多肉植物におすすめの土はどれ?自分で配合する場合は?

更新日 2025年07月28日

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

多肉植物に適した土選びの基本

多肉植物に適した土選びの基本

多肉植物を元気に育てるには、通気性と排水性、保水性に優れた土選びが大切です。

乾燥地帯や砂地に自生する植物なので、花や観葉植物用の土で育てると根腐れを起こしやすく、枯れてしまう原因にもなりかねません。

水分を溜める能力が高く、乾燥を好むことをふまえた土選びを心がけましょう。

多肉植物に適した土とは?

  • 排水性がある
    根腐れしやすいため、鉢の中に隙間ができるような水はけの良い土
  • 通気性に優れている
    たっぷり空気を含んだ土で、根が呼吸しやすい環境を作る
  • 保水性に優れている
    吸水性が良く水持ちの良い土を使うと水やり頻度が少なく、管理しやすい

肥料は育て方に合わせて入れる

土を自分で配合する場合は、植物をどのように育てたいかを考えて肥料を使いましょう。

肥料には、元から土に混ぜ込む元肥と、あとから与える追肥があります。

  • 「元肥」は早く育てたい・大きく育てたい・植物を増やしたい時に効果的
  • 「追肥」は色を綺麗に育てたい・徒長させずに育てたい時に効果的

早く大きく育てたい場合

多肉植物を早く大きく育てたい場合は、土に元肥を配合しておく方法がおすすめです。

成長のための三要素<窒素><リン酸><カリウム>がバランスよく配合された肥料を選びましょう。

  • 葉や茎を作る窒素
  • 開花を促進し、実付きを良くするリン酸
  • 茎や根を丈夫にするカリウム

色を美しく育てたい場合

多肉植物の色を美しく育てたい場合は、速効性肥料を使うと安心です。

植物を紅葉させるためには、株にストレスを与える必要があります。

しかし寒くなっても土に肥料が残っていると、植物は成長モードになるので、葉が緑色から変化しなくなってしまいます。

速効性肥料を使う場合でも、秋にはしっかり肥料が切れるように調節して使うと良いでしょう。

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多肉植物向けの基本用土と改良土

  • 基本用土:多肉植物を植えるベースとなる土のこと
  • 改良土:土壌改良目的で基本用土に混ぜて使う土のこと

数種類の土をブレンドすることで、足りない要素を補い合い、植物にとってより良い環境を作ることができます。

基本用土

多肉植物を育てる基本用土には、赤玉土か鹿沼土がおすすめです。

種類特徴酸度(pH)排水性通気性保水性
赤玉土バランスが良い弱酸性
鹿沼土軽い酸性

赤玉土を使う場合は、排水性を助ける改良土(軽石や腐葉土など)を混ぜて使います。

鹿沼土は軽いので、ハンギングなど鉢の軽さを出したい場合におすすめです。

改良土

欲しい効果に合わせて、素材を選びます。

多肉植物に適した改良土の特徴と効果は以下の通りです。

改良土特徴効果
腐葉土肥料水はけ、水持ちアップ
軽石石なので年数が経っても崩れない水はけ、通気性アップ
バークたい肥樹木由来の肥料病害虫予防
ピートモス(酸性)コケ由来の改良土水持ち、肥料持ちアップ
パーライト(中性)鉱物由来の改良土通気性、保水性アップ
くん炭pH調整におすすめ
(多肉植物が好むpHは中性)
土を中性に整える

粒の硬さとサイズの選び方

土の中には、粒のサイズや硬さに種類がある素材(硬質赤玉土、バーミュライト小粒など)があります。

育てる多肉植物の大きさに合わせて、粒のサイズを選びましょう。

  • 年数が経っても崩れにくい、硬質の素材がおすすめ
  • 粒子が細かいほど、水はけが悪くなるので、植物の大きさに合わせて選ぶ
  • 粒のサイズを揃えることで空間が生まれ、水はけの良さを保つことができる

粒のサイズの選び方の目安

3号以下細粒(土の量が少ないので水持ちを良くするため)
4~5号 小粒
5号以上 中粒

多肉植物におすすめの土

多肉植物におすすめの土
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① 花ごころ「さぼてん多肉植物の土」

容量細粒:2L、5L 中粒:10L
原料の土・配合パーライト、軽石、赤玉土、鹿沼土、ゼオライト、バーミュライト、ココナッツファイバーなど
メリット根が傷みづらく、根腐れしづらい
デメリット水がしみこみづらい
おすすめの用途、植物完成株の多肉植物、サボテン
細粒:小型の多肉植物、サボテン
中粒:中型~大型の多肉植物、サボテン(シャコバサボテン含む)

