観葉植物におすすめの化粧石のまとめ
公開日 2025年08月04日
更新日 2025年08月04日
監修者情報

覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

観葉植物におすすめの化粧石を紹介

化粧石はホームセンターやECサイト、100均などで購入でき、特徴の異なるさまざまな種類が売られています。
その中でも、特に以下の化粧石は観葉植物におすすめです。
おすすめの化粧石 | 色 | 大きさ | 重さ | 1kg当たりの価格帯 | pH | 通気性 | 排水性 | 保水性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
古仙岩 | ベージュ、アイボリー | 5~20mmほど | 非常に軽い | 約1,300円 | 不明 | ◎ | 〇 | 〇 |
頁岩 | グレー、褐色など | 2~40mmほど | 非常に重い | 約1,600円 | 中性~アルカリ性 | △ | △ | 〇 |
富士砂 | グレー、黒 | 3~10mm | 重い | 約1,000円 | 弱酸性 | ◎ | ◎ | 〇 |
白玉石 | 白、オフホワイト | 6~70mm | 重い | 約800円 | 中性 | △ | △ | △ |
寒水石 | 純白 | 0.4~10mm | 重い | 約300円 | 弱アルカリ性~アルカリ性 | △ | △ | △ |
黒玉石 | ダークグレー、黒 | 10~40mm | 素材による | 約300円 | 中性~弱アルカリ性(素材による) | △ | △ | △ |
赤玉土 | 赤みがかった茶色 | 2~20mm | やや重い | 約100円 | 弱酸性 | 〇 | 〇 | ◎ |
鹿沼土 | 黄色がかった白、黄色 | 2~15mm | 軽い | 約500円 | 酸性 | ◎ | ◎ | ◎ |
さんご砂 | 白、アイボリー | 10~150mm | 軽い | 約500円 | 中性~弱アルカリ性 | ◎ | ◎ | ◎ |
ゼオライト | オフホワイトやピンク、ブルーなど | 1~10mm | 軽い | 約400円 | 中性~弱アルカリ性 | ◎ | ◎ | ◎ |
化粧石を購入する際は、観葉植物や用土の性質によって、以下のポイントに注意して選ぶと良いでしょう。
- 湿気を好む品種は保水性重視、乾燥を好む品種は排水性重視
- ある程度の重さがあるか(水やりをしても土が浮いてこないか、発根管理している株を固定できるか)
- 酸性またはアルカリ性のどちらか一方に偏った化粧石はできるだけ避ける
古仙岩
色 | ベージュ、アイボリー |
大きさ | 5~20mmほど |
重さ | 非常に軽い |
1kg当たりの価格帯 | 約1,300円 |
合う植物 | サボテン、ハオルチア、アロエベラなど |
pH | 不明 |
通気性 | ◎ |
排水性 | 〇 |
保水性 | 〇 |
古仙岩はベージュやアイボリーの淡い色味をした化粧石で、コロコロとした見た目をしているのが特徴です。
通気性や排水性に優れた多孔質な化粧石なので、多湿に強い品種だけでなく、乾燥を好む多肉植物などにも使用できます。
ただし、軽石のように軽量なので、水やりによって土が浮くのを抑える効果は期待できません。
古仙岩がおすすめな人
- ナチュラルで優しい雰囲気を演出したい
- 通気性の良さを重視する
- 多肉植物に化粧石を使用したい
頁岩

頁岩(けつがん)はグレーや褐色などスタイリッシュな色味に、ゴツゴツとした岩のような見た目をした希少価値の高い化粧石です。
かなり重たい石なので、水やりによってで土が浮くのを抑えるのに効果的な反面、軽い鉢に使用すると重みで倒れてしまう危険性があります。
多孔質でないことから水持ちが良いため、土が乾いているかしっかりと確認したうえで水やりをしてください。
頁岩がおすすめな人
- かっこよくスタイリッシュな雰囲気を演出したい
- 石の重さを重視する
- 水やりの頻度を抑えたい
富士砂
色 | グレー、黒 |
大きさ | 3~10mm |
重さ | 重い |
1kg当たりの価格帯 | 約1,000円 |
合う植物 | サボテン、アガベなど |
pH | 弱酸性 |
通気性 | ◎ |
排水性 | ◎ |
保水性 | 〇 |
富士砂は、富士山の周りで産出される火山性砂礫です。
乾燥している時はグレーの色味で、水に濡れると黒色に変化する特徴から、モダンな化粧石として人気があります。
多孔質なので通気性や排水性に優れ、適度な保水性もあるので、多肉植物から観葉植物までさまざまな品種に使用することが可能です。
比較的重さもあるので、水跳ねを防止したり土を押さえたりなどの役割もしっかりと果たしてくれます。
富士砂がおすすめな人
- モダンな雰囲気を演出したい
- ブラックトーンの鉢を愛用している
- 簡単に入手できるものを選びたい
白玉石

