コスモスの育て方

更新日 2025年02月04日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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コスモスの基本情報

コスモスの基本情報
植物名コスモス
学名Cosmos bipinnatus
和名秋桜(あきざくら)
英名Cosmos
別名大春車菊(オオハルシャギク)
原産地メキシコ
科名キク科
属名コスモス属

コスモスは、日本の秋を代表する花のひとつです。

長く伸びた茎の先端に、桜に似た白や桃色、紅色などの可憐な花を咲かせます。

景観用にコスモスを群生させているところも多く、秋の風物詩としても人気です。

また、最近では、早まきの品種が主流になり、夏からコスモスを楽しむことができます。

一年草ですが、種を採取して植えれば毎年花を咲かせることができます。

管理は難しくないので、コスモスの特性や注意点をしっかり理解して育てましょう。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け

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肥料

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種類と品種

コスモスの品種は20種類ほどあり、花の色やサイズ、早咲き遅咲きなどの違いがあります。

また、日照時間が短くなることで花を咲かせる「短日植物」ですが、早咲きの品種は日の長さに関係なく咲かせることが可能です。

人気の品種をいくつか紹介します。

センセーション

センセーション

花色は赤色、桃色、白色のほか複色もあり、花茎約8~10㎝です。

早咲きの定番品種で、広い範囲の景観用として人気があります。

ピコティ

ピコティ

花色は桃色や白の複色で、濃い色の縁取りや絞りが入っているのが特徴です。

花径は7cmくらいの早咲き品種になります。

ベルサイユ

ベルサイユ

花色は赤色、桃色、白色などで、花茎約8cmの早咲き品種です。

茎が太くしっかりしています。

ソナタ

ソナタ

花色は濃い赤紫色、桃色、白色で、花茎約7cmです。

背丈が低い矮性種で、鉢植えで育てやすいのが特徴です。

シーシェル

シーシェル

花色は赤色、桃色、白色で、花茎約7cmの早咲き品種です。

花びらが一枚一枚筒状に丸まっている形をしています。

ダブルクリック

ダブルクリック

花色は赤色、濃い桃色、白色で、花茎約6cmの早咲き品種です。

花びらが筒状の半八重や八重咲きで、ボリュームがあります。

キャンパスイエロー

キャンパスイエロー

花色は淡黄色で、花茎6~7cmの遅咲き品種です。

ほかに、ピンクとオレンジをぼかしたようなキャンパスオレンジもあります。

なお、コスモスと名のつくものに、キバナコスモスやチョコレートコスモス、ウィンターコスモスがありますが、これらは同じコスモス属の別品種になります。

コスモスはどんな花が咲く?

コスモスはどんな花が咲く?

