「アマリリス」は、長く伸びた茎の先に、ユリに似た気品のある花を数個咲かせます。花が隣り合って咲く姿はなんともにぎやかで、かつ華やかさもあります。そのため、花束やアレンジメントのメイン花にぴったりです。アマリリスというと、大輪のイメージが強いですが、中輪系やミニタイプもそろっており、さまざまな花姿を楽しめます。今回は、アマリリスの特徴や品種といった基本情報に加えて、花言葉や注意点なども、詳しく紹介します。
目次
「アマリリス」の基本情報
アマリリスの特徴
アマリリスは、ヒガンバナ科ヒッペアストルム属に所属する球根植物です。
長く伸びた太い茎の先に、ユリのような花を2~4つほど咲かせます。
花色は、レッド、ホワイト、ピンク、複色などがあります。
つぼみのときは上を向いていますが、花が開くと横向きになるのが特徴です。なお、品種改良により、上を向いて咲くタイプも流通しています。
開花期は春~初夏がメインですが、秋咲きの品種もあります。
アマリリスの原産地は南アメリカや西インド諸島などです。約90種の原種が分布するとされています。
アマリリスが日本に伝来したのは江戸時代末期頃とされており、当時渡来した品種名で、「ジャガタラスイセン/ジャガタラズイセン(咬吧水仙)」、「キンサンジコ(金山慈姑)」、「ベニスジサンジコ(紅筋山慈姑)」などの和名で呼ばれることもあります。
ヒッペアストルム属とアマリリス属について
一般的に「アマリリス」の名前で市場に流通している園芸品種はヒッペアストルム属に所属するものですが、同じヒガンバナ科に「アマリリス属」と呼ばれる分類があります。
アマリリスは、かつて、ヒッペアストルム属ではなく、アマリリス属に分類されていました。その属名がそのまま残り、「アマリリス」と呼ばれている経緯があります。
なお、アマリリス属に所属するのは、「ホンアマリリス(アマリリス・ベラドンナ、ベラドンナリリー、ネイキッドレディー)」、および「アマリリス・パラディシコラ」の南アフリカ原産の2種類のみです。
ホンアマリリスは、明治時代末期頃に日本に伝来したといわれています。数は少ないものの、園芸品種として販売されていることがあります。
アマリリスの育て方や管理のポイント
アマリリスは日光を好みます。日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。
市販の培養土でもよく育つので、ガーデニング初心者にもおすすめです。
アマリリスは暑さに強い植物ですが、真夏は半日陰になる場所で管理します。また、梅雨や秋雨の時期などは、雨にあたらないように注意しましょう。
寒さには弱いため、冬場は根が凍らないように冬越しさせます。マルチングや盛り土などが有効です。
水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷり与えるくらいのペースで問題ありません。なお、葉が枯れてきたら水やりを減らし、冬場は乾燥気味に管理します。
アマリリスの太くて長い茎は空洞になっており、折れやすいので注意しましょう。鉢植えや庭植えの場合、茎が折れないように支柱を活用するのも1つの方法です。
切り花の場合、茎が折れてしまっても、短めにカットしてアレンジメントにすれば、かわいらしく見えます。
【アマリリスの基本的な栽培方法】
・種まき…―
・植え付け…3月~4月
・植え替え…3月~4月
・開花期…4月~6月/10月
・肥料やり…5月~8月
「アマリリス」の花言葉
アマリリス全般には、次のような花言葉があります。
・誇り
・素敵
・内気
・おしゃべり
・強い虚栄心
・素晴らしく美しい
・輝くばかりの美しさ
上記のうち、「素晴らしく美しい」および「輝くばかりの美しさ」は、特にピンクのアマリリスにあてはまる花言葉とする場合もあります。
同様に、「内気」および「強い虚栄心」の2つは、パープルのアマリリスが持つ花言葉とされています。
「アマリリス」の品種や種類
アマリリスには数百種類の園芸品種があるといわれています。
花の大きさ別の代表的な品種は次の通りです。
【大輪系】
・ルードヴィッヒ系
・クリスマスギフト
・レッドライオン
・ミネルバ
・ハッピーメモリー
・アップルブロッサム
・アンビアンス
・レモンスター
・キャンディーケーン
・ブロッサムピーコック
【中輪系】
・ガーデンオーケストラ系
・バレンティノ
・ラピド
・トレシック
・スワンレイク
・フェアリーテール
・ドナウ
・ベネット
【ミニアマリリス】
・リトルバリエガータ
・プリティーリップ
・オリエンタルレディー
・スワンレイク
・赤だるま
上記のほかにも、アマリリスの品種は多数あります。
毎年のように新しい品種が誕生しており、今後も数が増えると予想できます。
「アマリリス」の豆知識
アマリリスには毒性があるので注意
アマリリスは愛らしい花姿をしていますが、花、葉、球根の部分に毒が含まれています。
アマリリスに含まれる毒素は「リコリン」と呼ばれるアルカロイドの1種です。
誤って摂取した場合、下痢、おう吐、発熱、こん睡などの中毒症状を起こすことがあります。
なお、アマリリスのほか、ヒガンバナ、スイセンなど、ヒガンバナ科に所属する植物にはリコリンが含まれているので、同様に注意が必要です。
特に、小さな子どもがいる、ペットを飼っているといった家庭では、大切な家族が誤ってかじったり、食べたりしないように注意しましょう。
まとめ
1本の茎にユリに似たエレガントな花を咲かせるアマリリスは、ガーデニングから切り花まで、さまざまな楽しみ方があります。品種の数も多く、種類によって花色、大きさなどが異なり、それぞれ個性あふれる花姿を観賞できるのも魅力です。華やかなアレンジメントや花束のメイン花にアマリリスを選んではいかがでしょうか。花と植物のギフト通販サイト「HanaPrime(ハナプライム)」では、上品でおしゃれなフラワーギフトをそろえているので、自宅使いから贈り物まで、幅広い用途にご活用いただけます。