白玉石は大理石を加工した美しい白色の化粧石で、なめらかな丸みを帯びた見た目をしています。
ホームセンターやECサイトだけでなく、100均で購入することも可能なので、手に入りやすく比較的安価です。
通気性や排水性が良くないので、過湿を避けるためには、土が完全に乾いたのを確認してから水やりをしましょう。
また、白さをキープするためには、定期的に水洗いしたり入れ替えたりするなどの手入れが必要です。
白玉石がおすすめな人
- 清潔感のある明るい雰囲気を演出したい
- 手軽に購入したい
- 定期的な手入れが苦にならない
寒水石
寒水石は盆栽によく用いられる純白の化粧石で、白玉石と同じく大理石を加工したものです。
白玉石はオフホワイト寄りの色味なのに対して、寒水石は雪のように真っ白な色をしています。
そのため、寒水石は光を反射しやすく、部屋を明るく見せるのに効果的です。
通気性や排水性、保水性はあまり期待できないので、薄く敷いたり土自体の通気性を良くしたりなどの工夫が必要となります。
寒水石がおすすめな人
- 部屋を明るく見せたい
- 観葉植物以外にも盆栽なども育ててみたい
- 化粧石の扱いに慣れている
黒玉石

黒玉石は主に庭石として使用されることが多く、天然石を加工したものやプラスチック製、ガラス製のものなどさまざまな種類があります。
天然石のものは重さもあり、水やりによって土が浮くのを抑える効果が期待できるでしょう。
いずれの素材も通気性や排水性、保水性が良くないので、土が完全に乾いているか確認してから水やりをしてください。
黒玉石がおすすめな人
- スタイリッシュかつクールな雰囲気を演出したい
- 安価でかっこいい化粧石を探している
- 天然石以外の素材を使用してみたい
赤玉土

色 | 赤みがかった茶色 |
大きさ | 2~20mm |
重さ | やや重い |
1kg当たりの価格帯 | 約100円 |
合う植物 | ポトス、サボテン、アデニウムなど |
pH | 弱酸性 |
通気性 | 〇 |
排水性 | 〇 |
保水性 | ◎ |
赤玉土は、小粒から大粒までのサイズが展開されていて、小粒は観葉植物の基本用土としても用いられます。
保水性に優れ、通気性と排水性が良いため、初心者の方も扱いやすい化粧石です。
ただし、経年劣化によってボロボロと崩れてしまうので、定期的に入れ替えるようにしましょう。
また、多少高価ですが「硬質」や「焼成」と記載されている赤玉土を購入するのが、型崩れしにくくておすすめです。
赤玉土がおすすめな人
- 化粧石を初めて使用する
- コスパが良いものを購入したい
- 通気性や排水性、保水性を重視する
鹿沼土

色 | 黄色がかった白、黄色 |
大きさ | 2~15mm |
重さ | 軽い |
1kg当たりの価格帯 | 約500円 |
合う植物 | アナナス、ホーリー、サボテンなど |
pH | 酸性 |
通気性 | ◎ |
排水性 | ◎ |
保水性 | ◎ |
鹿沼土は、主に多肉植物の基本用土として使用される化粧石で、硬く崩れにくいのが特徴です。
通気性や排水性、保水性に優れているので、初心者の方でも扱いやすいでしょう。
鹿沼土は酸性に傾きやすいので、酸性の土壌を好む植物に使用するのがおすすめですが、大量に使用すると土壌が強酸性になる恐れがあります。
また、経年劣化によって藻が発生するので、定期的に入れ替えてください。
鹿沼土がおすすめな人
- 酸性土壌を好む観葉植物を育てている
- 通気性や排水性、保水性の良さを重視している
- 軽くて丈夫な化粧石を探している
さんご砂
色 | 白、アイボリー |
大きさ | 10~150mm |
重さ | 軽い |
1kg当たりの価格帯 | 約500円 |
合う植物 | ガジュマル、パパイヤ、ヤシの木など |
pH | 中性~弱アルカリ性 |
通気性 | ◎ |
排水性 | ◎ |
保水性 | ◎ |
さんご砂は、珊瑚や貝を素材とした天然の化粧石で、素材本来の形がそのまま残っているのが特徴です。
多孔質なので通気性や排水性、保水性に優れていて、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。
また、病原菌の繁殖を抑止できるので、観葉植物の健康を守る効果も期待できるでしょう。
さんご砂がおすすめな人
- 南国風のインテリアを好む
- 観葉植物の健康を重視する
- 病原菌の繁殖を抑えたい
ゼオライト

