七五三のお祝いにおすすめのお花とは?記念日を彩る縁起の良いものを
「七五三(しちごさん)」は、子どもの健やかな成長をお祝いする日本の伝統行事です。
毎年11月15日前後に神社を訪れて、七五三詣で(もうで)をする方が多く見られます。
七五三を迎える子どもがいる親せきや友人などにお祝いを贈る場合、品物選びに迷ったら、お花のギフトがおすすめです。
縁起の良いお花を選び、記念に残る七五三となるようお祝いの気持ちを伝えましょう。
そこで七五三のお祝いに適したおすすめのお花や、贈るときのマナーなどを紹介します。
目次
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七五三は子どもの成長を祝う日本の伝統行事
七五三は、名称に使われている漢数字の通り、7歳、5歳、3歳の子どもの健やかな成長を祝う、日本の伝統行事です。
毎年11月15日が七五三とされており、神社を訪れて七五三詣でをしたり、ご祈祷を受けたり、などが慣例となっています。
ただし、現在では11月15日にこだわらず、前後の土日などに行う家庭も多く見られます。
七五三を迎える子どもは晴れ着を着用するのが一般的
七五三詣での際に、対象となる子どもは晴れ着を着用して参拝するのが一般的です。
和装、洋装どちらでも構いませんが、普段着ではなく、フォーマルな格好で行うのが理想です。
女の子の場合、和装なら着物、被布(ひふ)、帯、髪飾り、草履、足袋などを着用し、洋装では華やかなドレスを身に着けます。
男の子は、和装の場合は着物、羽織(はおり)、袴(はかま)、短剣、草履、足袋などを身に着け、洋装ならスーツの着用が多く見られます。
七五三の縁起物「千歳飴(ちとせあめ)」
七五三といえば「千歳飴(ちとせあめ)」がつきものです。
「千歳」とは、「千年」を意味します。
千年は長い時間を表しており、「千歳」は長生き、長寿をイメージする縁起の良い言葉なのです。
また、千歳飴は、長い棒状の形が特徴です。
こうしたことから、千歳飴には子どもの長寿と健やかな成長への願いが込められていることがわかります。
ちなみに、千歳飴の大きさは、直径1.5cm、長さは最大で100cm以内という決まりがあります。
細く長い上、かたい千歳飴はそのままでは食べにくいので、袋に入れたまま、上からたたいて小さく割ってから食べましょう。
余ってしまった場合は、料理用の砂糖代わりに使うことも可能です。
七五三のはじまりは江戸時代
七五三の由来については諸説ありますが、江戸時代、11月15日に第5代将軍徳川綱吉の長男「徳松」の健康を祈願したのがはじまりとされています。
その後、七五三は関東圏の地方風習として定着し、大阪や京都にも伝わったことを機に、次第に全国に広まりました。
伝統行事として現代にも受け継がれています。
もともとは数え年の7歳、5歳、3歳の子どもが対象
七五三の対象となるのは、7歳、5歳、3歳の子どもです。
加えて、7歳は女の子、5歳の男の子、3歳の女の子(男の子の場合もある)、のように、それぞれの年齢により、対象となる性別も異なります。
七五三は、元来、年齢ごとに別々の行事として扱われていました。
最初に七五三の風習が定着した関東圏では、以下のように、異なる神事であると考えられています。
- 3歳の女の子「髪置きの儀(かみおきのぎ)」…髪を剃る習慣を終え、伸ばすためにきちんと整える儀式。
- 5歳の男の子「袴儀(はかまぎ)」…袴(はかま)の着用を始める儀式。着袴(ちゃっこ)と呼ばれることもある。
- 7歳の女の子「帯解きの儀(おびときのぎ)」…着物を着る際、大人と同じ帯を結び始める儀式。
上記の年齢はもともと数え年であり、実際には子どもの満年齢が2歳、4歳、7歳になる年に七五三をお祝いするのが慣習でした。
現在は、七五三の漢数字の表記通り、満年齢が3歳、5歳、7歳の年にお祝いするのが一般的です。
また、7、5、3は縁起の良い数字と考えられていることから、性別に関係なく、3回すべてお祝いするケースもあります。
「15」は縁起の良い数字
七五三は毎年11月15日に行われるのが慣例です。
