花束の渡し方|花束贈呈シーン別のマナーと注意点
お祝いの贈り物にぴったりの花束ですが、マナーやタブーを知っておかないと、せっかくの花束が相手に喜んでもらえなかったり、かえって失礼になってしまったりすることがあります。
ここでは、花束の渡し方の種類や、花束の持ち方など、花束を渡す際に気をつけたいマナーと注意点について解説します。
目次
INDEX
花束の渡し方
花束は相手に直接手渡す機会が多いギフトでもあります。
そこで、実際に花束を手渡す際のマナーについても確認しておきましょう。
渡し方の種類 | 花束の渡し方 |
正式 | 右手で茎側を持った状態で相手に近づき、目の前で逆に持ち替えてから渡す |
略式的 | 左手で茎側を持った状態で近づき、そのまま渡す |
相手が左利きの場合 | 正式:左手で茎側を持った状態で相手に近づき、目の前で逆に持ち替えてから渡す 略式的:右手で茎側を持った状態で近づき、そのまま渡す |
正式な花束の渡し方
舞台上や式典などフォーマルな場で渡す際は、以下の正式な手順で行います。
正式な渡し方(相手が右利きの場合)
- 自身の右手で茎を掴み、左手で花を支えるようにして持つ
- 相手の前まで来たら左右を持ち替える
- 左手に茎、右手に花がくるように持って、相手に差し出す
相手の前で、相手の右手側に花束の元が来るように向きを180度替えるのがポイントです。
渡す際には、相手が受け取りやすいようリボンの結び目部分を避けて根元の方を持つとより良いでしょう。
略式的な花束の渡し方
プライベートなパーティーや家族・友人間での記念日のお祝いなどであれば、花束の渡し方もカジュアルになります。
略式的な渡し方(相手が右利きの場合)
- 左手で茎側を掴み、右手で花を支えるようにして持つ
- そのまま相手に花束を渡す
正式な渡し方のように、直前で持ち方を入れ替える必要はありません。
相手が受け取りやすい向きで渡すというポイントだけ確認しておきましょう。
相手の利き手が左手の場合の渡し方
相手の利き手が左利きの場合には正式と略式どちらの場合も左右が逆になります。
正式な渡し方(相手が左利きの場合)
- 左手で茎を掴み、右手で花を支えるようにして持つ
- 相手の前まで来たら左右の向きを替える
- 左手に花、右手に茎がくる状態で相手に差し出す
略式的な渡し方は以下の通りです。
略式的な渡し方(相手が左利きの場合)
- 右手で茎側を掴み、左手で花を支えるようにして持つ
- そのまま相手に花束を渡す
シーン別の花束の渡し方とタイミング
花束を贈るタイミングは、シーンによってそれぞれ異なります。
シーン | 渡し方 | タイミング |
式典 | 正式 | 表彰や挨拶の後など、司会者の指示に合わせる |
コンサートや舞台 | 正式 | イベントの演出に合わせる |
プロポーズやデート | 正式 or 略式 | その時々による |
卒業式 | 正式 | 司会者の指示に合わせる |
誕生日パーティー | 正式 or 略式 | パーティーに来てすぐ、もしくは終盤 |
歓送迎会 | 正式 or 略式 | 渡す相手の挨拶が終わった時 |
プライベートな記念日 | 略式 | 会ってすぐ、食事の終わりなど |
サプライズ | 略式 | サプライズしたいタイミング |
結婚式(両親宛) | 略式 | 結婚式の演出に合わせる |
それぞれのシーン別の渡し方について、より詳しく紹介します。
式典・コンサートや舞台・卒業式は正式な渡し方
式典やコンサート、卒業式など舞台上で花束贈呈を行う際には、基本的に正式な渡し方になります。
渡すタイミングは式次第によっても異なりますが、多くの場合は式の終盤や最後、舞台であれば公演がすべて終わった時です。
花束贈呈のタイミングにすぐ渡しに行けるように、事前に司会進行者とタイミングの打ち合わせを行っておきましょう。
歓送迎会・誕生日パーティーは正式・略式どちらの渡し方でもOK
送別会やパーティーなどで花束を贈る場合には、一般的に後半の場面で、挨拶が終ってから手渡す形になります。
この場合、相手が目上の人であれば正式な渡し方が良いですが、気心の知れた友人相手であれば略式でも大丈夫なので、場や相手に応じて正式と略式を使い分けましょう。
また、贈呈の時までに相手に花束の存在を見せないことも大切です。
可能であれば、持参ではなく会場宛に配送を依頼しておくのも良いでしょう。
プライベートな記念日・ サプライズ・結婚式は略式の渡し方
プライベートな記念日など、身内や気心が知れた相手に花束を渡す場合は正式でも略式の渡し方で構いません。
結婚式などで両親に花束を渡す場合も、あまりかしこまらず自然に渡す方が望ましいです。
誕生日や記念日などの大切な日に贈る花束は、当日より早く贈るのは構いませんが、遅れないようにするのがマナーです。
逆に、出産祝いや引越し祝いのように、環境が落ち着いてから贈る方が良いケースもありますので、状況に応じたタイミングで贈りましょう。
