樹木葬の献花の選び方は？里山・公園・ガーデン型の献花を解説

自然に還る葬儀方法として樹木葬が注目されています。

寂しい雰囲気を想像する人もいるかと思いますが、近年では管理のサポートや施設が充実して明るい雰囲気です。

樹木葬には西洋風・和風、ツツジやハーブなどのテーマがあります。

本記事では、樹木葬におけるお供物やお線香の取り扱い方などにも触れつつ、おすすめの花や、代表的な3つの樹木葬である里山・公園・ガーデン型を解説します。

樹木葬を検討中の方、お供えの方法を探されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

樹木葬（じゅもくそう）とは、墓石を設けず花木を墓標とするお墓

樹木葬は、一般的な墓石の代わりに花木を墓標とします。

自然に還りたいと望む人々から近年注目される葬儀のかたちで、管理費が比較的低いのも特徴です。

宗教的な制約がなく、墓石を必要としないため環境に優しいのも魅力の1つです。

樹木葬の種類と献花の注意点

樹木葬の主な種類は、次の3つです。

• • 里山型樹木葬
  • 公園型樹木葬
  • ガーデニング型樹木葬

それぞれ立地や埋葬方法が異なりメンテナンスにも違いがあります。

3種類の樹木葬の特徴やそれぞれに適した献花を順番に解説します。

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里山型樹木葬｜自然豊かな山林の墓地

里山型樹木葬は樹木葬の中で最も自然に還るイメージを強く持てる埋葬方法で、山林の定められた区画内に埋葬し、遺骨を土に還すのが目的です。

シンボルツリーを植えたり、生えている樹木から選んで埋葬することもあります。

一方、自然に還ることを重視して樹木を選定せず埋葬後は除草などの手入れをしないこともあります。

里山型樹木葬の献花には自然環境に調和し、野生の動植物に影響を与えないようなお花を選びましょう。

公園型樹木葬｜公園内に整備された墓地

公園型樹木葬は、霊園や墓地などの区画内に設けられた公園に埋葬する方法です。

綺麗に手入れされた四季折々の草花の中で、シンボルツリーや花壇の周囲に埋葬します。

里山型樹木葬よりも少ない土地で埋葬できるため、都市に近い場所でも行われ、アクセスしやすいのも特徴です。

献花には、公園の美観を損なわないようなお花を選びましょう。

手入れが大変なお花は避けたほうが無難です。

ガーデニング型樹木葬｜美しい庭園風の墓地

ガーデニング型樹木葬は美しく手入れされた庭園に埋葬する方法です。

華やかな西洋風の庭園が一般的ですが、日本庭園風の場所もあります。

都心部などアクセスの良い場所にも多く、休憩所などの施設が整っていることが多いです。

献花には観賞用のお花やイングリッシュガーデンなど、ガーデンに合ったお花を選ぶのが良いでしょう。

また、運営者に相談するとお花を植えられることもあります。

樹木葬のお花の贈り方と注意点

樹木葬ではお花を贈るときに注意したい点がいくつかあります。

樹木葬の選択をした気持ちを大切にしたお花を送りましょう。

献花できるか、郵送できるかなど気をつけたいポイントを紹介します。

遺族や葬儀社に供花や献花が可能か確認する

事前に遺族や葬儀社に確認しておくと安心です。

樹木葬によっては生態系維持や管理上の問題などが理由で供花や献花ができない場合があります。

供花や献花が可能であっても、持ち帰りが必要な場合や、花立てが設置されていない場合も考慮してお花を贈りましょう。

遠方の場合はお花の郵送が可能か葬儀社に確認する

葬儀の場所が遠方でお花を郵送したい場合、事前に葬儀社に確認することが重要です。

葬儀社を通さずにお花を郵送すると、受け付けられない場合もあります。

地域によって異なるお花を贈る際のマナーについても、葬儀社に確認しておくと安心です。

持ち込み可能なお花の種類や量を葬儀社に確認する

樹木葬によっては、持ち込めるお花の種類や量に制限が設けられている場合があります。

これは、納骨場所ではなく合同のスペースに献花するためや、他の動植物への配慮などが理由です。

一般的な献花のタブーとして、トゲや毒のあるお花、匂いが強いお花は持ち込みが禁止されていることが多いため、事前に葬儀社に確認しましょう。

季節や故人の好みに合わせたお花を選ぶ

