多肉植物の水やり頻度|全パターンのまとめ

更新日 2025年07月30日

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

多肉植物の水やり頻度は生育期と休眠期で変える

多肉植物の水やり頻度は生育期と休眠期で変える

多肉植物は生育期と休眠期に合わせて、以下のように水やりの頻度を変えるのが基本です。

時期頻度の目安
生育期土が完全に乾いて葉っぱにシワが寄ってきたら
休眠期断水または月1~2回程度

これはあくまでも目安で、以下の項目に影響されます。

  • 育てている品種の生育期がいつなのか
  • 環境(地域)が温暖か寒冷か
  • 室内栽培か屋外栽培(地植え)か

適切なタイミングを計るために、土と株の状態をしっかりと観察しましょう。

多肉植物は品種によって生育期が違う

多肉植物は品種によって生育期が異なり、以下の3つのカテゴリに分かれています。

生育型生育期休眠期生育適温
春秋型4~6月(春)、9~10月(秋)7~8月(夏)、12~翌3月(冬)10~25℃
夏型5~9月(夏)11~翌3月(冬)20~35℃
冬型11~翌5月(冬)6~9月(夏)5~20℃

生育型によって生育適温も異なるので、それぞれに適した栽培環境を整えることが非常に重要です。

生育型ごとの主な種類

多肉植物の生育型ごとの主な品種を紹介するので参考にしてください。

属名生育型
アストロロバ春秋型
アドロミスクス春秋型
イーレンフェルディア春秋型
エケベリア春秋型
クラッスラ春秋型
グラプトペタルム春秋型
センペルビウム春秋型
アガベ夏型
アデニウム夏型
アロエ夏型
エピテランサ夏型
オロスタキス夏型
カランコエ夏型
ユーフォルビア夏型
アエオニウム冬型
ギバエウム冬型
グロッチフィルム冬型
ダドレア冬型
ドラコフィルス冬型
フォーカリア冬型
リトープス冬型

春秋型の品種が最多で、次いで夏型が多いです。

同じ種類でも品種によって生育型が異なる

多肉植物は、同じ種類(属)でも、以下のように生育型が異なる場合があります。

種類品種生育型
ユーフォルビアユーフォルビア イネルミス夏型
ユーフォルビアユーフォルビア ゴルゴニス冬型
クラッスラクラッスラ ジェイド・タワー夏型
クラッスラクラッスラ sp.トランスバール冬型
アロエアロエ エリナケア春秋型
アロエアロエ カスティロニアエ夏型
グラプトペタルム属グラプトペタルム アメジスチヌム春秋型
グラプトペタルム属グラプトペタルム 銀天女夏型

ユーフォルビア属を例にすると、冬型の「ユーフォルビア ゴルゴニス」を夏型として管理した場合、枯れる危険性が高いです。

品種ごとの生育型を把握し、適した栽培環境を整えることが重要となります。

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生育期はたっぷり・休眠期は控えめが基本

多肉植物を健康に育てるためには、以下の水やりの基本を押さえておきましょう。

  • 生育期には下から漏れ出すくらい十分な量を与える
  • 休眠期には断水するか月1~2回程度にする
  • 土が完全に乾き、葉っぱにシワが寄ってきてから与える
  • 晴れの日に与えて徒長(ムダな成長)を防ぐ
  • 夏は朝もしくは夕方から夜にかけて、冬は午前中に与える
  • 梅雨の時期は水量を少なめにする

断水気味にすべき気温の目安は生育型によって異なります。

生育型断水気味にする気温の目安
春秋型~10℃、30℃~
夏型~10℃
冬型30℃~

葉っぱで分かる多肉植物の水やりサイン

葉っぱで分かる多肉植物の水やりサイン

葉っぱに水分を蓄えられる多肉植物は、葉っぱの状態を見れば水やりが必要かどうか判断できます。

水が必要な葉っぱのサイン

  • シワシワになった
  • 薄っぺらくなった
  • ハリがなくなった

シワシワになってもすぐに枯れることはないので、曇りや雨の日が続いている場合は控えめに与えましょう。

多肉植物の生育型別の水やり頻度と注意点

多肉植物を健康に育てるためには、以下のように生育型ごとに水やりの頻度を変えることが重要です。

生育型春、秋
春秋型土が乾いた2~3日後断水または月1~2回程度断水する
夏型土が乾いた2~3日後土が完全に乾いたら断水する
冬型土が完全に乾いたら断水または月1~2回程度土が乾いた2~3日後