ゼオライトは粒が小さい多孔質な化粧石で、天然鉱物に由来しているものや人工的につくられたものがあり、色のバリエーションが豊富です。
メリットとして、通気性や排水性、保水性に加え保肥力があります。
一方で、粒が細かくて軽いので土と混ざりやすく、化粧石としての役割がなくなる可能性が高いのがデメリットです。
なお、肥料焼けや根腐れを防止する効果が期待できるので、土に混ざったまま放置しても問題ありません。
ゼオライトがおすすめな人
- 手軽に化粧石を使いたい
- さまざまな色の化粧石を取り入れたい
- 肥料焼けや根腐れを防ぎたい
その他の化粧石代わりとして使える素材
マルチング材には、化粧石の他にも、さまざまな素材で作られたものがあります。
ここからは、化粧石として使えるおすすめの素材の特徴と、それぞれに合う観葉植物を紹介するので参考にしてください。
- ウッドチップ、バークチップ
- 麻袋(ジュート)
- ヤシの繊維
- くるみの殻
- 苔、水苔、ドライモス
- バーク堆肥、腐葉土
ウッドチップ、バークチップ

ウッドチップとバークチップは、樹木を加工して作られたマルチング材で、以下のような特徴があります。
マルチング材 | ウッドチップ | バークチップ |
---|---|---|
素材 | ヒノキやスギの木材 | アカマツやクロマツの樹皮 |
形 | 角ばっている | 丸い |
大きさ | 20~40mm | 10~100mm |
メリット | 価格が安く防虫や消臭の効果がある | 固くて丈夫で防虫効果がある |
デメリット | 劣化が早い | 価格が高い |
どちらも木の質感がそのまま残るので、ナチュラルな見た目を楽しみたい方におすすめです。
マルチング材として使用できる期間の目安は2~3ヵ月で、その後少しずつ土に混ざっていくことから、廃棄する手間が省けるでしょう。
ウッドチップやバークチップが合う観葉植物は以下の品種です。
麻布(ジュート)

麻布(ジュート)は、通気性や保水性に優れたマルチング材で、布製品なので折ったりカットしたりして自由自在に鉢にセットできます。
見た目をナチュラルかつ、おしゃれにしたい方におすすめです。
過湿を防ぐためには、水やりしてから乾くまで外すようにしましょう。
麻袋(ジュート)が合う観葉植物は以下のような品種です。
- サンスベリア
- エバーフレッシュ
- フィカス ウンベラータ
ヤシの繊維

ヤシの繊維は、ヤシの実の繊維を加工して作られたマルチング材です。
観葉植物の土にかぶせるだけなので、簡単に取り扱えます。
茶色の素材本来の色味に加えて、赤や緑に加工されたものもあるので、観葉植物の種類や好みに合わせやすいでしょう。
水やりの際は、ヤシの繊維を外してから行うことで土の過湿を防ぐことが可能です。
ヤシの繊維は以下のような観葉植物に特に合います。
くるみの殻

くるみの殻は、硬くて丈夫で経年劣化がしにくいのが特徴のマルチング材です。
くるみ本来の自然な色味にコロコロとした見た目が可愛いので、ナチュラルな雰囲気を演出できるでしょう。
保水性に優れているので、水やりの頻度を減らしつつ乾燥気味に管理してください。
くるみの殻が合うのは以下のような観葉植物です。
苔、水苔、ドライモス

苔や水苔、ドライモスは、観葉植物を和風な見た目にするのに効果的です。
いずれも保水性に優れているので、湿気を好む観葉植物に適しています。
生きている苔や水苔は、枯れると見栄えが悪くなるので、苔自体にも水やりの管理を徹底しなければなりません。
カビが発生しやすいため、こまめにチェックしながら、カビが発生した部分をトリミングするなどのメンテナンスが必要です。
苔や水苔、ドライモスは次のような観葉植物に合います。
バーク堆肥、腐葉土

バーク堆肥は樹皮を、腐葉土は葉っぱを発酵させて作られたマルチング材です。
一般的には土を改良させるために使用されますが、化粧石としての役割も果たします。
バーク堆肥は保水性と通気性を、腐葉土は排水性と通気性を向上させる効果があるので、観葉植物の品種に合わせて使い分けると良いでしょう。
バーク堆肥や腐葉土は以下のような観葉植物に合います。