供花や献花には、一般的な白菊や白いカーネーションのほかに、季節や故人の好みに合わせたお花を選ぶことができます。

色も白だけでなく、黄色やピンクなど、さまざまな色が用いられることもあります。

供花や献花の時期に合わせることで、特に樹木葬では季節の移ろいを感じらるでしょう。

樹木葬のお花の飾り方

樹木葬の種類や運営会社によって、お花の飾り方や供え方が異なる場合がありますが、一般的な方法を紹介します。

花立てはないのでお花は土や墓石に置いて飾る

一般的な樹木葬には、花立てが設置されていません。

そのため、お花を納骨場所の土や墓石に置いて飾ることが一般的です。

公園型樹木葬やガーデニング型樹木葬で献花台が別途設けられている場合は、指定された場所に献花してください。

ろうそくやお線香など火気厳禁の場合も

樹木葬は周りを自然で囲まれていることが多いため、山火事や他の草花への延焼を防ぐために、ろうそくやお線香などの火気を禁じていることがほとんどです。

一部施設では、専用区域で火気の使用を許可していることもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

お花やお供物は最後に持ち帰る

お花やお供物をそのまま残しておくと、匂いに引き寄せられた動物や鳥が集まり、危険や荒らしの原因となることがあります。

そのため、ほとんどの樹木葬ではお花やお供物を最後に持ち帰ることが決まりになっています。

このルールを守ることで、思わぬ怪我を防ぎ、大切な場所を綺麗に保てるでしょう。

里山型樹木葬におすすめのお花

里山型樹木葬におすすめのお花は、周りの自然に馴染む野草や山野草です。

落葉樹は冬に葉が落ちても春に芽吹き、夏には青々と生い茂るため、輪廻転生を感じられるとして落葉樹のお花も好まれます。

具体的なおすすめのお花を紹介します。

野草｜スミレ、フクジュソウ、ヤマユリなど

里山型樹木葬におすすめの野草はスミレやフクジュソウ、ヤマユリなどです。

スミレは「田園の幸福」という花言葉があり、里山型樹木葬にはぴったりのお花です。

フクジュソウは春の訪れを感じられ、里山型樹木葬に適していますが、茎には毒があるため誤って摂取しないよう気をつけましょう。

ヤマユリは山の中に凛と咲く姿から「荘厳」の花言葉が付けられていて里山型樹木葬の献花におすすめです。

山野草｜キキョウ、ヒメジョオン、シラネアオイなど

里山型樹木葬におすすめの山野草はキキョウ、ヒメジョオン、シラネアオイなどです。

キキョウは主張が強すぎない佇まいから「誠実」「気品」「清楚」の花言葉があり、里山型樹木葬にはぴったりです。

ヒメジョオンも白や淡い紫の可憐な小さな花を咲かせることから「素朴で清楚」の花言葉があり、里山型樹木葬に適しています。

シラネアオイは美しい白や紫の花を咲かせることから「山野草の女王」と呼ばれ、献花を華やかにしてくれます。

落葉樹の花｜コブシ、ヤマザクラ、シデコブシなど

里山型樹木葬におすすめの落葉樹の花はコブシ、ヤマザクラ、シデコブシなどです。

コブシは春になるとたくさんの白い花を咲かせ、遠くからよく見えるのでシンボルツリーとして人気があります。

ヤマザクラには「純潔」「高尚」の花言葉があり、枯れにくく寿命が長いことから好まれます。

シデコブシは暑さや寒さに強く、華奢な白やピンクの花を咲かせることから、里山型樹木葬のお花にぴったりです。

公園型樹木葬におすすめのお花

手入れが行き届いた四季折々の自然を感じられる公園型樹木葬には、季節の花や多年草、観賞用の花木がおすすめです。

季節の花は周りの景観とも相性が良く、自然に還る樹木葬の観念にも合います。

多年草は基本的に毎年自生するため、メンテナンスに手間がかかりにくいのが魅力的です。

観賞用の花木は花を楽しめるため好まれます。

季節の花｜チューリップ、ヒマワリ、コスモスなど

公園型樹木葬におすすめの季節の花はチューリップ、ヒマワリ、コスモスなどです。

春はチューリップがおすすめです。

花の色によって様々な花言葉があるため想いを込めて飾ることもできます。

たとえば、夏はヒマワリが良いでしょう。
鮮やかな黄色が周りを明るくし、見る人を元気づけてくれます。

秋はコスモスがぴったりです。

花びらが整然と並び咲く様子から、宇宙の星のようだと名付けられたコスモスは樹木葬に適しています。

多年草｜ラベンダー、バラ、アジサイなど

公園型樹木葬におすすめの多年草はラベンダー、バラ、アジサイなどです。

