょう。

③ 苗を配置して、土を入れる

根鉢が土より少し高くなるように苗を置くと、水はけが良くなります。

周囲の土を戻し、苗のまわりを押さえて安定させます。

土は強く押しすぎないように注意してください。

④ 水をたっぷり与える

苗を植えつけたら、たっぷりと水を与えましょう。

⑦ 日当たりと風通しのよい場所で管理する

日当たりと風通しの良い場所で管理します。

夏の強い直射日光や風が強い場所は避けてください。

植え替え｜頻度とやり方

植え替えは、根詰まりを防ぎ、健康な成長を促すために欠かせません。

1年に1回を目安に、3〜5月または9〜10月に行いましょう。

植え替えの手順は以下の通りです。

① 植え替え用の土と鉢を用意する

植え替え前より一回り大きな鉢に鉢底に軽石を敷き、水はけの良い土を少量入れます。

② 植え替える株を取り出す

鉢を軽く叩いて株を取り出します。

このとき、根鉢を傷つけないように注意してください。

③ 根を整える

古い根や詰まりすぎた根を軽くほぐし、傷んだ部分を切り取ります。

④ 新しい鉢に植え替える

植え替える株を鉢に入れ、土を入れて苗のまわりを抑えて安定させます。

根元が埋まりすぎないよう注意してください。

⑤ 水をたっぷり与える

鉢底から水が流れるまでたっぷり水を与え、土をなじませます。

⑥ 適切な環境で管理する

植え替え直後は明るい日陰で管理し、1週間後を目安に日当たりの良い場所に移動します。

マーガレットの開花時期

マーガレットは晩秋から春にかけて、長期間花を楽しむことができます。

開花時期は11～5月頃

マーガレットの開花時期は、11月から翌年の5月頃です。

開花期間が長いのが魅力で、ガーデニング植物として人気があります。

花の色や形は品種によって異なり、白やピンク、黄色など多彩なバリエーションを楽しめます。

マーガレットの花が咲かない原因は？

マーガレットの花が咲かない原因として、日光不足や栄養バランスの偏りが挙げられます。

日光不足

マーガレットは、光が不足するとつぼみの形成が抑えられます。

午前中に日が当たり、風通しの良い環境で管理すると開花しやすくなります。

栄養バランスの偏り

窒素が多い肥料を与えすぎると葉ばかりが茂り、花つきが悪くなります。

一方で、リン酸が不足するとつぼみが形成されません。

生育期には、リン酸を多く含む肥料をバランスよく与えましょう。

マーガレットの増やし方

マーガレットの増やし方には、挿し木（芽）と種まきがあります。

成長期に行うと発根しやすいので、初心者でも成功しやすいでしょう。

挿し木（芽）におすすめの時期は5月～6月、9月～10月

挿し木に適した時期は、気温が安定し植物の成長が活発な5〜6月と、暑さが和らぎ再び成長しやすくなる9〜10月です。

発根がスムーズに進みやすい時期のため、成功率が高まります。

挿し木（芽）のやり方｜土を使った挿し木の方法

① 挿し木用の枝を準備する

5〜10cm程度の健康な枝を選び、下葉を取り除いて発根しやすい状態に整えます。

② 用土を準備する

挿し木専用の培養土または水はけの良い赤玉土とパーライトの混合土を使用します。

鉢底には軽石を敷き土を9割ほど入れて、あらかじめ水で湿らせておきましょう。

③ 枝を挿す

割箸などで穴をあけ、枝を1〜2cmの深さまで土に挿し、軽く押さえて安定させます。

④ 水をたっぷり与える

挿し木後にたっぷり水を与え、鉢全体を湿らせます。

⑤ 明るい日陰で管理する

直射日光を避け、明るい日陰で適度な湿度を保つよう管理してください。

その後、2〜3週間程度で発根が始まります。

根がしっかりと伸びたら、日当たりの良い場所に移して成長を促しましょう。

挿し木（芽）のやり方｜水挿しの方法

① 清潔な容器を準備する

ガラスや透明な容器に、水を3〜5cm程度入れます。

② 枝を水に挿す

下葉を取り除いた枝を水に挿します。

このとき、葉が水に触れないよう注意してください。

③ 明るい場所で管理する

直射日光を避けた明るい場所で管理し、水は毎日交換してください。

④ 発根後したら植え付ける

根が1〜2cm程度伸びたら、鉢や庭に植え付けます。

株分けはできる？

マーガレットの株分けはおすすめできません。

マーガレットは根が繊細で傷つきやすく、株分け後は新しい環境への適応に時間がかかり、生育できない可能性があります。