これは、七五三のはじまりとされる徳川徳松の健康祈願の神事が11月15日に行われたため、そのまま慣習化したと考えられています。
また、「15日」は旧暦では満月になることが多い上、二十八宿(にじゅうはっしゅく)の「鬼宿日(きしゅくび/きしゅくにち)」にあたり、何事をするにも吉である日とされていました。
古代中国の天文学に用いられた二十八宿(月が宿る28星座のこと)の考え方によると、鬼宿日とは、鬼が外を出歩かないため、邪魔をされることがなく、最上の吉日とされています。
加えて、旧暦の11月は作物の収穫を終える時期であり、神さまにその年の実りを感謝する月でもありました。
そうした意味のある月の満月に、神さまへの感謝の意を伝えるとともに、子どもの健やかな成長を一緒に祈願する習慣が定着したとも考えられています。
ただし、現代では、ライフスタイルの変化にともない、11月15日当日ではなく、休日に合わせて、前後の土日などに七五三のお祝いをする家庭も増えています。
11月は、寒冷地などでは、年によっては降雪も見られる寒い時期であり、10月中に七五三のお祝い行うケースも珍しくありません。
ちなみに、11月15日に含まれる数字である「1、1、1、5」をすべて足すと、合計は「8」になります。
8は漢字で「八」と表記し、日本では、末広がりの縁起の良い数字で知られています。
したがって、七五三が行われる11月15日には、子どもの繁栄や発展を願う気持ちが込められているという一説もあります。
お祝いを受け取る相手が七五三を行う日までに贈るのがマナー
七五三のお祝いを贈るときは、受け取る相手が七五三を行う日までに贈るのがマナーです。
七五三は11月15日に行うのが従来の慣習ですが、現代では、前後の土日や、場合によっては前月にお祝いする家庭もあります。
そのため、お祝いを贈るときは、相手がいつ七五三を行うか、事前に確認することをおすすめします。
また、七五三の当日は、晴れ着の着用、神社への参拝、写真撮影、食事会などであわただしくなるので、遅くとも前日までに贈るのが、相手にとって親切です。
なお、七五三のお祝いの金額は、親戚なら5,000~10,000円前後、友人や知人の場合は3,000~5,000円前後を目安にしましょう。
七五三のお祝いに贈るお花は縁起の良いものを
七五三の主役は、7歳、5歳、3歳の子どもです。
したがって、子どもが喜ぶお花を贈りましょう。
また、用途がお祝いであるため、縁起が良いとされる種類を選ぶのがおすすめです。
カラーは、ピンク、レッド、オレンジなど、カラフルで華やかな色合いが適しています。
なお、男の子のいる家庭であれば、ブルー系のカラーも喜ばれます。
【七五三のお祝いにおすすめのお花(1)】胡蝶蘭
胡蝶蘭(こちょうらん)は、ヒラヒラと舞う蝶々をイメージするフォルムが特徴の花です。
幸福を運んでくる縁起の良い花で知られており、お祝いとして贈るのに適しています。
白い胡蝶蘭が多く流通していますが、ピンク、イエロー、オレンジ、ストライプなどのカラーバリエーションもあります。
七五三のお祝いとして贈る場合は、カラフルなものがおすすめです。
【七五三のお祝いにおすすめのお花(2)】バラ
バラは七五三の髪飾りのモチーフに使われることもあり、見た目も華やかで、お祝い用の花にも適しています。
女の子に贈る場合、ピンク系カラーのバラがおすすめです。
ピンクのバラには、上品、かわいい人、美しい人などの花言葉があり、女の子への贈り物にぴったりです。
なお、ブルーのバラには、祝福、夢がかなうなどの花言葉があるので、男の子への贈り物におすすめします。
【七五三のお祝いにおすすめのお花(3)】菊などの季節の花
七五三の時期に見頃を迎える秋の花も、贈った相手に喜ばれるギフトの1つです。
中でも、生命力、高貴、高潔といった花言葉を持つ菊がおすすめです。
菊は仏花に多く使われることから、縁起が悪いというイメージを持つ人もいますが、実は縁起の良い花であり、邪気を払ったり、長寿を祈願したりする際のシンボルフラワーとして用いられた歴史もあります。
やや地味な花というイメージもありますが、品種改良が進み、現在では花の形やカラーバリエーションが多彩で、贈り物にもぴったりです。