花と植物を知る

独特な質感のある「ケイトウ」はクラシックなアレンジメントに最適

2021年3月3日

「ケイトウ」は鶏(ニワトリ)のトサカに似たユニークなフォルムが特徴の花です。ベルベットのようなあたたかみのある質感で、クラッシックな装いによく似合います。ガーデニングや園芸用の品種として多く流通していますが、切り花としても人気です。ケイトウは古くから栽培されており、その歴史は奈良時代までさかのぼります。今回は、ケイトウの特徴、育て方や管理のポイントのほか、花言葉なども詳しく紹介します。

「ケイトウ」の基本情報

ケイトウの特徴

ケイトウは、ヒユ科ケイトウ属(セロシア属とされることもある)に分類される、一年草の植物です。ケイトウは漢字で「鶏頭」と表記します。花姿が鶏のトサカに似ていることから、その名前が付けられました。

花色のバリエーションは豊富で、鶏のトサカに見立てられたレッドをはじめ、ピンク、イエロー、レンジ、パープル、グリーンなど、多彩なのが魅力です。

ケイトウの原産地は、熱帯アジアおよびアフリカなどとされています。そのため、寒さに弱い品種です。

ケイトウの歴史は古く、日本には中国を経由して、奈良時代頃に伝来したとされています。

ケイトウの別名

ケイトウは、「ケイカンカ(鶏冠花)」、「カラアイ(韓藍)」、「セロシア」などの別名があります。

カラアイはケイトウの古い呼び方で、万葉集に登場する名前です。美しい藍色の意味もあり、ケイトウは古くは染料の材料としても使われていました。

現在も「韓藍色(カラアイイロ)」の色名があります。「セロシア」はケイトウの学名をそのまま発音したものです。

ケイトウの育て方や管理のポイント

ケイトウはもともと熱帯地域に分布する植物のため、寒さに強くありません。そのため、日当たりの良い場所で育てましょう。

強い日差しや暑さに強いものの、多湿を苦手とするため、水はけと風通しが良い場所で管理します。ただし、水切れしないように、土の表面が乾燥したら、たっぷりと水を与えましょう。

ケイトウは比較的栽培しやすく、種からもよく育ちます。したがって、初心者の方にもおすすめです。

開花期間が長く、庭を彩る園芸花として楽しめるほか、寄せ植えなどにも適しています。

なお、ケイトウの花は水にぬれたり、湿気が多かったりするとカビが生えやすいため、水やりや、切り花の水替えの際は注意しましょう。

【ケイトウの基本的な栽培方法】
・種まき…4月~5月
・植え付け…5月~7月
・植え替え…5月~7月
・開花期…7月~11月
・肥料やり…5月~8月

「ケイトウ」の花言葉

ケイトウには花色別の花言葉はありません。全般に、次のような花言葉があります。

・色あせぬ愛
・色あせぬ恋
・おしゃれ
・個性
・博愛
・奇妙
・風変り
・気取り屋

ケイトウは乾燥させてもあまり色あせしないため、ドライフラワーの材料にも適しています。そのため、「色あせぬ愛」や「色あせぬ恋」などの花言葉がついたと考えられます。

また、ユニークな花姿から連想される「おしゃれ」「個性」「気取り屋」などの花言葉も、ケイトウにぴったりです。

「ケイトウ」の品種や種類

ケイトウは、花の形や大きさがさまざまであり、花姿によって、以下のように分類されます。

・トサカケイトウ(クリスタータ)系…「ボンベイレッド」や「トレアドール」といった、花穂が鶏のトサカのように見える品種

・久留米(クルメ)ケイトウ系…「アーリーローズ」のように、花穂が密に折り重なって球状になる品種

・ヤリケイトウ(キルドシー)系/キャンドル系…「アマランサス」や「八千代」など、花穂が槍のような円すいのフォルムが特徴の品種

・羽毛ケイトウ(プルモサ)系/フサゲイトウ系…「センチュリー」や「ゴールデン・フェザー」などの、羽毛状、房状に花をつける品種。

・キモノケイトウ(ミニケイトウ)系…「キモノ」シリーズで知られる、羽毛ケイトウの矮性品種

・ノゲイトウ系…「セロシア」や「シャロン」などの原種に近い品種

「ケイトウ」の豆知識

ケイトウの花に見える部分は「茎」

ベルベットのような独特な質感のある花姿のケイトウですが、実際の花は、そのつけ根の部分に咲きます。

鮮やかに色づいた部分は花弁ではなく、茎が変化したものです。つけ根の部分を良く見ると、小さな花がたくさん咲いているのがわかります。

花が終わると、同じ場所に種ができます。

ケイトウを食用にしている国がある

観賞用の園芸品種で知られるケイトウですが、東南アジアやアフリカなどで、花と葉を食べる習慣があります。また、国によっては、豚などの家畜のエサとして活用しています。

日本でも、古くは染料用のほか、食用としても栽培されていた時代がありました。若葉などの柔らかい部分はクセが少なく、アク抜きして、炒めものやごま和えなどでおいしく食べられます。

食用に使う場合は、農薬などを使わずに栽培しましょう

まとめ

ベルベットのような質感で、あたたかみのあるケイトウは、クラシックな雰囲気も併せ持つのが魅力です。ガーデニングや栽培用の園芸品種としてよく知られていますが、切り花としても人気です。シックな装いや、大人っぽい雰囲気の花束やアレンジメントに仕立てたい場合は、ぜひケイトウを加えましょう。スタイリッシュで落ち着いた装いのフラワーギフトをお探しの方には、花と植物のギフト通販サイト「HanaPrime(ハナプライム)」のご利用がおすすめです。

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