ラベンダーは暑さや寒さに強く、毎年花を咲かせるため公園型樹木葬のお花として好まれます。

バラは細かな手入れが必要ですが、周囲を明るくするおすすめのお花です。

トゲが少ない種類もあるので飾る際には検討しましょう。

アジサイは小さな花が集まって咲く様子から「家族」の花言葉があったり、色ごとに様々な花言葉があったりと、気持ちを乗せやすいのが魅力的です。

観賞用花木｜ツツジ、サザンカ、モクレンなど

公園型樹木葬におすすめの観賞用花木はツツジ、サザンカ、モクレンなどです。

ツツジは春から初夏にたくさんの華やかな花を咲かせるため、墓標としても人気があります。

サザンカは秋から冬にかけて開花し、大きくなると15メートルほどにまで成長するためシンボルツリーに適しています。

モクレンは空に向かって咲く様子が春の訪れを喜んでいるように見えることから「自然への愛」の花言葉があり、樹木葬にぴったりのお花です。

ガーデニング型樹木葬におすすめのお花

ガーデニング型樹木葬には、周囲の雰囲気に調和する花々を飾ることをおすすめします。

見た目が美しい観賞用植物、香り高いハーブ、成長しても高くならず外観を損ねない小低木が良いでしょう。

具体的なお花を以下に紹介します。

観賞用植物｜ガーベラ、パンジー、ビオラなど

ガーデニング型樹木葬におすすめの観賞用植物はガーベラ、パンジー、ビオラなどです。

ガーベラはくっきりした花姿と鮮やかな色が特徴で「前向き」という花言葉通り見るものを勇気づけてくれます。

パンジーには「田舎の喜び」という花言葉があり、ガーデニング型樹木葬にぴったりです。

ビオラにも「田園の喜び」というガーデニング型樹木葬に適した花言葉が付けられています。

ハーブ｜ローズマリー、ラベンダー、タイムなど

ガーデニング型樹木葬におすすめのハーブはローズマリー、ラベンダー、タイムなどです。

ローズマリーはシャープな香りが特徴で「変わらぬ愛」などの花言葉はガーデニング型樹木葬に適しています。

ラベンダーはポプリとしても愛されるフローラルな香りが特徴で、暑さや寒さに強く手がかからないのが魅力的です。

タイムは清々しい香りで枯れにくいことからガーデニング型樹木葬におすすめです。

小低木｜カルミア、ローズマリー、オレガノなど

ガーデニング型樹木葬におすすめの小低木はカルミア、オレガノなどです。

カルミアは初夏に白やピンク、紫などの可愛らしい花を咲かせ、その場を華やかに彩ります。

オレガノは「自然の恵み」という花言葉があり、ガーデニング型樹木葬にぴったりです。

樹木葬の献花に関するよくある質問

近年、人気が出てきた樹木葬はスタンダードになりつつあり、多くの方が興味を持っていますが、不明点がある場合も多いでしょう。

ここでは、樹木葬の献花に関してよくある質問を3つ紹介します。

献花の際に生花以外を供えても良い？

生花は供えた後に萎れて景観を損なうことがあるため、造花を勧める施設も増えています。

お供え全般が禁止されている場合は不可ですが、基本的に献花の際に生花を供えることは問題ありません。

心配な場合は、事前に葬儀社に確認することをおすすめします。

樹木葬用の花瓶や花立てはある？

樹木葬用の花瓶や花立ては基本的にありません。

樹木葬用の専用花瓶や花立てはほとんどの施設で用意されていません。

通常、献花は土の上や墓石の上に直接献花します。

樹木葬用のものではないですが、切り花の場合は御影石付きの花立てなど、風で飛ばされにくいものを一時的に使うのもおすすめです。

持参した花立てはお墓参り後、お花と共に持ち帰りましょう。

献花の頻度やタイミングは？

献花の頻度やタイミングに決まりはありませんが、施設によって年に1回や月に1回法要が行われます。

法要のタイミングで献花するのが目安になりますが、無理のない範囲で献花しましょう。

樹木葬は一般的に開園時間や受付時間が定められていますが里山型樹木葬は特に暗くならない日中、天気が良い日が行きやすいです。

樹木葬には故人にふさわしいお花で美しく飾りましょう！

今回は樹木葬に種類と、それぞれふさわしいお花の選び方などを解説しました。

樹木葬では故人の好きだった花、印象が似ている花、贈りたいお花を選びましょう。

また、季節のお花や樹木葬の種類や施設の雰囲気に合ったお花もおすすめです。

お花を選んで大切な故人を偲ぶ空間を美しく飾り、素敵な場所作りをしましょう。