スミレの育て方
公開日 2025年02月24日
更新日 2025年02月24日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

スミレの基本情報

植物名 | スミレ |
学名 | Viola mandshurica |
和名 | 菫(すみれ) |
英名 | Violet |
別名 | スモウトリグサ、ビオラ、相撲取草 |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国 |
科名 | スミレ科 |
属名 | スミレ属 |
スミレは、高地の草原や林の中や低地の草地や道端など、全国に幅広く自生する多年草です。
背丈は10~20cmくらいで、春になると紫や白、ピンク、黄色の小さな花をたくさん咲かせます。
また、こぼれ種で群生する丈夫な植物なので、育てるのはそれほど難しくありません。
ほかの花との寄せ植えやハンギングだけでなく、山野草として盆栽仕立てで楽しむのもおすすめです。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
スミレは世界中に400種類以上の品種があり、日本国内にも60種類以上の品種が自生しているとされています。
有茎種と無茎種に分けられ、有茎種は株元から伸びた茎に花茎や葉柄をつけるのが特徴です。
一方で、無茎種は株元から直接花茎や葉柄を伸ばします。
ここでは、スミレの主な品種を紹介します。
ホンスミレ

北海道から屋久島にかけて自生しています。
花びらの中心あたりに白い毛や筋があり、細長いヘラのような葉が特徴です。
コスミレ

株を覆うほどの花付きのよさと、細身のハートで先端がやや尖った長い葉が特徴です。
北海道から屋久島にかけて自生しています。
アオイスミレ

北海道から宮崎県にかけて自生する早咲きの小型品種で、草丈5~8cmくらいです。
中心に縞模様が入った反り返る花びらと、丸みのあるスペード形の葉をしています。
タチツボスミレ

北海道から沖縄にかけて自生しており、縞模様がある花びらとハート形の葉が特徴です。
オオバキスミレ

遅咲きで黄色の花が咲く珍しい品種で、葉は5cm以上あるスペード型です。
北海道から近畿にかけて自生しています。
エイザンスミレ

縁にギザギザがあり、深い切り込みで3つに裂けたような葉が特徴があります。
比叡山に生えていたことが名前の由来です。
品種名 | 開花期 | 茎 | 花の色 |
---|---|---|---|
ホンスミレ | 4~5月 | 無茎種 | 濃い紫 |
コスミレ | 3~4月 | 無茎種 | 薄紫、白 |
アオイスミレ | 3~4月 | 有茎種 | 薄紫 |
タチツボスミレ | 4~5月 | 有茎種 | 薄紫 |
オオバキスミレ | 4~8月 | 有茎種 | 黄色 |
エイザンスミレ | 3~5月 | 有茎種 | 薄ピンク、白 |
スミレはどんな花が咲く?

スミレの花は直径1~2cmくらいの小さな花で、横から見ると壺のような形をしています。
楕円形の花びらが上に2枚、左右と下に1枚ずつ付いていて、下の花びらに筋のような模様が入る品種が多いです。
花の色は青みがかった紫や淡い紫が多いですが、白やピンク、黄色もあります。
なお、花が似ているビオラにはスミレの名を持つ品種もありますが、スミレを原種とする別の花です。
スミレの葉っぱの形

