お祝いに頂いた美しい胡蝶蘭、長い間楽しませてもらったけれど、ついに花が枯れ始めたような時、寂しさと同時に「この胡蝶蘭をどうしたら良いか?」が脳裏に浮かぶのではないでしょうか?
「引き続き育てるのか?」或は「処分してしまうか?」
今回は両方のパターンに関して分かりやすく説明します。
目次
胡蝶蘭を処分するケース
美しい胡蝶蘭も花が終わってしまうと、引き続き自分で育てるか?または処分するか?悩ましい問題ですが諸事情から処分せざるを得ない場合もあるでしょう。
現実的な処分方法としては次の3つの方法が考えられます。
どのようなやり方が自分にとって最適かを検討してみてください。
ゴミとして廃棄する
お金を掛けずに自分で処分する場合は解体して捨てましょう。
ただし、解体する為の労力と時間が掛かります。
お住まいの地方自治体の分別ルールに従って捨てるようにしてください。
回収してくれるお店や業者を探す
これは新規開店などで大量の胡蝶蘭を処分しなければならないような場合に便利な方法です。
自分で運搬する手間も省けますし一度に回収が完了します。
ただし、業者によっては回収費用以外に出張費用などを請求される場合もありますから事前のチェックが必要です。
買い取りしてもらう
これは胡蝶蘭専門の買い取り業者に依頼して買い取ってもらう方法です。
花があり、状態のよい胡蝶蘭なら高い値段が付きますが、花が終わった胡蝶蘭には買値が付かない場合もあります。
買い取りの為に業者が事前に胡蝶蘭の状況を確認して査定する必要がありますから、その出張費用が掛かる場合もあります。
花が枯れた胡蝶蘭を自分で育てるケース
最初に知っておかなければいけないことは、長期間に渡って美しい花を咲かせていた状態は胡蝶蘭の株に取って非常に負担になっていたということです。
冬を越して、もう一度花を咲かせる為には一度、株自体に体力を蓄えさせる必要があるのです。
何しろ大きな仕事を終えた直後ですからね。
胡蝶蘭の花が落ちたら茎を切って株に栄養を集中的に回すことで株は回復していきます。
最初に贈答品として胡蝶蘭が届けられた時には、多分3本立てや5本立ての「寄せ植え」の状態だったと思います。
しかし、疲れた株に休息を与える為には、1本ずつ分けた状態に植え替えた方が栄養や酸素が行き渡りやすくなるので望ましいのです。
株の成長時期で植え替えのシーズンでもある4~6月に植え替えを検討してください。
植え替えの手順は?
植え替えの際には、一株ずつ小さな素焼き鉢に水苔やバーク(樹皮を粉砕したもの)と共に植え込みます。
胡蝶蘭の場合は通常の植物を植える時と決定的に違うことがあります。
それは胡蝶蘭の栽培に「土」は一切使用しない!ということです。
「土」に植えてしまうと呼吸ができずに枯れてしまいますから要注意です。
そして、植え替える時にすべきことは、もし黒っぽく変色している根があれば腐食しているので根元から切り取ります。
胡蝶蘭は非常に生命力の強い植物ですから根がほとんどなくなっても根は再生しますから心配はいりません。
この作業に使用するハサミも事前にライターなどの火であぶるなど、消毒してから作業してください。
植え替えが終了すれば、今度は胡蝶蘭の茎の部分をカットする必要があります。
この時に茎のどの辺を切るかですが、2通りの切り方があります。
まず根元ぎりぎりからバッサリと切る方法ですが、
この切り方では、上部の茎がまったくなくなるので養分のすべてが株に行き渡り、十分に健康に育つことになります。
もし、来年以降も元気に美しい花を期待するのであればおススメの方法です。
さて、もう一つの切り方ですが、これは根元から2~3節目をカットしてやる方法です。
この切り方をすれば、カットしたすぐ下の節から新芽が出てきます。
そして数カ月もすると再度、美しい花(二番花)を咲かせることができるのです。
但し、この方法は胡蝶蘭にとっては休む間もなくハードワークが続くので体力的に非常に消耗することになります。
ですから特別な理由がない限りは、根元からのカットが良いのではないでしょうか。
植え替え後の胡蝶蘭を置く場所は?
株の根や茎を切って鉢に移した胡蝶蘭も不適切な場所に置くと枯れてしまう場合があるので要注意です。
まず春から秋はカーテン越しの明るい日の当たる部屋に置きます。
ただし、直射日光に当たると葉焼けして白っぽくなるので風通しの良い日陰に置きましょう。
南国原産の植物ですから寒さには弱いです。
気温が10℃以下になると成長が停止します。
防寒として段ボールをかぶせるなど工夫して極力、温かい部屋に置いてやるようにします。
植え替え後の水やりや肥料は?
植え替え直後の1週間は何も与えなくて構いません。そして1週間が経過した頃からコップ一杯程度の水を与えるようにします。
胡蝶蘭の育て方で最も守るべき重要なポイントが「水をやり過ぎないこと!」です。
必ず水苔などが乾燥していることを確認した上で水やりをするように習慣付けてください。
過度の水やりは根腐れを誘発し枯らしてしまいます。
では肥料に関してはどうでしょうか。
本来、胡蝶蘭は肥料などを必要としない生命力の強い植物です。
ただ家庭で育てる場合には成長を少しでも促進させる為に与えているということです。
胡蝶蘭の肥料としては少し薄めた液肥で十分です。
固形肥料を置くと水苔などが傷んでしまう場合があるので注意が必要です。
まとめ
事情があって残念ながら処分しなければいけない人もいらっしゃるでしょうし、逆に一念発起して育てる決心をされた方もいるでしょう。自分の手で育ててみようという方は是非、頑張って翌年も美しい胡蝶蘭を咲かせてください!
一般的には胡蝶蘭を育てるのは、かなりハードルが高く難しいと考えられがちですが、水やりや植え替え、温度管理に注意すれば十分に美しい花をあなたの手で再現することが可能です。
「胡蝶蘭栽培」が日常の楽しみになりますよ。