コスモスは、ひらひらと風に揺れる繊細な花びらが特徴です。

花の形が桜に似ていることから、「秋桜(あきざくら)」という和名を持っています。

咲き方は一重咲きが一般的ですが、品種改良により八重咲きや花びらが筒状になったストロー咲きが登場しました。

花の色は赤、桃、白、黄、橙などで、単色だけでなく縁取りや絞りの入った複色もあります。

一輪ごとに色の濃淡、縁取りや絞りの入り方が異なるのも、野に咲く草花らしいコスモスの魅力です。

ほとんど匂いはしませんが、菊に似た清涼感のある香りがかすかに感じられます。

コスモスの葉っぱの形

コスモスの葉っぱの形

コスモスの葉っぱは、中心の茎から左右対称に枝を伸ばし、糸状の細い葉をつけます。

しなだれているようにも見え、ふわふわと風に揺れるような繊細さが特徴です。

コスモスの花言葉

コスモスの花言葉には「乙女の純真」「調和」「謙虚」などがあります。

コスモスの育て方

コスモスを適切に育てることで、夏から秋にかけて長く花を楽しむことが可能です。

水のやりすぎや肥料過多は、株が弱り病害虫の被害に遭いやすくなります。

また、よく伸びる植物なので、摘心や切り戻しで適度な大きさを保つことも大切です。

水やりの頻度

鉢植えのコスモスは、の表面が乾いたら水をたっぷり与えましょう。

地植えの場合は、雨水がかかる場所なら降雨に任せてかまいません。

が湿った状態が続くと、根腐れしてしまうので注意しましょう。

肥料のあげ方

コスモスは、それほど肥料を必要としない植物です。

地植えの場合は、植えるときの元肥のみで大丈夫です。

鉢植えで育てる時は、リン酸が多めの肥料を適宜与えると、花が咲きやすくなります。

肥料を与えすぎると草丈が伸びすぎてしまうので注意してください。

病害虫・害虫対策

コスモスをきれいに咲かせるためには、病害虫の被害を防ぐことが大切です。

ここでは、主な病害虫と対策を紹介します。

アブラムシ

  • 植物の新芽を好み、葉の裏や茎に寄生する
  • 汁液を吸い、株を弱らせる

アブラムシが発生したら、粘着テープや歯ブラシなどで取り除くか、害虫駆除用のスプレー剤やにまく粒状の殺虫剤で駆除しましょう。

窒素に含まれるアミノ酸を好むので、肥料のやりすぎが発生原因のひとつです。

カイガラムシ

  • 貝殻のような白いブツブツ状の害虫
  • 葉や茎に寄生して汁液を吸い、株を弱らせる

風通しと日当たりがよい場所で育てることで、発生を予防しましょう。

カイガラムシを見つけたら、柔らかい歯ブラシなどでこそぎ落とすか、スプレー剤や粒状の殺虫剤で駆除します。

ヨトウムシ

  • 昼は地中に潜み、夜になると出てくる
  • 葉や茎を食害する

普段からコスモスの葉や裏側をよく観察し、見つけたら取り除くか殺虫剤で駆除しましょう。

木酢液の散布や草木を燃やした草木灰をに撒くことで、予防できます。

うどんこ病

  • 葉や茎に粉状の白いカビが発生する
  • 茎や葉がねじれて萎縮し、葉が黄化して枯れる

日当たりと風通しがよい場所で育てることで予防できます。

発生したら感染部分はちぎって廃棄し、薬剤で殺菌しましょう。

立枯病

  • カビにより、茎の地際に褐色の病斑が出る
  • 葉が黄色くなってしおれたり、根が腐ったりして枯れる

日当たりと風通しがよい場所で育てることで予防できます。

発生したら株を根の周りのごと処分し、薬剤で殺菌する。

そうか病

  • カビにより、茎に黄褐色の病斑が出る
  • 全体に広がり枯死する

日当たりと風通しがよい場所で育てることで予防できます。

発生したら症状がある部分を排除し、薬剤で防除する

摘心|タイミングとやり方

コスモスの摘心は、本葉が7~8枚つくまで成長したら、先端の芽をハサミで摘み取ります。

摘心によって背丈を抑えるだけでなく、分岐してそれぞれの先端に花を咲かせるため、花数の多い株にすることが可能です。

花芽がつく前まで行うことができるので、夏に咲く早咲き品種は7月頃、秋に咲く遅咲き品種は9月頃までを目安としましょう。

切り戻し・花がら摘み|タイミングとやり方

コスモスは、放っておくとぐんぐん伸びて、倒れやすくなります。

花芽をつけるまで、ちょうどよい背丈を維持できるように、適時切り戻しを行いましょう。

枝分かれした根元で切り戻すと、そこから分岐してさらに花数を増やせます。

さらに、傷んだ茎や混み合った葉を取り除くことで、病気や蒸れを防ぐことができます。

また、花の咲き終わりには、花柄摘みとともに切り戻しを行うことも大切です。

花柄だけでなく茎から剪定することで、これから咲く花に栄養が行きやすくなります。

支柱立て|タイミングとやり方

コスモスの茎は細く折れやすいため、支柱で支えることが大切です。

背丈が50㎝以上になったら、支柱を立てるとよいでしょう。

群生させたコスモスには、リングの付いた支柱を使用すると、一度に固定できて便利です。

柔らかい茎が潰れないように、ゆるめにビニタイなどで固定しましょう。

コスモスの栽培環境

コスモスは、日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所を好みます。

夏の暑さには強いですが、冬には枯れる一年草です。

ここでは、コスモスに適した栽培環境について詳しく解説します。

置き場所・日当たり

コスモスの置き場所は、日当たりと風通しがよいところを選びましょう。

日当たりが悪いとヒョロヒョロに徒長してしまうので、長く日が当たる東や南向きの場所がおすすめです。

また、風通しが悪く蒸れやすい場所は、病気や根腐れを起こしてしまうので注意してください。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