スミレの葉は細長い形とスペード形の2種類あり、色は濃い緑です。
品種によっても葉の形に違いがあり、先端の尖りのありなしや幅の膨らみ、切れ込みなどで見分けることができます。
スミレの花言葉
スミレの花言葉は「小さな幸せ」「謙虚」「誠実」などです。
スミレの育て方
スミレは多年草なので、適切な管理をすれば毎年花を咲かせることができます。
耐暑性や耐寒性に優れ、日本の各地で自生しているため、地植えや鉢植えでも育てやすい植物です。
水やりの頻度
鉢植えの場合
鉢植えのスミレは、表土が乾いたらたっぷり水を与えます。
根腐れを起こしやすいので、湿ったままの状態は避けましょう。
地植えの場合
地植えの場合は、基本的には降雨にまかせてかまいません。
晴れた日が続き、土が乾燥しすぎるようなら水やりをしてください。
肥料のあげ方
スミレは、あまり肥料を必要としない植物ですが、適切に与えることで花付きがよくなります。
鉢植え
植え付け時に元肥に緩効性肥料を与えます。
追肥は、春から秋にかけて10~14日に1回を目安に、リン酸とカリウムが多めの液体肥料を施しましょう。
地植え
地植えの場合、肥料はあまり必要ありません。
なお、9~10月にリン酸とカリウムが多めの固形肥料を施すと、秋の間にしっかり根を張ってくれます。
病害虫・害虫対策
スミレは丈夫で病害虫がつきにくい植物ですが、育てる環境によっては病害虫が発生することもあります。
ここでは、スミレに発生しやすい主な病害虫の対処や予防方法を解説します。
アブラムシ
- 3~5月に発生しやすい
- 新芽に寄生して汁液を吸い、株を弱らせる
手や粘着テープなどで取り除くか、水で洗い流しましょう。
殺虫殺菌剤の定期的な散布や、オルトランを土にまくのも有効です。
また、風通しのよい場所で育てると予防できます。
ハダニ
- 夏に発生し、葉裏に寄生し汁液を吸う
- 葉がカスリ状に色抜けしたり、変色したりする
粘着テープで除去し、スプレータイプの駆除剤を散布しましょう。
風通しのよい場所で管理し、葉の裏への葉水や定期的な防虫剤の散布も有効です。
ヨトウムシ
- 春と秋に発生しやすい
- 葉を食害して枯らしてしまう
害虫を葉ごと取り除くか、スプレータイプの殺虫剤で駆除しましょう。
米ぬかを入れた容器でおびき寄せ駆除するか、植え付け時にオルトランをや木酢液などで予防できます。
ツマグロヒョウモン
- 春から秋にかけて発生しやすい
- 幼虫が食害する
割りばしやトングなどで捕獲して除去します。
幼虫はトゲトゲしているので、園芸用手袋などで防護してください。
顆粒のオルトランをまくか、スプレータイプの殺虫剤を散布して予防しましょう。
ネコブセンチュウ
- 春から秋にかけて発生しやすい
- 根に寄生してコブを作る
- 葉が黄化や萎れを起こして枯れる
ネマトリンエース粒剤やネマクリーン粒剤などを土にまいて駆除します。
鉢植えは棚の上に置くなどして地面から離すのも有効です。
うどんこ病
- 5~8月に発生しやすい
- 葉や茎に白い粉のようなカビがつく
発生個所を取り除き、薬剤で殺菌しましょう。
日当たりや風通しのよい場所で育てると予防できます。
そうか病
- 初夏から晩秋に発生しやすい
- 茎や葉柄に白いかさぶた状の病斑ができる
病斑のある葉や葉柄は、摘み取って焼却するか廃棄しましょう。
日当たりのよい場所で、窒素過多にならないよう管理すると予防できます。
スミレの栽培環境
スミレは日本の各地に自生し、耐暑性や耐寒性に優れた丈夫な植物です。
どこでも育ちやすいですが、栽培環境を整えるとよりたくさんの花を咲かせることができます。
置き場所と日当たり
スミレは、日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。
ただし、夏の強い日差しで葉焼けしやすいので注意が必要です。
鉢植えの場合は、夏の間だけ半日陰で風通しのよい場所に移動させましょう。
地植えの場合は、落葉樹の下や芝生の中に植えるのもおすすめです。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
季節 | 夏 | 冬 |
適温 | 20~25℃ | -5~10℃ |
スミレは耐寒性に優れた植物です。