これはあくまでも目安なので、土や葉っぱの状態を観察しながら調節してください。

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春・秋型の多肉植物の水やり

春・秋型の多肉植物の水やり

春秋型の多肉植物には、以下を目安に水やりしましょう。

  • 春、秋:土が完全に乾いたら
  • 夏:断水または月1~2回程度
  • 冬:断水する

また、以下のポイントに注意してください。

  • 春と秋には下から漏れ出すくらい十分な量を与える
  • 30℃を超える日は断水気味にする
  • 晩秋から頻度を減らして冬の休眠期に備える

真夏日は、過湿による根腐れを防ぐために、断水気味にして様子を見ながら回数を調節しましょう。

冬でも暖房を使用している場合は休眠期に入らないので、葉っぱの様子を見ながら月に1回くらいの頻度で与えてください。

夏型の多肉植物の水やり 

夏型の多肉植物の水やり 

夏型の多肉植物には、以下を目安に水やりしましょう。

  • 春、秋:土が完全に乾いて2~3日後
  • 夏:土が完全に乾いたら
  • 冬:断水する

また、以下のポイントに注意してください。

  • 春から秋にかけては下から漏れ出すくらい十分な量を与える
  • 30℃を超える日は控えめにする
  • 晩秋から頻度を減らして冬の休眠期に備える

夏型の品種であっても、暑さと蒸れによって根腐れを引き起こす可能性があります。

カラッと晴れて気温が高い日が続くようであれば、1週間に1回くらいの頻度に減らしましょう。

冬型の多肉植物の水やり

冬型の多肉植物の水やり

冬型の多肉植物には、以下を目安に水やりしてください。

  • 春、秋:土が完全に乾いたら
  • 夏:断水または月1~2回程度
  • 冬:土が完全に乾いて2~3日後

また、以下のポイントに注意しましょう。

  • 春と秋は冬よりも多めの量を与える
  • 冬は控えめにすることで越冬しやすくなる

冬型であっても日本の厳しい寒さには適応できないので、冬でも5℃を下回らないように管理し、春と秋よりも控えめにするのが適切です。

夏は休眠期となるので、ほとんど断水でOKですが、表土が湿る程度に月に1~2回程度与えることで秋からの吸水力が高まります。

ただし、葉っぱに水がかかると根腐れの原因になるので、霧吹きは使用しないでください。

多肉植物の水やりのポイント

多肉植物の水やりのポイント

多肉植物の正しい水やりは、下から漏れ出すくらい十分な量を与え、葉っぱに水滴がつかないようにするのが基本です。

ただし、休眠期には水量を減らしたり、時期によって与える時間帯を変えたりなど注意しましょう。

ここからは、水やりのポイントを解説していきます。

葉っぱに直接水をかけない

多肉植物は、葉っぱに水分を蓄えられる性質があるので、葉水は必要ありません。

ほとんどの品種が乾燥した環境を好むため、葉っぱの過湿は病気の原因となります。

水やりの際も以下のポイントに注意して、葉っぱに水滴がつかないよう対策しましょう。

  • 霧吹きは使用しない
  • 先が細長いじょうろで株元を狙う
  • 葉っぱの水分はブロアーやドライヤーで飛ばす

鉢底から流れるくらいたっぷり

多肉植物には、下から漏れ出すくらい十分な量の水を与えるようにしてください。

また、土に直接与えるために、先が細長いじょうろを使用するのがおすすめです。

霧吹きを使用すると、葉っぱに水が溜まり、以下のような病気になる恐れがあります。

  • 根腐れ:根っこが腐って水分や養分を吸収できなくなる
  • 灰色かび病:糸状菌により葉っぱや茎に灰色のカビが発生する
  • 軟腐病:葉っぱや茎、根っこが腐って溶ける