季節
適温25~30℃15~20℃

コスモスの適温は、夏は25~30℃、冬は15~20℃です。

寒さに弱いため、基本的に冬越しはできません。

用土

コスモスに適した用土は、水はけのよいです。

地植えする場合は、壌に腐葉や川砂、パーライトを混ぜると、水はけや通気性がよくなります。

鉢植えにする時は、市販の草花用の培養に元肥を混ぜたものでかまいません。

鉢底に鉢底石を敷き、水はけをよくしましょう。

コスモスの種まき

コスモスは、種から育てることが可能です。

適切なタイミングとやり方で種まきを行えば、コスモスのきれいな花を楽しめるでしょう。

コスモスを種から育てると大変?

コスモスは、初心者でも簡単に種から育てることができます

日当たりと風通しのよい場所に植えれば、あまり壌を選ばずに育ってくれるからです。

また、こぼれ種から、芽が出ることもあります。

早咲きと遅咲き品種では植えるタイミングが異なるので、それぞれに合った時期に種まきを行いましょう。

種まきにおすすめの時期は4~8月頃

コスモスの種まきは、4~8月頃がおすすめです。

種まきから花が咲くまでは約3ヶ月かかるため、早咲き品種は4~6月に種まきを行うと、7~9月に花を咲かせてくれます。

一方で、日照時間が短くならないと花を咲かせない遅咲き品種は7~8月に種まきを行うと、10~11月に開花時期を迎えます。

種まきのやり方

コスモスの種まき方法は、地植えも鉢植えも同じで、次の手順で行います。

  1. 種まき用のを用意する
  2. に種をまくための穴をあける
  3. 穴に種を入れてを被せる
  4. 水やりをして、発芽まで管理する

① 種まき用の土を用意する

鉢やプランターに鉢底ネットと底石を敷き、8割程度の高さまでを入れます。

まいた種が動かないよう、あらかじめを湿らせておきましょう。

② 土に種をまくための穴をあける

に種をまくための穴をあけていきます。

深さは1cmくらい、間隔は20cmを目安にしてください。

③ 穴に種を入れて土を被せる

穴に種を2~3粒ずつ入れ、上からを薄く被せます。

④ 水やりをして、発芽まで管理する

種をまいたら、水やりをします。

発芽まではが乾かないように管理し、湿った環境を保ちましょう。

コスモスの種を採る方法

種を採種するときは、花がしおれても花柄摘みをせずに、枯れるまで待ちましょう。

花が枯れ、花首部分が茶色くなったら、次の手順で採種しましょう。

  1. 花首を切り落とす
  2. 殻から種を出す
  3. 数日間、乾燥させる
  4. 密閉容器で保管する

① 花首を切り落とす

コスモスの花首を、茎の部分から切り落とします。

コスモスの種は自然に落ちてしまうので、殻に入っているうちに採種しましょう。

湿度の高い日に採種すると種が腐りやすいため、数日前から晴れが続いている乾燥した日に行うのが適切です。

② 殻から種を出す

花首から殻を外し、優しくほぐしながら種を取り出しましょう。

③ 数日間、乾燥させる

取り出した種は風通しのよい日陰に数日間置き、乾燥させます。

④ 密閉容器で保管する

しっかり乾燥させたら、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて、種まきの時期まで保管してください。