葉をつけたまま越冬する品種もありますが、基本的には冬になると地上部が枯れ、根は土の中で休眠します。
冬越しするときは変色や枯れた葉は摘み取っておき、日当たりのよい場所で管理しましょう。
また、水やりの頻度を減らし、土が乾いたら午前中に水を与えてください。
用土
スミレは、水はけがよく有機物を多く含んだ土を好みます。
培養土と腐葉土を7:3で混ぜた土か、市販の草花用の培養土を使っても大丈夫です。
湿りがちな場所に自生する品種は、水はけと保水性に優れた用土を選ぶとよいでしょう。
スミレの種まき
スミレは、種を採種して育てることも可能です。
スミレを種から育てると大変?
スミレは自ら種を周囲に飛ばし群生するため、発芽が比較的容易で種から育てるのは難しくありません。
発芽適温は20℃前後で、種まきから1週間くらいで発芽します。
種まきにおすすめの時期は1~2月、5~8月頃
種まきにおすすめの時期は、1~2月もしくは5~8月頃です。
冬に種まきを行えば、春には開花を楽しめます。
初夏から夏にまいた種は秋にしっかりと根を張るため、翌年の春に花付きのよい丈夫な株に育ちます。
種まきのやり方
- 種まき用の土を用意する
- 育苗ポットに種をまく
- 覆土と水やりをする
- 土が乾かないよう管理する
- 発芽したら間引きする
- 本葉が出たら植え替える
① 種まき用の土を用意する
赤玉土とバーミキュライトを混ぜた用土を育苗ポットに入れておきます。
用土を軽く湿らせておくと植えやすいです。
② 育苗ポットに種をまく
種を2~3粒ずつ育苗ポットや育苗トレーにまきます。
③ 覆土と水やりをする
上から軽く土を被せて、種が移動しないように優しく水やりをしてください。
④ 土が乾かないよう管理する
明るい日陰に置き、霧吹きなどで常に土を湿らせておきます。
または、水の入ったトレイの上にポットを並べ、底面吸水させてもよいでしょう。
⑤ 発芽したら間引きする
発芽したら元気のよい芽を残して間引きします。
⑥ 本葉が出たら植え替える
本葉が2枚できたら培養土を入れたポットに植え替えてください。
スミレの種を採る方法
スミレは、開花した花からは種ができません。
花が咲き終わる頃に閉鎖花(花が咲かないつぼみ)を伸ばし、自家受粉でさやの中に種を作るからです。
採種方法は、未成熟な種と成熟した種とで異なります。
未成熟な種
下向きのつぼみが上を向いてきたら、種が熟してきたサインです。
- 少し硬くなってきたら、さやごと摘み取る
- さやから種を取り出す
- そのまま「取りまき」する
成熟した種
種が完熟するとさやが開いて種が飛び散ってしまうため、上を向いたさやが硬くなったら、袋をかぶせて弾けた種を捕獲しましょう。
- 硬くなったさやに袋をかぶせ、採種する
- 種を湿らせたキッチンペーパ―で包み袋に入れる
- 保管する際は袋の口を開けておく
- 冷蔵庫で1~2か月保存する
スミレの植え付け
スミレの植え付けは、適切な時期と植え方が大切です。
健康な苗を選ぶことで丈夫に育ち、たくさんの花を咲かせてくれます。
苗の選び方
次の点をチェックして元気な苗を選びましょう。
- つぼみや葉っぱが多い
- 間延びしていない
- 株がぐらつかない
- 葉がきれいな緑色をしている
- 害虫や病斑がない
植え付けでおすすめの時期は2~3月、9月頃
スミレの植え付けは、2~3月と9月頃がおすすめです。
春先に植え付けるとすぐに可憐な花を楽しめますが、秋に植え付けた苗は開花までしっかり根を張り、丈夫な株に育ちます。
苗の植え方
- 植え付け場所を用意する
- 苗をポットから取り出す
- 苗を置いて土を入れる
- 水やりをする
① 植え付け場所を用意する
スミレは細い根を長く伸ばすため、地植えする場合はポットの高さより深めに耕しておきましょう。
鉢植えにする場合は、底穴が大きく深さのある鉢がおすすめです。
鉢底ネットを敷き鉢底石を入れたら、植える苗の高さを残して土を入れます。
② 苗をポットから取り出す
苗をポットから取り出します。
根を傷めないように根鉢を崩し、丁寧に古い土を落としましょう。
③ 苗を置いて土を入れる
土の中央に苗を置き、隙間を土で埋めていきます。
④ 水やりをする
植え終わったら、たっぷり水を与えてください。
鉢植えは、鉢底から水が流れ出てくるまで十分に与えましょう。
スミレの開花時期

