ヒマワリの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
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目次
ヒマワリの基本情報
植物名 | ヒマワリ |
学名 | Helianthus annuus |
和名 | ヒマワリ(向日葵) |
英名 | Sunflower |
別名 | コウジツキ(向日葵)、ニチリンソウ(日輪草)、ヒマワリソウ(日回り草)、ヒグルマソウ(日車草) |
原産地 | アメリカ北西部 |
科名 | キク科 |
属名 | ヒマワリ属 |
夏の花の代表とも言えるヒマワリは、太陽のように明るく咲く、黄色の大きな花が魅力です。
最近では品種改良も進み、ダークカラーや白など黄色以外の色もあります。
また、草丈3mを超えるものから30cmくらいの小輪のものなど大きさもさまざまで、植えるスペースに合った品種を選べます。
暑さと乾燥に強く、育て方も難しくないので、初心者でも簡単に育てられます。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け
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肥料
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開花
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種の収穫
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種類と品種
ヒマワリは100種類以上あると言われていて、花の大きさや背の高さ、咲き方で分類するのが一般的です。
背の高さは、巨大輪(草丈2m以上)、高性(草丈1.2~2m)、矮性(草丈30~70cm)、極矮性(草丈25cm以下)に分類されます。
咲き方は、1本の茎に1輪のみが咲く「1本立ち」と、枝分かれして複数の花が咲く「分岐」の2種類です。
ここでは、分類ごとの特徴や主な品種を紹介します。
分類 | 特徴・主な品種 |
巨大輪 | 草丈が3mになる品種もあり、花径が20cmを超える 1本の茎に1輪の大輪の花を咲かせる 「ロシア」「タイタン」など |
高性/1本立ち | 背がよく伸び、1本の茎に1輪の花を咲かせる 「ビンセント」シリーズ、「サンリッチ」シリーズなど |
高性/分岐 | 背がよく伸び、枝分かれしてたくさん花が咲く 「モネのひまわり」「サンフィニティー」など |
矮性/1本立ち | コンパクトなひまわりで、花壇でもプランターでも育てやすい 「ミスサンシャイン」「ビッグスマイル」など |
矮性/分岐 | コンパクトなサイズで、枝分かれして咲く 「スマイルラッシュ」「サンビリーバブル」など |
極矮性/分岐 | 草丈25cm以下のミニサイズのひまわり 鉢植えで育てやすく手軽に栽培できる 「小夏」「グッドスマイル」など |
ヒマワリはどんな花が咲く?
ヒマワリは、小さな花が密集した中心部の筒状花に、ひらひらした花びらが周りを囲む舌状花で構成されています。
ヒマワリと言えば、1本の長い茎に1輪の花が咲く一輪咲きが定番です。
しかし、最近では品種改良が進み、枝分かれして複数の花を咲かせる枝咲きも一般的になっています。
また、舌状花が一枚ずつ並んで咲く一重咲きと、細い花びらが幾重にも重なって咲く八重咲きもあるなど、種類がとても豊富です。
ヒマワリの葉っぱの形
ヒマワリの葉っぱは長さが15~30cmくらいあり、ハートの形で先端が尖っていて、縁がギザギザしているのが特徴です。
茎に互い違いに葉柄を伸ばし、その先に1枚の葉をつけます。
ヒマワリの花言葉
ヒマワリの花言葉は「あなただけを見つめる」「憧れ」「愛慕」「崇拝」などです。
ヒマワリの育て方
ヒマワリの元気で立派な花をしっかり咲かせるためには、花が咲くまでの管理が大切です。
- ヒマワリは一年草なので、春の4~6月に種まきをするか、市販の苗を植え付ける
- 植えるときに元肥を与え、花が咲き始めるまで定期的に肥料を与える
- 直射日光がしっかり当たる、日当たりと風通しのよい場所で育てる
- 水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと、夏場は毎日行う
- 背が高くなると倒れやすいので、支柱で支える
ヒマワリの性質に合った適切な管理をすると、夏に鮮やかで明るい花を楽しませてくれます。
水やりの頻度
ヒマワリは水をたっぷり必要とする植物なので、土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。
