アマリリスの育て方
公開日 2025年01月23日
更新日 2025年01月23日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

INDEX
目次
アマリリスの基本情報

植物名 | アマリリス |
学名 | Hippeastrum hybridum |
和名 | ジャガタラアマリリス/ジャガタラズイセン(咬吧水仙)、キンサンジコ(金山慈姑)、ベニスジサンジコ(紅筋山慈姑) |
英名 | Amaryllis |
別名 | ヒッペアストラム |
原産地 | 中央アメリカ、南アメリカ |
科名 | ヒガンバナ科 |
属名 | ヒペアストラム属 |
開花時期 | 4~6月、10~11月 |
アマリリスは、ユリに似た花を咲かせる球根植物です。
直立した茎に1本あたり3~6輪ほど花が咲き、子供の顔ほどある大輪の花は赤やピンク、白色などバリエーションが豊富です。
華やかで見栄えがするため人気があり、切り花として利用されるほかガーデニングでも楽しむことができます。
月別栽培カレンダー
植え付け
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肥料(鉢植え)
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肥料(庭植え)
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開花
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種類と品種

アマリリスは種類が多く、園芸品種では数百種類あり、品種ごとに個性的な特徴を持っています。
代表的な品種は「ルードヴィッヒ系」で大輪の花を咲かせますが、品種改良により小輪系のアマリリスも増えています。
こちらでは、大輪系の代表的な品種をいくつかご紹介します。
ヒッペアストルム パピリオ
アマリリスの原種のひとつで、緑がかった白い花びらに深紅の筋が入った独特の美しさを持っています。
キャンディーケーン
白い花びらに刷毛で塗ったような朱赤色が入っていおり、
アップル ブロッサム
ほんのりピンク色の花びらに白が混じっているのが特徴で、大輪の花が咲く人気の品種です。
りんごの花に似ていることから「アップル ブロッサム」という名前が付けられています。
シロスジアマリリス
葉の中央に白い線と花に白い筋が入ることから「シロスジアマリリス」という名前が付いており、秋に開花する品種です。
薄いピンク色の花びらに白い筋が入った花が咲きます。
品種 | 開花期 | 花径 | 草丈 |
---|---|---|---|
ヒッペアストルム パピリオ | 春 | 10~20cm | 30~50cm |
キャンディーケーン | 春 | 20~25cm | 40~70cm |
アップル ブロッサム | 春 | 20~25cm | 70cm以上 |
シロスジアマリリス | 秋 | 10~20cm | 40~60cm |
アマリリスはどんな花が咲く?

アマリリスの花は大きく豪華で、ユリに似た形をしています。
花の直径は15~20㎝と非常に大きく、花びらは厚みがありベルベットのような光沢を帯びた質感をもっています。
色のバリエーションも豊富で、赤、白、ピンク、オレンジ、黄色のような単色から、2色のグラデーションやストライプ模様のものまで多彩です。
アマリリスの葉っぱの形

アマリリスの葉っぱの形状は、花の豪華さとは対照的に細長くシンプルな形状をしています。
葉の表面は滑らかで柔らかく、しっかり厚みがあり、幅2~5㎝、長さ30~50㎝です。
葉は球根から直接伸びており、根元から対になって生える特徴があります。
アマリリスの花言葉
アマリリスの花言葉は「誇り」「素敵」「おしゃべり」です。
アマリリスの育て方
アマリリスは球根植物のため、適切な環境で手入れをすれば毎年美しい花を咲かせてくれます。
以下で、アマリリスの育て方について解説します。
水やりの頻度