スミレは、春に次々と可憐な花を咲かせ、春を代表する花のひとつです。
開花時期は3~5月頃
スミレの開花時期は一般的には3~5月頃ですが、2月頃から咲き始めたり秋に咲く品種もあります。
スミレの花が咲かない原因は?
スミレの花が咲かない原因として考えられるのは、次のような状態です。
- 日照不足
- 肥料不足または肥料過多
真夏以外はしっかり日の当たる場所で育て、肥料を適切に与えることが大切です。
また、次に咲く花に栄養分が行き届くように、花がら摘みもこまめに行いましょう。
スミレの増やし方
スミレの増やし方には、種まき以外に株分けと根伏せがあります。
株分けとは育った元株を分割することで、根伏せとは切り取った根から増やす方法です。
株分けも根伏せも、植え替えのタイミングで行うとよいでしょう。
株分けのやり方
- 株分けするスミレを用意する
- 株を分割する
- 分けた株を植え付ける
① 株分けするスミレを用意する
地植えの株は深めに掘り上げ、鉢植えはそのまま鉢から取り出します。
古い土や根、傷んだ葉や枯れた葉は取り除いてください。
② 株を分割する
自然に分かれている部分や、簡単に分けられそうなところで分割します。
細かく分けすぎると、成長が鈍くなるので注意しましょう。
③ 分けた株を植え付ける
分けた株は、苗と同じように庭や鉢に植え付けて、たっぷり水を与えてください。
根伏せのやり方
- 根と用土を用意する
- 根を適切な大きさに切る
- 根を植える
- 水切れしないよう管理する
① 根と用土を用意する
植え替えのタイミングで、若くて健康な根を株から切り分けておきます。
根を植えるための育苗ポットと土を用意します。
根伏せには、鹿沼土や赤玉土、バーミキュライトなど、水はけがよく肥料分のない土がおすすめです。
② 根を適切な大きさに切る
用意した根を、5~6cmくらいに切り取ります。
1本の根をいくつかに切り分けても大丈夫です。
雑菌がつかないように、清潔なナイフやハサミを使いましょう。
③ 根を植える
根を土の中に埋めるのではなく、切り口が少し土から出るように植えます。
④ 水切れしないよう管理する
芽が出るまでは明るい日陰に置き、土が乾かないように管理しましょう。
挿し木はできる?
スミレは、挿し木から育てることも可能です。
① 用土を用意する
育苗ポットに土を入れ、湿らせておきます。
用土は、市販の挿し芽用の土が便利ですが、鹿沼土や赤玉土、バーミキュライトでもかまいません。
② 茎を切り、下葉を取り除く
元気な茎を取り、下葉を取り除きます。
切り口を斜めにカットしたら水につけて吸水させておきます。
③ 用土に植える
割りばしなどを使い用土に穴を開けて、挿し穂を差し込みます。
切り口に発根促進剤を塗布しておくと、発根しやすいです。
④ 水切れしないよう管理する
挿し木したポットは明るい日陰に置き、水切れしないように管理してください。
⑤ 発根したら植え替える
スミレの発根までの期間は2~3週間くらいです。
新芽が出てきたら、植え付け場所に植え替えましょう。
植え替えは必要?
地植えのスミレは植え替える必要はありませんが、鉢植えは根詰まりしないように毎年植え替えるとよいでしょう。
植え替えのタイミングは、植え付けと同じ2~3月、もしくは9月頃が適しています。
- 植え替え用の鉢を用意する
- 鉢から株を出して整理する
- 株を植え替える
① 植え替え用の鉢を用意する
同じ大きさの鉢か、生育のよい株はひと回り大きい鉢を用意しましょう。
② 鉢から株を出して整理する
鉢から株を出し、古い土を落とします。
枯れたり傷んだりした根や葉は、取り除いてください。
④ 株を植え替える
苗の植え付け方と同様に、用意した鉢に植え替えます。
植え替えが終わったら水をたっぷり与え、日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。