コスモスの植え付け

コスモスの苗は、4月頃から出回ります。

よい株を選び、適切に植えることが大切です。

苗の選び方

コスモスの苗は、茎がしっかりしていて徒長していないものを選びましょう。

葉が色あせたり枯れたりしていないか、株元までしっかり確認することも大切です。

植え付けでおすすめの時期は4~9月頃

コスモスの苗の植え付けは、4~9月頃がおすすめの時期です。

購入した苗はなるべく早く植え付けを行い、環境を整えてあげましょう。

苗の植え方

  1. 植え付け用のを用意する
  2. 苗を穴に入れる
  3. を被せて水を与える

① 植え付け用の土を用意する

地植えする場合は、深めに穴を掘ります。

鉢植えやプランターの場合は、鉢底ネットと鉢底石を敷き、ポットがそのまま入るくらいの高さを残してを入れます。

苗が密集すると風通しが悪くなってしまうので、いくつか植えるときは20㎝くらい間隔をあけておきましょう。

② 苗を穴に入れる

ポットから苗を取り出し、根鉢は崩さずに植えたい場所に置きます。

③ 土を被せて水を与える

すき間にを入れて植え付けが完了したら、たっぷり水を与えましょう。

植え替えは必要?

コスモスの苗の植え替えは不要です。

コスモスの根は直根性で移植を嫌うため、植え替えせずに済むような場所で種まきや苗の植え付けを行いましょう。

コスモスの開花時期

コスモスの開花時期

コスモスは秋の風物詩ですが、最近では早咲き品種が主流になり、初夏から咲いている姿を見ることができます。

適切な手入れをすることで次々と花を咲かせてくれるので、長い期間楽しむことができるでしょう。

開花時期は6~11月頃

コスモスの開花時期は、6~11月頃です。

早咲き品種は6月頃から花を楽しめ、遅咲き品種は10~11月で、日照時間が短くなると咲き始めます。

コスモスの花が咲かない原因は?

コスモスの花が咲かない原因には、次の3つが挙げられます。

  • 夜も光が当たっている
  • 肥料が偏っている
  • 剪定で花芽を落としてしまった

遅咲きのコスモスは、短日植物の性質を持っています。

夜間でもライトが当たるような場所だと、日照時間の変化を感じられません。

ライトが当たらない場所に置くことで、花が咲くようになるでしょう。

また、窒素の多い肥料は葉ばかり繁ってしまうため、リン酸を多く含んだ肥料を与えることが大切です。

コスモスの増やし方

コスモスは、種まきと挿し木で増やすことができます。

ここでは、コスモスの挿し木について解説します。

挿し木におすすめの時期は6月頃

コスモスの挿し木は、6月頃がおすすめです。

あまり時期が遅いと、しっかり成長せずに開花時期を迎えてしまいます。

また、発根するまではを湿らせておく必要があるため、湿度の高い梅雨時期が最適です。

挿し木のやり方

  1. 挿し穂をカットする
  2. 植えやすいように整えて水に浸ける
  3. 用意したに挿し穂を挿す
  4. 発根するまで管理する

① 挿し穂をカットする

コスモスの先端から3節くらいのところでカットします。

若い部分を使うと成功しやすいので、摘心を行うときに長めに切って挿し穂にするのがおすすめです。

② 植えやすいように整えて水に浸ける

下葉を取り除き茎を斜めにカットしたら、水に浸してしばらく吸水させます。

③ 用意した土に挿し穂を挿す

鉢やプランターにを用意し、湿らせておきます。

用土は、草花用の培養でかまいません。

十分吸水したら挿し穂をに挿して、たっぷり水を与えておきます。

植え替えせずに済むように、最初から鉢やプランターで挿し木を行うとよいでしょう。

④ 発根するまで管理する

発根するまでは、が乾かないように注意しましょう。

1週間くらいは半日陰に置いて、その後日当たりのよい場所に移動させます。

根付いたら、植え替えせずにそのまま育てれば大丈夫です。

株分けはできる?

コスモスは、株分けできません。

直根性のコスモスは根が繊細なため、株分けすると根が傷んで枯れてしまうからです。

根付いたとしても、茎がひ弱で花が咲かないことが多く、うまく生育できないでしょう。

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