アマリリスは、球根の植え付け時に水をたっぷり与えたあとは水やりは控えめにします。
鉢植えの場合は、土が乾いたら適度に水やりをしましょう。
秋に葉が枯れはじめたら徐々に減らし、休眠期には土が完全に乾いてからごく少量与えてください。
地植えの場合は、ほとんど水やりは必要ありません。
肥料のあげ方
アマリリスは多肥を好む植物なので、開花前から花後まで定期的に肥料を与えてください。
植え付け時に、粒状肥料を植え付け時に土に混ぜ込みます。
追肥は春から秋にかけて、月1~2回を目安に水やりと一緒に液体肥料を与えましょう。
特に開花中に十分な栄養をあげることで、翌年も花を咲かせる球根が育っていきます。
一方で、休眠期の冬には肥料を与える必要はありません。
病害虫・害虫対策
アマリリスは基本的に病害虫に強い植物ですが、赤斑病(アカボシビョウ)やダニには注意が必要です。
ここで主な病害虫対策について説明します。
赤斑病(アカボシビョウ)
- 葉や球根に赤い斑点ができる
- 放置すると株は弱り枯死してしまう
赤斑病はアマリリスに見られる真菌(カビ)による病気のため、水はけの良い土を使い、風通しの良い場所で育てましょう。
また、球根を植え付ける前に殺菌剤で処理するのも効果的です。
ダニ
- 乾燥した環境を好み葉の裏に潜む
- 養分を吸い取ることで株を弱らせ枯らせる
適度に葉に水をスプレー等でかけてあげることで、湿度を保つことが大切です。
また、ダニ専用の殺虫剤などを散布することも必要に応じて行いましょう。
アマリリスの開花時期

アマリリスは育てる環境や球根の品種によって、春に咲くタイプと秋に咲くタイプに分けられます。
開花時期は4~7月頃、または10月頃
春咲きのアマリリス
一般的に多くの園芸品種が春咲きのタイプに当てはまります。
球根の植え付けは10~12月で、4~5月に開花します。
開花時期を少し遅らせたい場合は、冷暗所で球根を保管し、植え付けを遅らせると良いでしょう。
秋咲きのアマリリス
原種や一部の改良品種に見られるのが秋咲きのアマリリスです。
球根を夏に植えて、10~11月に花を咲かせます。
暖かい気候を好む品種が多く、冬を越さないため寒さにはやや弱い傾向があります。
アマリリスの花が咲かない原因は?
アマリリスの花が咲かない原因はいくつかあります。
- 球根の栄養不足
- 球根を植えた場所が深すぎる
- 球根の休眠不足
- 日当不足
- 水やり方、または水不足
- 病害虫の影響で花芽が形成されにくくなっている
アマリリスの花が咲かない原因の多くは球根の状態にあります。
球根の管理方法を見直し、適切な栽培環境を作ることが大切です。
アマリリスの花後の手入れ
アマリリスの花後の手入れは、球根を元気に育てるために重要な作業です。
以下、具体的な方法を説明します。
花がら摘み|タイミングとやり方
咲き終わったアマリリスは、球根に栄養を集中させるためにすぐに花がら摘みを行います。
花がら摘みのポイントは以下のとおりです。
- 咲き終わった花から一輪ずつ行う
- 花のつけ根から約5~10㎝の位置で切り取る
- 花茎全体が黄色く枯れている場合は、球根のすぐ上で切り取る
- 光合成を行うために、葉は残しておく
アマリリスは12~3月に休眠期に入る
アマリリスは花芽形成を上手に行うために、球根の休眠させます。
休眠期は12~3月で、秋頃に葉が枯れてきたタイミングで球根を堀り上げまて乾燥させます。
乾燥した球根は5~10℃程度の冷暗所で、8~10週間ほど休眠を行ってください。
枯れ葉摘み|タイミングとやり方
枯れ葉摘みはアマリリスの健康を維持し、球根に栄養を集中させるために必要な作業です。
寒くなってきて、葉が枯れたタイミングで枯れ葉摘みをしましょう。
- 必要な道具を準備する
- 葉の状態を確認する
- 枯れ葉の切り取り位置を確認する
- 枯れ葉を切る
- 切り取った葉を処理する
① 必要な道具を準備する
鋭いハサミまたは剪定バサミとゴム手袋、また切り取った葉を捨てるための小さなゴミ袋を用意します。
② 葉の状態を確認する
切り取る葉は完全に枯れて茶色くなっている葉のみにしましょう。
緑でまだ元気な葉は、光合成をさせるためにも残します。
③ 枯れ葉の切り取り位置を確認する
葉の球根に近い部分を観察し、茎や球根に負担を掛けないためにも球根から1~2㎝上部で切り取ります。
④ 枯れ葉を切る
ハサミや剪定バサミを使って切り取ります。
また、この時無理に引っ張ると球根を傷つけてしまうので注意しましょう。
⑤ 切り取った葉を処理する
切り取った葉は病気や害虫がいる可能性があるので、すぐにゴミ袋にいれて処分します。
球根を掘り上げて冬越しをする方法
球根の掘り上げとは、地上部分が枯れた後、土から球根を取り出して管理する方法です。
主に寒冷地や冬の霜が心配な地域で行われています。
- 葉が完全に枯れてから、球根を掘り上げる
- 根に付いた土を軽く落とし、傷んだ根は取り除く
- 風通しの良い日陰で数日乾燥させる
- 新聞紙で包んだり箱に乾燥剤を入れて、5~10℃の冷暗所で保管
球根を掘り下げて冬越しをする方法
霜の心配が少ない地域などでは、地中に球根を残したまま冬越しができます。
- 地上部分が枯れたら、葉や花茎を根元から切り取る
- 寒冷地は、地表をわらなどで覆うマルチングを行う
- 休眠中は肥料や水やりは不要
アマリリスの栽培環境
アマリリスは日光を好み、寒さには弱い植物です。
美しい花を楽しむためには、栽培環境を整えてあげることが大切です。
置き場所と日当たり
アマリリスは、半日以上日光が当たる環境で栽培するのが理想的です。
ただし、夏の強い直射日光では葉を傷める場合があるので、夏場は風通しの良い半日陰に移しましょう。
また、冬場はアマリリスの球根が凍らないように、屋内に取り込む必要があります。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
時期 | 発芽期 | 生育期 | 休眠期 |
適温 | 15~20℃ | 20~25℃ | 5~10℃ |
アマリリスは耐寒性が低く、0℃以下では球根が凍結してしまいます。
寒冷地などでは、鉢植えなどで管理し、室内へ取り込んでおく必要があります。
用土
アマリリスは、水はけがよく保水性がある土が適しています。
アマリリスの種まき

