カスミソウ(かすみ草)の育て方

育てやすさ

育て方の難易度は普通レベルです。

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カスミソウ(かすみ草)の基本情報

植物名カスミソウ(かすみ草)
学名Gypsophila elegans
和名霞草(かすみそう)
英名Gypsophila
別名ムレナデシコ(群撫子)、ジプソフィラ
原産地ヨーロッパ、アジア
科名ナデシコ科
属名カスミソウ属

カスミソウ(かすみ草)はナデシコ科の植物で、地中海沿岸からアジア地域に広く生息しています。

ふわふわとさく白い花が無数に咲いている姿が、春霞のように見えることから「霞草」という和名がついています。

花束やアレンジメントに欠かせない存在ですが、種類によっては草丈が低いガーデニング向きの品種もあり、さまざまな楽しみ方ができます。

月別栽培カレンダー

種まき

1

2

3

4

5

6

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植え付け・植え替え

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肥料

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開花

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種類と品種

カスミソウ(かすみ草)には100〜150種ほどの品種があり、1年で枯れる「一年草」と、翌年また芽を出す「宿根草」があります。

一年草は主に花壇や寄せ植えで楽しむことが多く、宿根草は切り花や花束として親しまれています。

一年草と宿根草は、それぞれ以下のような種類があります。

種類区分特徴
エレガンス種一年草草丈は20~50cm
ガーデニング向き
ムラリス種一年草草丈は30cm以下
鉢植えや寄せ植え向き
パニクラータ種宿根草草丈1mほどまで育つ
切り花として流通

一年草の代表的な品種はこちらです。

品種特徴
コべント ガーデン マーケット成長が早く丈夫で開花期間が長い
花色は白で一重咲き
アカバナカスミソウ ニュークリムゾン群れるように咲く
花色はピンクに近い赤、一重咲き

次に、宿根草の代表的な品種を紹介します。

品種特徴
ブリストル フェアリー切り花の代表的な品種
花色は白で八重咲き
フェスティバル中型タイプの八重咲き
花壇や鉢上向き
ベールスター花嫁のベールのようなイメージ
花色は白でやや大きめの花
カーペットカスミソウ這うようにマット状に咲く
白い花びらに薄紫のすじ入り
レッド シー草丈60~100cmの大型
花色は珍しいピンクで八重咲き

カスミソウ(かすみ草)はどんな花が咲く?

カスミソウ(かすみ草)はどんな花が咲く?

カスミソウ(かすみ草)は、小さな花が無数に咲き、満開になるとふわふわのレースのような姿が印象的な花です。

花の大きさは直径約1cmから大きいものでも2cmほどで、花色は白以外にピンク色の品種があります。

なお、切り花として流通している水色や紫色のカスミソウ(かすみ草)は、自然の花色ではなく着色されているものです。

カスミソウ(かすみ草)の葉っぱの形

カスミソウ(かすみ草)の葉っぱの形

カスミソウ(かすみ草)の葉っぱの形は、平たくて細長く、先のほうがとがっている長披針形の葉が2枚向かい合って付いています。

花が無数に咲くため葉っぱは目立ちにくく、茎も細めです。

カスミソウ(かすみ草)の花言葉

カスミソウ(かすみ草)の花言葉「感謝」「親切」「幸福」です。

カスミソウ(かすみ草)の育て方

カスミソウ(かすみ草)は乾燥を好む植物なので、次のポイントに注意して育てましょう。

  • 日当たりと風通しのよい場所で育てる
  • 長日植物のため、一定時間日光に当てる
  • 梅雨から夏場の高温多湿に注意し、乾燥気味にする
  • 水やりのし過ぎに注意する
  • 花が咲き終わったらこまめに花がらを摘む