軽石をベースに作られた、肥料入りの土です。

水の腐敗を防止するゼオライトを配合しているので根を傷めず、根腐れしにくいという特徴があります。

粒は小さめなので、小型〜中型サイズの植物に最適です。

ただし土に水がしみこみづらいので、根腐れしやすい品種を植え込む場合はバーミュライトやパーライトを混ぜて使用すると良いでしょう。

根腐れしやすい品種例

② 花ごころ「多肉植物&ミニ観葉の土」

容量0.5L、1L
原料の土・配合赤玉土、鹿沼土、パーライト、ゼオライトなど
メリット少量で販売している
デメリット土が乾きづらい
おすすめの用途、植物他の植物との寄せ植えに
粒が小さいので種まき用として
0.5Lサイズは3~4号サイズ、1鉢程度の植え替えに

小さな多肉植物の植え替えに使いやすい、少量サイズの土です。

元肥入りで元気に育ち、粒が小さいので種まき用の用土としても活用できます。

ただし軽い素材が多く、土が浮きやすいのがデメリットです。

また多肉植物用の土にしては、土が乾きづらいという特徴もあります。

軽石を混ぜて水はけを良くしたり、土の上に化粧石を敷いて土の風化を防止しましょう。

③ プロトリーフ「室内向け観葉・多肉の土」

容量0.5L、3.5L、8.4L
原料の土・配合鹿沼土、パーライト、赤玉土、速効性化成肥料、緩効性化成肥料など
メリット水はけが非常に良い
デメリット微塵が多い
おすすめの用途、植物室内で育てる場合
蒸れづらいので、室内での夏越しに
根腐れを繰り返す多肉植物、サボテン

たい肥を使っていないので室内でも安心して使える土です。

水はけが非常に良く、濡れると色が変化するので水やりのタイミングを逃しません。

ただし粒は大きめで、中型以上の多肉植物に向いています。

また微塵が多いので、そのまま使うとやや根張りしづらいです。

より空気を含みやすい土にするために、ふるいにかけてから使用すると良いでしょう。

④ プロトリーフ「粒状かる~い培養土」

容量5L、12L
原料の土・配合パーライト、鹿沼土、赤玉土、軽石、速効性化成肥料、緩効性化成肥料など
メリット軽いのでハンギングに最適
デメリット小まめな水やりが必要
おすすめの用途、植物室内で育てる場合
大きめのサイズの多肉植物、サボテン

他の土に比べて軽いので、ハンギンググリーンに最適な土です。

有機質の肥料は不使用ですが、ココヤシピートやもみ殻たい肥を配合しているので、そのまま使用できます。

水はけは非常に良いですが、保水力には欠けるので、乾燥しやすい環境では小まめな水やりが必要です。

粒はやや大きめなので、中鉢以上の植物に向いている土と言えるでしょう。

⑤ エリオクエスト「賢者の土」

容量2.5L、6L
原料の土・配合高級硬質赤玉、腐葉土、その他
メリット微塵をしっかり取り除いているので排水性が高く根張りが良い
デメリット原材料の詳細の記載がないので、育てながら追肥などの調整が必要
おすすめの用途、植物多肉植物、球根植物
根腐れを繰り返す多肉植物、サボテン

製造工程で微塵をしっかりと取り除いているので、排水性が高く、根張りの良い土です。

また高級硬質赤玉を使用しているので粒が崩れにくく、2年程度経っても通気性を保つことができます。

品質にこだわっている分、他の土に比べると価格が高めにも関わらず、リピーターの多い土です。

腐葉土入りでそのまま使用できますが、保水性に欠けるのでピートモスやパーライトを混ぜて使うと良いでしょう。

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⑥ 刀川平和農園「サボテン・多肉植物の培養土」

容量10L
原料の土・配合焼成赤玉土、焼成鹿沼土、軽石、木炭、ゼオライトなど
メリット土が硬めで崩れづらく、微塵も少ない
デメリット肥料は入っていないので、改良土か追肥が必要
おすすめの植物室内栽培の多肉植物、サボテン

土が硬めなので崩れづらく、大容量でコスパの良い土です。

清潔で病害虫もわきづらくなっていますが、肥料は配合されていないので必要に応じて元肥を混ぜるか追肥を使うと良いでしょう。

土が軽めなので風化防止のため、化粧石を敷いての使用をおすすめします。

多肉植物に適した配合は?

多肉植物に適した配合は?

同じ多肉植物用の土でも、どう育てていきたいかで素材の配合は変わります。

たとえば大きく育てたい場合は元肥を配合したり、水やり頻度を減らしたい場合は保水性を高める素材を配合したりして調整しましょう。

また、室内で育てる場合の注意点は、以下の通りです。

  • 屋外に比べて風通しが悪くなりがちなので、より水はけの良い配合をする
  • 底に穴が空いていない鉢を使う場合根腐れしやすいので、乾きやすい土を選ぶ

多肉植物全般に適した配合

多肉植物全般に適した配合
  • 基本用土:赤玉土か鹿沼土
  • 改良土:腐葉土、軽石、くん炭、ピートモスなど

赤玉土か鹿沼土をベースに、軽石で水はけの良さを高めた配合が基本です。

配合例

  • 赤玉土4:軽石4:腐葉土1:くん炭1
    どんな多肉植物にも使える基本の配合
  • 赤玉土3:鹿沼土3:腐葉土4
    大きく成長させたいときにおすすめ
  • 鹿沼土3:腐葉土3:腐葉土2:ピートモス1:くん炭1
    軽くなるのでハンギングにおすすめ、ピートモスを混ぜることで保水性を上げ、水やり頻度も減らせる