もし、葉っぱの隙間に水が溜まった場合は、ブロアーやドライヤーでしっかりと水分を飛ばしてください。

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季節によって水やりの時間帯を変える 

多肉植物は生育型に関わらず、以下の時間帯に水やりしましょう。

時期時間帯
春、秋早朝または夕方以降
早朝または夕方以降
晴れの日の午前中
梅雨晴れの日の朝または夕方以降

極端に暑かったり寒かったりする時間帯に水を与えると、蒸れや冷えによって株が傷む危険性が高まります。

春から秋にかけては比較的涼しい早朝もしくは夕方に、冬は晴れた日かつ気温が上がり始める午前中に与えるのが基本です。

梅雨の時期は、できるだけ晴れの日を狙い、過湿を予防するために水量を少なめにしてください。

土が乾燥して葉っぱにシワが寄っても、焦って与える必要はありません。

受け皿の水は必ず捨てる

多肉植物に水やりした後は、必ず受け皿に溜まった水を捨てましょう。

捨てずに放置すると、以下のような状態になり、健康を害してしまいます。

  • 土が乾きにくくなる
  • 蒸れて根腐れを引き起こす
  • はみ出た根っこが老廃物を吸収してしまう
  • カビが生える
  • 害虫が湧く

余分な水が受け皿に溜まるまで10分程度かかるので、下から漏れ出なくなるまで待ってから捨ててください。

鉢カバーを使用している場合は、水を与える前に外して、鉢底から滴らなくなってから戻しましょう。

タイミング別の多肉植物の水やり

タイミング別の多肉植物の水やり

多肉植物を植え替えたり挿し木したりした後は、適切な水やりの方法が異なります。

ここからは、タイミング別の水やりを紹介するので参考にしてください。

地植えにした場合

多肉植物を地植えにして育てる場合、雨が水やりの代わりになるため、基本的に水を与える必要はありません。

地植えは、以下のポイントに注意してください。

  • 生育期は長期的に晴れの日が続いたら与える
  • 休眠期や真冬は与えない
  • 真冬は雨によって凍結の恐れがあるのでカバーをかける
  • 日光が当たる場所(東または南の方角)に植える
  • 真夏の強い日差しに当たらないよう遮光ネットを活用する
  • 水はけの良い土に植える(花壇の土にバーミキュライトやパーライトを混ぜ込む)

生育期かつ晴れの日が続いたときは、土が完全に乾いて葉っぱにシワが寄ってきた場合のみ与えると良いでしょう。

地植えで育てるのにおすすめな品種

雨ざらしの地植えで育てる場合は、丈夫な以下の品種を選ぶのがおすすめです。

種類品種生育型
アガベマクロアカンサなど夏型
アガベパリートランカータ夏型
アガベオバティフォリア夏型
エケベリアエレガンス春秋型
エケベリアピーチブリデ春秋型
エケベリア紅茜春秋型
グラプトペタルム属朧月春秋型
グラプトペタルム属ブロンズ姫春秋型
グラプトペタルム属 秋麗春秋型
セダム属レッドベリー春秋型
セダム属モリムラマンネングサ春秋型
セダム属パリダム春秋型

植え替えたばかりの場合

多肉植物を植え替えた直後は、3~4日程度水やりを控えたのち、下から漏れ出すくらい十分な量を与えましょう。

その後は、品種の生育型に合った水やりをしてください。

なお、植え替えに適しているのは、以下の時期のうち気温が20℃前後の日です。

生育型適切な時期
春秋型4~5月
夏型4~5月
冬型9~11月

挿し木をしたばかりの場合

多肉植物を挿し木した直後は、表土が湿る程度にサラッと少量の水を与えます。

その後、土がしっかりと乾燥したら、再び少量の水を与えましょう。

これを繰り返し、発根して葉っぱにハリが出てきたら、水やりを控えてください。

もし、葉っぱをさわって痩せていたら、下から漏れ出すくらい十分な量を与えましょう。

鉢底に穴がない鉢に植えている場合

多肉植物を穴が開いていない鉢に植えている場合、根腐れを引き起こすリスクが高まります。

根腐れを防ぐため、以下の方法で水が必要かどうか判断してください。

  • 土の内部まで乾燥しているか確認する
  • 葉っぱにシワが寄っているか確認する
  • 重さをはかる(水を含んだ状態は2倍ほど重くなる)

与えた後は、鉢を傾けて余分な水を捨てるようにしましょう。

なお、底に根腐れ防止剤を敷くのも、根腐れの予防に効果的です。

多肉植物を枯らさないためには水やりが重要!

多肉植物は生育型によって、水を与える回数や時間帯に注意しましょう。

生育期には、下から漏れ出すくらい十分な量の水を与えてください。

一方で、葉っぱに水分を蓄えられる性質があるので、休眠期はほとんど断水でOKです。

ただし、極端に水切れさせたら枯れる恐れがあるので、土や葉っぱの状態を観察しながら回数を調節しましょう。

HanaPrimeで購入した多肉植物を健康に育てるためには、基本を守りながら生育型に合った水やりをしてください。

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