水やりの頻度

カスミソウ(かすみ草)は水やりを控えめに、やや乾燥気味にすることが大切です。

鉢植えの場合は月に数回、の表面が完全に乾いたら水をたっぷり与えます。

地植えの場合、降雨にまかせ水やりは不要です。

土が湿りすぎると根腐れを起こしてしまうので、水のあげ過ぎには十分に注意してください。

肥料のあげ方

カスミソウ(かすみ草)は痩せた土のほうが育ちやすいため、肥料あまり必要としない植物です。

ただし、鉢植えの場合は、開花前3~5月と休眠前10~11月に液体肥料を与えると、花つきがよくなります。

なお、地植えの場合は、肥料はほとんど必要ありません。

病害虫・害虫対策

カスミソウ(かすみ草)は、高温多湿になると立枯病になりやすく、同時にアブラムシやハダニも発生しやすくなります。

立枯病

  • 葉や茎に斑点ができ枯れてしまう
  • 梅雨から夏時期の高温多湿が原因

発見したら、枝を抜き取って破棄してください。

立枯病を防ぐには高温多湿を避け、乾燥した涼しい場所に置くことが大切です。

アブラムシ

  • 葉や茎に白い綿状の物質がつく
  • 栄養を吸い取り、生育が悪くなる

軽度の場合、アルコールを湿らせたコットンでのふき取りや、セロテープで取り除くことができます。

範囲が広い場合は、殺虫剤等を使用すると長期的に予防することができます。

ハダニ

  • 葉に寄生し、汁を吸って影響を吸収する
  • 葉に白や褐色の斑点がつく

ハダニは水に弱い虫なので、見つけたら霧吹きなどで散水してください。

繁殖が早いため、放置しておくと花や葉の色が悪くなり、枯れてしまうことがあるので注意しましょう。

種まきと植え方

カスミソウ(かすみ草)の種まきに適した時期は9〜10月です。

土は、水はけがよく肥沃な土に少量の石灰を混ぜておきましょう。

種が少し見える程度に、薄めに土で覆います。

その後、発芽したら、本葉が4〜5枚になっている元気な株を残して間引きしましょう。

摘心|タイミングや手順

カスミソウ(かすみ草)は、新芽が出る3月頃に摘心します。

摘心とは、花の成長のために新しく伸びてくる葉や茎を摘み取ること、風通しをよくする効果もあります。

摘心の手順は以下のとおりです。

  1. 脇芽が出る位置の少し上の葉を摘み取る
  2. 数日後、新しい脇芽が出てくるのを確認する

① 脇芽が出る位置の少し上の葉を摘み取る

上の葉を4~6枚残して、脇芽が出る位置の少し上の葉を摘み取ります。

摘み取る際は、葉の茎が残らないようにしましょう。

② 数日後、新しい脇芽が出てくるのを確認する

摘心して数日経ったら、新しい脇芽が出てきているか確認してください。

間引き|タイミングや手順

カスミソウ(かすみ草)は、種まきから5〜10日ほどで芽を出します。

成長するにつれて、芽が増えて詰まってくるため、定期的に間引くことで元気よく育ちます。

間引きの手順は以下のとおりです。

  1. 混みあっている芽を間引き、1本立ちにする
  2. 本葉が4〜5枚になるまで育苗する

① 混みあっている芽を間引き、1本立ちにする

本葉が2〜3枚になったら、間引きして1本立ちにします。

ほかの株が抜けないよう株元を押さえながら、ピンセットでやさしく間引きしてください。

② 本葉が4〜5枚になるまで育苗する

そのまま本葉が4~5枚になるまで育苗します。

切り戻し|タイミングや手順

カスミソウ(かすみ草)は開花期間が長いので、切り戻しをしてあげると次の花を咲かせるための栄養をためておくことができます。

切り戻しのポイントは次のとおりです。

  • 花が咲き終わった順に花径を切り落とす
  • 葉を数枚残しておく

カスミソウ(かすみ草)の栽培環境

カスミソウ(かすみ草)は、日当たりと風通しの良い場所、水はけの良い土で栽培することが大切です。

雨や湿気に弱い花でもあるため、できるだけ雨を避けて栽培すれば、株も丈夫に育ちます。

置き場所と日当たり

置き場所と日当たり

カスミソウ(かすみ草)は、明るく風通しの良い場所が適しています。

日照時間が一定の時間以上に花を咲かせる「長日植物」のため、1日12時間以上日当たりのよい場所に置くことが大切です。

一方、高温多湿に弱いので、鉢植えの場合は梅雨時期から夏場は明るめの日陰で管理しましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

時間栽培温度
昼間25℃前後
夜間10℃前後

カスミソウ(かすみ草)は寒さに比較的強い植物ですが、低すぎる温度で育てると発芽が悪くなる場合があり注意が必要です。

なお、発芽時期は15℃を下回らないよう温度管理に注意しながら栽培しましょう。

用土

カスミソウ(かすみ草)は、水はけの良い土を好みます。

酸性土を嫌うため、地植えの場合は植え付け前に苦土石灰を少量混ぜておくとよいでしょう。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。

カスミソウ(かすみ草)の種まき

カスミソウ(かすみ草)は種から育てることが可能ですが、大変難しいため適切な管理方法を把握することが大切です。

種まきにおすすめの時期は3~5月、または9〜10月

種まきにおすすめの時期は3〜5月、または9〜10月です。

種をまいてから植え付けできる苗に育つまで、1か月程度かかります。

種まきのやり方

  1. 3cm間隔で種まきする
  2. まいた種に土を薄くかぶせる
  3. 土が乾燥しないよう水を与える

① 3cm間隔で種まきする

鉢やプランターにバーミキュライトを入れ、重ならないよう3cmの間隔で種を4~5粒まきます。

種はとても小さいので注意してください。

② まいた種に土を薄くかぶせる

まいた種が少し見える程度に薄く土で覆いましょう。

覆土もバーミキュライトがおすすめです。

③ 土が乾燥しないよう水を与える

発芽するまでは土が乾燥しないように、霧吹きなどでこまめに水を与えてください。

発芽は種まきから5〜10日程度かかります。

カスミソウ(かすみ草)を種から育てると大変?