サボテンに適した配合

サボテンに適した配合
  • 多肉植物全般の土よりもさらに排水性を高めた配合がおすすめ
  • 鉢底に軽石や鉢底石を敷くと排水性が高まり◎

多肉植物とサボテンの大きな違いは、夏の水やり頻度です。

サボテンは夏の成長期に多肉植物よりたくさんの水が必要になるので、蒸れを防ぐためより排水性を高めた素材を配合しましょう。

配合例

  • 軽石10:鹿沼土5:赤玉土5:バークたい肥5:パーライト2
    排水性を高めて、夏の根腐れを防止
  • 赤玉土4:鹿沼土2:軽石2:腐葉土2
    肥料入りで花を咲かせるサボテン(シャコバサボテン・月下美人など)におすすめの配合

葉挿し・種まきに適した配合

葉挿し・種まきに適した配合
  • 基本用土 赤玉土か鹿沼土
  • 改良土 軽石、パーライト
  • 表面に発芽用の細粒の赤玉土やバーミキュライトを薄く敷く
  • 肥料は不要

種子が隠れたり、鉢底に流れてしまったりするのを防ぐために、表面に細粒の土を敷いて準備します。

また発芽に肥料は必要ありません。

肥料が多いと根腐れを起こしたり、徒長する原因になります。

発芽までの期間、カビや虫などの発生を防ぐため、鉢や土を熱湯消毒してから使用しましょう。

配合例

  • 軽石10:赤玉土7:鹿沼土3 上から薄く細粒の赤玉土かバーミキュライトを敷く
    発芽したあともそのまま管理できる基本的な配合
  • 赤玉土1:バーミキュライト1:ピートモス1 上から薄く細粒の赤玉土かバーミキュライト敷く
    清潔な土壌を作れる配合

寄せ植えに適した配合

寄せ植えに適した配合
  • 夏型の多肉植物の寄せ植え⇒サボテンとおなじ配合がおすすめ
  • 冬型の多肉植物の寄せ植え⇒多肉植物全般に適した配合がおすすめ
  • 寄せ植え専用の土を使うと苗をしっかり固定できる(水を含むと粘りが出て苗を固定する)

寄せ植え用の土を作る場合も、多肉植物全般に適した配合で問題ありません。

ただし同じ多肉植物でも、夏型と冬型によって成長期が異なります。

夏型の多肉植物を寄せ植えする場合は、サボテン同様、夏の蒸れを防ぐため、より通気性を高めた配合を意識すると良いでしょう。

多肉植物の夏型と冬型

  • 夏型 春~秋が成長期、冬は休眠期
    アガベカランコエ、セダム、チランジアなど
  • 冬型 秋、冬、春が成長期、夏は休眠期
    アエオニウム、リトープス、ユーフォルビアなど

多肉植物の土に関するよくある質問

多肉植物の土に関するよくある質問

同じ多肉植物でも、品種や育てる環境、育て方によって選ぶ土は変わります。

植え替え後も植物の状態をよく観察し、よりよい環境づくりを心がけましょう。

最後に、多肉植物の土に関するよくある質問をまとめました。

虫がわかない土はある?

虫の発生を防ぐには鉱山や火山を原料とした無機質用土を使いましょう。

肥料も元肥として土に混ぜ込むのではなく、あとから液肥や化成肥料を使う方が清潔な状態で土を保つことできます。

虫がわきづらい土

  • 赤玉土
  • 鹿沼土
  • 軽石
  • パーライトなど

ダイソー・100均の土は使っていい?

ダイソーなどの100均で販売されている土も、多肉植物の栽培に使用することができます。

ただし使うときは、以下の点に気を付けましょう。

  • 観葉植物用の土を使う場合は、改良土を混ぜ、水はけを良くして使用する
  • 品質が低い土は崩れやすい場合もあるので、1~2年を目安に植え替える

また安価な土でも、使用する前にフルイにかけ、微塵を取り除くことで通気性を良くする効果が期待できます。

適した土に植え替えて多肉植物を元気に育てよう!

多肉植物を元気に育てるためには、土選びが大切です。

一般的な観葉植物とは違い、水分を溜めておく能力が高いことをふまえ、水はけの良い土づくりを心がけましょう。

育てながら土の配合を調整して、成長の変化を観察してみるのも自分で土を作る楽しみです。

お気に入りの多肉植物を育てる際は、ぜひこの記事を参考にして、元気な姿を長く楽しんでください。

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