夏場は土の乾燥を防ぐために、毎日しっかりと水やりをするのが大切です。
特に真夏は、日中に水やりをすると土の中の水が蒸発して根を傷めてしまうため、朝夕の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
地植えのヒマワリは暑さや多少の乾燥にも強いので、生育初期は土が乾燥しないように水やりを行い、その後は降雨まかせで問題ありません。
あまりに晴れの日が続き葉が黄色くなってくるようなら、水やりを行うとよいでしょう。
肥料のあげ方
ヒマワリを苗から植えるときは、元肥として緩効性肥料を加えましょう。
種から育てる場合は、発芽して本葉がでた後から肥料を与え始めます。
育成中の肥料は、花を咲かせる8月ごろまで、液体肥料を7~10日に1回のペースで与えましょう。
ヒマワリは養分の吸収率がよい植物なので、肥料が多すぎると徒長ぎみになったり、肥料焼けで枯れたりしてしまいます。
肥料の与えすぎには注意して、適切な管理を行いましょう。
病害虫・害虫対策
ヒマワリは生育旺盛ですが、病害虫にもかかりやすい花です。
特に雨が長く続く時期には薬剤を散布するなどして予防しましょう。
ベト病
- 菌が葉の気孔から侵入する
- カビが広がり枯れる
梅雨時期や、雨で湿度が高いときにかかりやすい病気です。
風通しのよい場所に置いて予防し、見つけたら傷んだ葉を取り除き、薬剤を散布して対策をしましょう。
褐斑病
- 葉先に褐色の斑点ができる
- 徐々に拡大して黄化する
カビの一種で、葉に褐色の斑点ができ、症状が進むと落葉してしまいます。
風通しのよい場所に置いて予防し、見つけたら傷んだ葉を取り除き、薬剤を散布して広がらないようにしてください。
種まきと植え方
ヒマワリは、発芽してから開花するまでに2~3か月かかるので、4~6月ごろに種まきをすると、丁度真夏の8月ごろに満開を迎えます。
植え替え時に根が傷みやすく移植を嫌うので、咲かせたい場所や鉢に直接種をまきましょう。
種まきの手順
- 鉢を用意する
- ヒマワリの種を植える
- 水やりをする
- 発芽後に間引きをする
- 液肥を与える
- (ポットで育てている場合)植え替える
① 鉢を用意する
ヒマワリは長く根っこを張る植物なので、地植えの場合は30~40cmくらい掘り、鉢も高さのある大きめの鉢を用意しましょう。
② ヒマワリの種を植える
培養土を用意し、間隔を空けて1cmくらいの穴を開け、種を2粒~3粒入れます。
ミニや矮性種は10~15cm、高性種は20~30cm、巨大輪は50cmくらい、高さに応じて広めに間隔を空けると、成長したときに葉が混み合って蒸れやすくなるのを防ぐことが可能です。
ヒマワリの種は嫌光性なので、植えたあとはしっかり土で覆いましょう。
③ 水やりをする
まいた種が動かないように、ジョウロで優しくたっぷり水を与えます。
発芽までは半日陰に置き、土が乾かないように毎日水やりを行いましょう。
④ 発芽後に間引きをする
発芽したら日なたで管理し、双葉が完全に開いたら間引きをします。
元気のよい苗を1本残して、ほかの苗は間引きましょう。
間引くときは、残したい苗が一緒に抜けないように、手で押さえながらゆっくり抜くのがポイントです。
⑤ 液肥を与える
本葉が出たら、成長促進のために液肥を与えましょう。
⑥ (ポットで育てている場合)植え替える
ポットで育てている場合は、本葉が5~6枚になるころまでに植え替えましょう。
鉢に植え替えるときは、根鉢を崩さないように優しく扱うのがポイントです。
支柱の立て方
茎が伸びてきたら、ヒマワリが折れたり倒れたりしないように、支柱を土に深く挿して立てましょう。
ヒマワリは花首が重いので、最終的には花首の下まで支柱で支えられると安心です。
支柱と茎を8の字に結びますが、あまりきつく結ぶと茎がつぶれてしまうので、多少ゆとりを持たせるとよいでしょう。
丸い鉢に何本かヒマワリを植えた場合は、輪のついた行灯仕立ての支柱が支えやすく便利です。
ヒマワリの栽培環境
ヒマワリの理想的な栽培環境は、風通しがよく直射日光がしっかり当たる場所です。
日当たりや風通しが悪いと、病気になったり花が十分育たなかったりするので注意しましょう。
適切な栽培環境を整えると、ヒマワリは立派な花をきれいに咲かせてくれます。
置き場所と日当たり
ヒマワリの置き場所は、屋外で直射日光がしっかり当たる風通しのよい場所を選びましょう。
ヒマワリは、直射日光をしっかり浴びると草丈が伸び、大きな花を咲かせてくれます。
そのため、朝から昼過ぎまで、しっかり日光が当たる場所が最適です。
一方で過湿に弱い性質もあるため、梅雨時期や雨が多いときは鉢を軒下に避難させましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さ・暑さまで耐えられる?