アマリリスは種から育てることができます。
ここでは、種まきと採種方法について説明します。
アマリリスを種から育てると大変?
アマリリスを種から育てた場合、開花まで3~5年かかります。
時間と手間はかかりますが、分球では2倍にしか増えないのに比べて、種から育てたほうがアマリリスの株を多く育てることができます。
種まきのやり方
アマリリスの種まきは3~4月に行うのが最適です。
- 種を軽く湿らせておく
- 鉢やトレーを準備する
- 種まき用の土を用意する
- 種まきをする
- 明るい日陰で管理する
- 発芽後は日当たりのよい場所へ移動する
① 種を軽く湿らせておく
アマリリスの種は小さく、乾燥していることが多いため、湿らせたペーパータオルなどに包んでおきましょう。
あらかじめ軽く湿らせておくことで発芽しやすくなります。
② 鉢やトレーを準備する
種まき用のトレーや鉢を流水でしっかり洗っておきます。
鉢底には必ず排水用ネットを敷いてください。
③ 種まき用の土を用意する
④ 種まきをする
⑤ 明るい日陰で管理する
土が乾いたら霧吹きなどで湿らせる程度に水を与えます。
日光を避けた明るい日陰で管理しましょう。
⑥ 発芽後は日当たりのよい場所へ移動する
発芽には1~2週間ほどかかります。
発芽後は日の当たる場所で、根がしっかり張るまで土が乾燥しないように水やりをしましょう。
アマリリスの採種方法
アマリリスは花を咲かせ受粉に成功すると、花の中央に種をつけた果実(種子袋)ができます。
果実(種子袋)が色づき、割れて中に黒い種が見えてくるタイミングで採種しましょう。
種をすぐまかない場合は、日陰で一週間ほど乾燥させて保存してください。
アマリリスは球根を植え付けて育てるのが一般的