なお、配送で贈る場合には、相手が在宅している日がどうかをあらかじめ確認しておくのがおすすめです。
花束の持ち方
花を上に向け、右手で茎を持ち左手で花を支えるのが正式な持ち方です。
その際に、右手はリボンなどで束ねられたすぐ下の部分を、上から掴むようにして持ちます。
その状態で、左手は下からしっかり支えましょう。
完全に横にするのではなく、花がやや上向きになるように角度をつけるとより見た目が綺麗になります。
また、花束は鮮度を保つために茎に水分を含んだ紙が巻き付けられている場合があり、花を下に向けるとその水分が垂れてしまう恐れがあります。
花を下にして、ぶら下げるようにして持つのは絶対に避けましょう。
花束を渡すときの注意点
花束を渡す時に、注意すべきポイントをまとめて解説します。
また、渡し方だけでなく、贈る花束を選ぶ際に花の色や種類、本数についても気を配ることでより印象が良くなるでしょう。
気持ちをきちんと伝えるためにも、花束に関する基本のマナーを押さえておくと安心です。
持ち帰りに配慮する
会場で花束を手渡しする場合には、相手が自宅まで持ち帰らなければならない点についてもきちんと考えておきましょう。
運びやすいように、持ち帰り用の袋などを一緒に用意しておくのがおすすめです。
花束用の袋は、事前にフラワーショップに依頼しておけば対応してくれます。
また、あまりにも豪華すぎる花束は持ち帰るのも大変ですし、その後のお世話にも手間がかかるため、良い贈り花とは言えません。
予算との兼ね合いがうまく行かない場合には、高価な花を使ったコンパクトな花束にするか、花束以外の贈り物を添えるなどの工夫しましょう。
花束の色
花の色によっては、連想させるものが良くないことや、花言葉からタブーとされる場合があります。
新築祝いやお見舞いに赤色は避ける
- 赤い色が火=火災をイメージさせてしまう
- 花だけでなくラッピングも赤色を使わない
- 赤色は血をイメージさせるのでお見舞いの花にも向かない
新築祝いに花を贈る場合でも赤色の花束は避けた方が良いです。
結婚のお祝いに黄色はタブー
結婚のお祝いに赤や黄色のバラを贈るのもタブーになります。
母の日に贈るカーネーションも、色によって意味が変わってきます。
白は亡くなった母へ贈るものとされていますので注意しましょう。
アレンジに取り入れるのはOK
上記のような色のタブーはありますが、贈る相手の方の好みなどの理由でどうしても使いたい時もあるかと思います。
その場合には、他の色の花と組み合わせてアレンジに取り入れるのがおすすめです。
どんな色と組み合わせるかは、フラワーショップへ相談しましょう。
花束の種類
贈るシーンによっては、花束に使われている花の種類に注意する必要があります。
上記以外にも、花びらが散りやすい花も印象が良くないためお見舞いには向きません。
このほか、仏事に使われる小菊や輪菊や、ネガティブな花言葉を持つ花はお祝いのシーンには向きませんので注意しましょう。
花束の本数
- 4本、9本、13本は不吉な数なので用途を問わずNG
- 花束は奇数本で贈るのが良い、偶数はNG
- バラにはそれぞれ本数に意味がある
花束を構成する花の本数にも注意しましょう。
特に、結婚祝いなどの場合には偶数で割り切れてしまう=別れるを連想させてしまうので避けるようにしてください。
特にバラには、複雑な花言葉や意味が設定されているので、贈る場合には本数と意味を確認しておきましょう。
関連記事:バラ(薔薇)の花言葉|色・本数・組み合わせの意味を詳しく解説
花の花粉や香り
花の香りは良いものではありますが、場合によっては贈る相手の気分を害してしまう可能性があります。
花粉が飛びやすい花も贈り先によってはおすすめできません。
ユリは種類によっては香りだけでなく花粉が付きやすい花ですが、流通しているものは花粉を取り除かれている場合もあります。
\おしゃれな花束がいっぱい/
渡す前に傷まないようにする方法
しおれたり傷んだりした花束を贈るのはマナー違反です。
花束は美しい状態を保つためにも、渡す前の保管場所や保管の仕方には注意しましょう。
渡す前に花束が傷むのを防ぐために、以下のような方法があります。
- 風通しの良い涼しいところで保管する
- 直射日光やエアコンの風が直接あたらないようにする
- 保管する際は横にせず立てて置く
- 花びらを水で濡らさないよう気をつける
- 専用の鮮度保持剤を使用する
鮮度保持剤とは、切り花の鮮度を保つために必要な栄養や抗菌剤を含んだ専用の保水材のことです。
花束を買った時から着いている場合もありますが、無ければホームセンターや花屋で購入することができます。
また、渡すのが翌日以降になるのであれば、一旦ラッピングは外し花瓶やバケツなどの水につけて置くのもおすすめです。
移動に車を利用する際には、花束を一時的に車内に置いておくタイミングがあるかも知れません。
閉め切った車内は風通しが悪く、夏場であれば気温が急激に上がってしまうので花束を車に長時間放置するのは厳禁です。