季節 | 夏 | 冬 |
適温 | 25℃~35℃ | 20℃~25℃ |
ヒマワリは暑い時期に咲く花なので、夏の25~35℃が適温です。
一年草なので、越冬せずに花が終わると枯死します。
冬の寒さへの耐性がないヒマワリですが、20~25℃を保てる温室や室内での栽培であれば可能です。
室内栽培に適した品種を選び、十分な光と温度で環境管理を行えば、冬でもヒマワリを咲かせられます。
用土
ヒマワリを植え付けるときは、有機性に富んだ水はけのよい土が最適です。
市販の花や野菜におすすめの培養土を、そのまま使っても問題ありません。
赤玉土を2~3割くらい混ぜると、通気性や排水性、保肥力に効果を発揮します。
地植えするときは、堆肥や腐葉土を土壌に混ぜて深さ40㎝くらいまでしっかり耕し、ふかふかの土にして種まきや植え付けを行いましょう。
ヒマワリの種まき
ヒマワリは、種から簡単に育てられる花です。
市販の種を購入するだけでなく、育てているヒマワリから採った種を翌年に使うことも可能です。
種まきにおすすめの時期は4〜6月
ヒマワリの発芽に適した温度は20~30℃なので、種まきは4月から6月がおすすめの時期です。
ただし地域によって気温差があるので、実際の気温を確認して適温の時期を狙ってください。
ヒマワリを種から育てると大変?
ヒマワリは、発芽率が高いので種から簡単に育てられます。
移植を嫌うので、地植えにするときは植え替えせずにすむように、育てる場所を決めてから行いましょう。
鉢植えにする場合も、最初から育てたい鉢に種まきをすると、植え替えせずに育てられます。
種を取るも簡単なので、最初は苗から育て、翌年は種から育てるのもおすすめです。
ヒマワリの開花時期
ヒマワリは、開花時期になると立派な花を咲かせます。
暑さや乾燥に強い花なので、真夏でも花壇を鮮やかに彩ってくれるでしょう。
開花時期は7~9月
ヒマワリは、暑い時期に鮮やかな黄色の花を楽しめるのが魅力で、開花時期は暑くなる7~9月にかけてです。
地植えで楽しむだけでなく、小さめのヒマワリであれば、鉢植えやプランターでも育てられます。
ヒマワリの花が咲かない原因は?
ヒマワリの花が咲かない原因は、次の3つが考えられます。
- 肥料が多すぎる
- 日当たりが悪い
- 夜間も光が当たっている
ヒマワリの原産地は、日当たりがよく乾燥した地域です。
栄養が乏しくやせた土でも育つ丈夫な植物なので、肥料を与えすぎると肥料焼けにより生育不良を起こしてしまいます。
また、日当たりが悪いと、花付きが悪かったり咲いても小さかったりするため、育てる場所は、しっかり日光が当たるところを選びましょう。
一方で、ヒマワリは日光の当たる時間が短くなってくると花芽をつくるという短日性の性質があります。
玄関先などの夜間もライトに照らされるような場所は避けましょう。
ヒマワリの花をきれいに咲かせるためには、性質に合わせた適切な管理方法が大切です。
ヒマワリの増やし方
ヒマワリは、一輪からだけでも多くの種が採れます。
ヒマワリを増やすときは、咲いた花を切らずに残し、採った種を翌年に蒔いて育てましょう。
ヒマワリは種から増やせる
ヒマワリは、咲いた花から種を採って増やすことができます。
種ができるのは、中心の筒状花の部分です。
開花してから1~2か月くらいで種が作られるので、収穫時期は8~10月頃になります。
種の収穫手順
種を収穫する手順は、次のとおりです。
- 種が収穫できるまで待つ
- 花首を切り取る
- 数日間陰干しする
- 採種する
- 冷暗所で保管する
① 種が収穫できるまで待つ
周りの花びらが散り、茎全体が乾燥して茶色くなるまで待ちます。
十分に熟す期間を取らないと、充実した種は採れません。
② 花首を切り取る
花びらが散り終わったからといってすぐに花首を切らずに、しっかり変色し首が垂れてくるまで待ちましょう。
茎が折れ曲がってきたら、花首を切り取ります。
切った花首が湿っているとカビが生えてしまうため、雨の日や雨の翌日の作業は避け、数日前から晴れが続いている日を選びます。
③ 陰干しする
花首を風通しのよい場所で数日間陰干しします。
④ 採種する
しっかり乾燥したのを確認してから、指やへらなどで種を取っていきます。
⑤ 冷暗所で保管する
採取した種は封筒などに入れ、カビないように冷暗所で保管しましょう。