アマリリスは、球根を植え付けて育てるのが一般的です。
球根の選び方
アマリリスの球根を選ぶ際は、大きく表面がしっかりとした質感で、ずっしりと重みのある球根を選びましょう。
また、球根や根元部分に傷やカビがないかも確認してください。
球根の植え付けにおすすめの時期は3月下旬~4月
球根の植え付けがおすすめの時期は、春先の3月下旬から4月です。
特に、庭植えなどの場合は真冬を避けることが大事なので、遅霜の心配がなくなった頃に行うのが良いでしょう。
鉢植え|球根の植え付けのやり方
- 鉢を用意する
- 水はけのよい土を用意する
- 球根を植え付ける
- 水やりをする
- 日当たりのよい場所で育てる
① 鉢を準備する
アマリリスの球根は比較的大きいため、鉢の大きさは直径20㎝以上で深さは20~30㎝ほどのものを選びましょう。
アマリリスは育つと重みがあるので、重みのある鉢を選んでください。
② 水はけのよい土を用意する
鉢底に鉢底石を敷き、その上に土を入れます。
土は水はけのよい軽めの培養土で、市販の「球根用培養土」や「草花用培養土」を使うのが便利です。
③ 球根を植え付ける
球根を鉢の中心に置き、球根の上部が土の表面から約半分くらい見えるように浅植えします。
球根の周りに土を優しく入れて、軽く押さえてください。
④ 水やりをする
植え付けたら、球根に水がかからないように少量の水を与えます。
過湿に注意しながら、土を乾き過ぎないようにしてください。
⑤ 日当たりのよい場所で育てる
植えつけ後は日当たりの良い明るい場所へ移動しましょう。
地植え|球根の植え付けのやり方
- 植える場所を選定する
- 植え付け用の土を準備する
- 球根を植え付ける
- たっぷり水やりをする
① 植える場所を選定する
地植えの場合は、日当たりの良く風の通る場所が良いでしょう。
また、水はけが良い場所であることも大切です。
② 植え付け用の土を準備する
③ 球根を植え付ける
20㎝程の穴を掘り、そこへ球根を植えつけます。
球根の上部が5㎝程度見えるように植えるのが良いでしょう。
植えた後は、土を周りに敷き軽く押さえて土が球根の根元にしっかりとつくようにします。
④ たっぷり水やりをする
植えつけ後は十分に水をあげ、その後は土の表面が乾いたら行うようにしましょう。
アマリリスの増やし方
アマリリスは分球で増やすことができます。
ただし、子球を肥大化させる必要があるので自然に分球できるまで待ち、数年に一度分球を行います。
分球におすすめの時期は休眠している10~11月頃
分球は、葉や茎が枯れた10~11月頃に行います。
成長期に分球すると、ストレスがかかりやすいため、休眠時期に行うのが適しています。
分球のやり方
- 株を抜き、球根を取り出す
- 親球から子球を分ける
- 分球した球根を乾燥させる
- 球根を保存する
① 株を抜き、球根を取り出す
球根を傷つけないように注意しながら、やさしく株を抜きます。
地植えの場合は、株のまわりの土を広めに掘り起こしてください。
球根のまわりについた土を落とし、丁寧に根をほぐしていきます。
② 親球から子球を分ける
親球についている小さな球根(子球)を手でやさしく引きはがします。
はがれない場合は、球根の間にナイフやはさみを差し込み、慎重に切り分けてください。
無理に引っ張ったりすると球根に傷がついてしまうことがありますので、注意しましょう。
③ 分球した球根を乾燥させる
分球した球根はやさしく土を落とし、風通しのよい半日陰で乾燥させます。
新しい根を伸ばす前に切り口が乾かすことで、病気が入りにくくなるメリットがあります。
④ 球根を保存する
球根が乾燥したら、茎や葉、根を取り除きます。
ピートモスやおがくずを入れた容器に球根を入れ、室内に置いて植え付けまで保存します。
保存後も時々チェックして、カビたりしていないか球根の状態を確認してください。
植え替えの時期はいつがいい?
アマリリスの植え替えは、3~4月に行うのが最適です。
休眠から目覚め、根が活発に成長し花を元気に咲かせる準備ができます。
鉢底から根が出てきている場合は、なるべく早めに植え替えを行いましょう。
植え替えのやり方
① 古い土や皮を取り除く
鉢から球根を取り出し、球根についた古い土を優しく取り除きます。
茶色くなった古い皮もやさしく剥がしてください。
古くて元気のない根は切り落とします。
② 植え替え用の鉢を用意する
植え替え用の鉢は球根に合わせて1~2サイズ大きめのものを選びましょう。
鉢の底には排水用の穴が空いているものを選びます。
③ 植え替え用の新しい土を用意する
排水性が良い土を用意します。
市販の観葉植物の土に、軽石やパーライトを混ぜると良いでしょう。
植え替え用の鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き、鉢の半分くらいまで土を入れます。
④ 球根を植え付ける
鉢に球根を起き、球根上部が土面から少し顔を出す程度に植え付けましょう。
植えた後は軽く土を押さえて安定させます。
⑤ 土が乾いたら水やりをする
植えつけ後はすぐに水を与えます。
その後は、土が乾いてから水やりをするので、1週間から10日後を目安にしましょう。
⑥ 明るい日陰で管理する
明るい日陰に置いて成長を見守ります。