カスミソウ(かすみ草)は、種から育てるのが難しいとされる植物です。

理由は、カスミソウ(かすみ草)の種はかなり小さく、水やりで浮いてしまうことや、発芽後の扱いがデリケートなどが挙げられます。

種から育てたいという方は、エレガンス種やムラリス種など比較的育てやすい品種を選んで栽培するといいでしょう。

カスミソウ(かすみ草)の採種方法

カスミソウ(かすみ草)は、花が咲き終わったら実を乾燥させ、黒い種を取り出すことで採種できます。

なお、鉢の上に自然にこぼれた種は、翌年に発芽します。

カスミソウ(かすみ草)の開花時期

カスミソウ(かすみ草)は、開花すると白く小さな花が無数に咲きます。

ふわふわと愛らしく、清楚な花姿で魅了してくれます。

比較的長く咲き続けるので、適切な管理をしてカスミソウ(かすみ草)の花を楽しみましょう。

開花時期は5~8月

カスミソウ(かすみ草)の開花時期は5〜8月で、次々と花を咲かせてくれます。

開花期間が長いため花後に切り戻しをしますが、花が咲いている状態で摘み取り、切り花やドライフラワーで楽しむのもおすすめです。

カスミソウ(かすみ草)の花が咲かない原因は?

  • 日当たりが足りない
  • 風通しが悪い
  • 水やりのし過ぎ
  • 肥料過多

カスミソウ(かすみ草)は高温多湿が苦手な面と「長日植物」という性質を持っているため、

日光と湿度に注意し、生育する環境を整えてあげましょう。

カスミソウ(かすみ草)の増やし方

カスミソウ(かすみ草)を増やす方法には「種まき」と「挿し木」があります。

挿し木とは、株の一部を切り取り、根を伸ばして増やす方法です。

種まきでの栽培が難しそうと感じる方は、挿し木で増やしてみましょう。

挿し木におすすめの時期は4~5月、または9~10月

挿し木をする場合は、4〜5月、9〜10月が適切です

枝から新芽が6枚ほど出てきたら挿し木をし、新しい鉢に植え替えます。

挿し木のやり方

カスミソウ(かすみ草)の挿し木は以下の方法がおすすめです。

  1. 太めの枝の先端を3~5cm程度切る
  2. バーミキュライトを入れた鉢に枝を挿す
  3. 明るい日陰に置いて様子を見る
  4. 新芽が出たら新しい鉢に植え替える

① 太めの枝の先端を3~5cm程度切る

太めの枝の先端を、3~5cm程度の長さに切ります。

切り口から雑菌が入らないよう、はさみの除菌や切り口に発根促進剤をまぶすとよいでしょう。

② バーミキュライトを入れた鉢に枝を挿す

鉢にバーミキュライトを入れ、切った枝を挿します。

③ 明るい日陰に置いて様子を見る

枝から新芽が出てくるまでは、明るい日陰に置いて様子を見ます。

④ 新芽が出たら新しい鉢に植え替える

新芽が5~6枚ほど出てきたら、新しい鉢に植え替えてください。

カスミソウ(かすみ草)は挿し芽できる?

カスミソウ(かすみ草)は、挿し芽で増やすこともできます。

挿し芽とは、植物の茎や枝、葉などの一部を切り取って、挿し床などに挿して発根させる方法です。

挿し芽は以下の手順で行います。

  1. 新芽の先を3〜5cmくらい切る
  2. バーミキュライトを入れた鉢に枝を挿す
  3. 枝から新芽が出てくるまでは明るい日陰に置く
  4. 新芽が出たら新しい鉢に植え替える

① 新芽の先を3〜5cmくらい切る

新芽の先を3〜5cmくらいに切り、挿し芽がつきやすいよう発根促進剤の中に切り口を入れます。

② バーミキュライトを入れた鉢に枝を挿す

鉢にバーミキュライトを入れて「さし床」を作り、切った枝を挿します。

③ 明るい日陰に置いて様子を見る

枝から新芽が出てくるまでは、明るい日陰に置いて様子を見ます。

④ 新芽が出たら新しい鉢に植え替える

新芽が5~6枚ほど出てきたら、新しい鉢に植え替えてください。

カスミソウ(かすみ草)に植え替えは必要?

カスミソウ(かすみ草)は一年草の場合、植え替えは必要はありませんが、宿根草の場合は植え替えをすることで丈夫に成長させることができます。

植え替えの手順は、次のとおりです。

  1. 植え替えする場所に穴を掘る
  2. 掘った穴に植え替えする株を入れる
  3. たっぷり水やりをする
  4. マルチングをする

① 植え替えする場所に穴を掘る

十分な生育スペースを確保した場所を選び、植え替え用の穴を掘ります。

穴の大きさは植え替えする株の球根の2倍程度で、少し深めに掘ってください。

② 掘った穴に植え替えする株を入れる

堀った穴に、直立するように植え替え用の株を入れます。

根球の上部が地面と水平になるように周囲を土で囲み、空気の隙間がないように埋めてください。

③ たっぷり水やりをする

植え替え後はたっぷり水やりをし、株のまわりの土を落ち着かます。

④ マルチングをする

土の水分を保ち雑草を防ぐため、株のまわりの土をマルチング材で覆います。

1週間程度はしっかり観察し、茎がしおれていないかなどのチェックを行いましょう。

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